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■第23話「捕らわれた影」
その頃、リナは拘束されていた。
冷たい石の床に座らされ、手には簡易的な拘束具がはめられている。
逃げることはできない。
目の前には、部隊の上官が立っていた。
「敵と接触していたな」
低い声が響く。
否定することもできた。
だが、それは無意味だと分かっている。
すでに証拠は揃っているのだろう。
「……はい」
小さく答えると、空気が一層冷たくなる。
「理由は?」
その問いに、言葉が詰まる。
任務ではない。
命令でもない。
ただ、自分の意思だった。
「……分かりません」
正直に答えると、上官の目が細くなる。
理解できないものを、許すことはできない。
それがこの場所の論理だった。
リナは目を閉じる。
浮かぶのは、レイの顔だった。
あの時間が、すべてを変えてしまった。
後悔はなかった。
ただ一つ、願うことがあるとすれば。
――彼が巻き込まれていなければいい。
それだけだった。




