『あるみん』 - 第15章「謎の男」
三人は、砂浜に立っていた。
海を見つめる。
波が、寄せている。
白い砂浜。
青い海。
青い空。
「...綺麗だな」
雫が、波打ち際に近づいた。
「本物の海、見たことない」
「これが、海...」
雫が、水に触れる。
「冷たい...!」
「でも、気持ちいい」
閃も、海を見ている。
「アルミンは、この景色を見たんですね」
マサキは、頷いた。
「...ああ」
「この記憶が、データになってる」
マサキは、沖を見た。
視界に、表示が浮かぶ。
[Thread 2: 500m offshore]
「スレッド2:沖合500m」
「...500メートル」
「泳ぐのか?」
閃が、言った。
「船を生成できるかもしれません」
「試してみます」
閃が、手を伸ばした。
(船...)
光が集まる。
そして——
小さな、ボートが現れた。
木製のボート。
オールが二本。
「...できました」
雫が、目を輝かせた。
「すごい!」
三人は、ボートに乗り込んだ。
マサキと閃が、オールを漕ぐ。
雫は、舳先に座る。
「出発!」
ボートが、進む。
波が、揺れる。
心地いい。
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【沖へ】
10分ほど、漕いだ。
陸地が、遠くなる。
周りは、海だけ。
青い海。
深い。
マサキは、水面を見た。
透明。
魚が、泳いでいる。
銀色の魚。
美しい。
「...本物みたいだ」
雫が、水に手を入れた。
「気持ちいい...」
その時——
閃が、オールを止めた。
「...何か、います」
マサキは、周りを見た。
「何が?」
閃が、水面を見つめた。
「...下です」
マサキは、水中を見た。
暗い。
深い。
でも——
何かが、動いている。
影。
大きな、影。
「...!」
その時——
水面が、爆発した。
ザバァッ!
水しぶき。
そして——
何かが、飛び出した。
黒い、影。
でも——
ハウンドではない。
もっと大きい。
サメのような形。
でも——
機械。
金属の体。
赤い目。
体長、5メートル。
「...何だ、あれ!?」
閃が、叫んだ。
「レヴィアタン!」
「水中型の防衛機構です!」
レヴィアタンが、ボートに向かってくる。
口を開ける。
鋭い、牙。
「やばい!」
閃が、剣を構えた。
レヴィアタンが、ボートに噛みつく。
閃が、剣で受け止める。
ガキィン!
金属音。
でも——
レヴィアタンの力が、強い。
ボートが、傾く。
「うわっ!」
雫が、バランスを崩す。
マサキが、雫を支える。
「大丈夫か!?」
「うん...!」
閃が、レヴィアタンを押し返す。
レヴィアタン、水中に戻る。
「...ふう」
でも——
水面が、また爆発した。
今度は、二体。
「...二体!?」
二体のレヴィアタンが、ボートを挟む。
左右から。
「まずい!」
閃が、右を斬る。
マサキが、剣を生成して、左を斬る。
でも——
レヴィアタンの皮膚が、硬い。
剣が、弾かれる。
「くそ!」
レヴィアタンが、ボートに噛みつく。
ボートが、壊れる。
ミシミシと、音がする。
「ボートが、持たない!」
雫が、バリアを展開する。
ボートを包む。
でも——
レヴィアタンが、バリアに激突。
バリアが、揺れる。
「うっ...!」
雫が、耐える。
でも——
バリアに、ヒビが入る。
「雫!」
その時——
水面が、激しく揺れた。
「...!」
巨大な影が、水中から浮上してくる。
体長、20メートル。
巨大なレヴィアタン。
口を開ける。
鋭い牙が、無数に並ぶ。
「...やばい!」
巨大レヴィアタンが、ボートに向かって突進してくる。
速い。
避けられない。
「終わりか...!」
マサキは、目を閉じた。
その時——
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【謎の男】
光が、レヴィアタンを貫いた。
まぶしい光。
レーザー。
レヴィアタン、爆発。
光になって、消える。
マサキは、目を開けた。
「...!?」
水面に、誰かが立っていた。
男。
20代後半。
黒いコート。
フード付き。
顔は、見えない。
でも——
雰囲気が、強い。
男が、手を伸ばした。
光の剣。
でも——
マサキの剣とは、違う。
もっと大きい。
もっと鋭い。
男が、剣を振る。
残りの二体のレヴィアタンを、一瞬で斬る。
爆発。
消える。
沈黙。
でも——
その時。
水面が、激しく揺れた。
「...!」
巨大レヴィアタンが、水中から浮上してくる。
体長、20メートル。
口を開ける。
鋭い牙が、無数に並ぶ。
「...!」
巨大レヴィアタンが、ボートに向かって突進してくる。
速い。
避けられない。
「終わりか...!」
その時——
男が、前に出た。
剣を、構える。
そして——
跳んだ。
高く。
巨大レヴィアタンの上。
剣を、振り下ろす。
光の刃が、巨大レヴィアタンを真っ二つに切り裂いた。
ズバァッ!
巨大レヴィアタン、爆発。
光になって、消える。
男が、水面に着地した。
沈黙。
波の音だけ。
マサキは、呆然としていた。
「...一瞬で」
閃も、驚いている。
「...強い」
雫が、男を見つめた。
「...すごい」
男が、ボートに近づいた。
水面を、歩いている。
フードの奥から、目だけが見える。
優しい目。
マサキは、立ち上がった。
「...あんたは」
「誰だ?」
男が、立ち止まった。
沈黙。
風が、吹く。
波が、揺れる。
男が、マサキを見つめた。
[第15章、終わり]




