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■第30話「それでも進む」
夜明け前の空が、わずかに白み始めていた。
長い夜が、終わろうとしている。
だが、それは新しい始まりでもあった。
「これから、どうする?」
リナの問いに、レイは少しだけ空を見上げる。
答えは決まっていない。
行き先も、未来も、不確かだ。
それでも一つだけ、はっきりしていることがある。
「生きる」
短く答える。
それがすべてだった。
戦場に戻ることはない。
元の場所にも戻れない。
だが、それでいい。
守ると決めたものが、ここにある。
それだけで十分だった。
「一緒に、行こう」
手を差し出す。
リナは迷わず、その手を取った。
その瞬間、すべてを失った代わりに、新しいものを得た気がした。
たとえこの先がどれだけ過酷でも。
二人は、もう立ち止まらない。
それでも進む。
嘘から始まった関係が、本当になることを願いながら。




