これからやること。
そういえば、と私は重要なことを今更のように思い出した。
ジャンを守る以前に、エドワードを守ると決意していたっけ。
オンセン計画に夢中で、ここ数年そっちの方は完全に忘れていた。
今日から本腰を入れて、エドワードの貞操を守ろう。
いや、その前にエドワードが誰にも傷つけられていないかどうかを確認することが先決か。
ここ数年、王子妃教育をまともにやった記憶もないが大丈夫だろうか。
エドワードに何か言われてしまうだろうか。
ジャンが言うには、オンセン計画のために古い文献調べていたり、オンセン計画のために城下町に繰り出したりしていることが、それだけで役目を果たすことになっていたらしいが。
要するに、この世界は色々と緩いのだろう。
例えば、貴族の親と縁を切るだけで、その人の貴族としての義務は無くなる。
しかし、縁を切ったからといって家族に会えなくなるというわけでもない。
結婚に関しても同様だ。
結婚前に婚約期間は必要だが、貴族であっても恋愛結婚はかなり普通のことである。
もとよりここは、権力などを持っていても意味の無い世界なのだ。
話は戻るが、そんな緩い世界において、王子妃教育が本格的に始まるのは十六歳からだということもジャンは教えてくれた。
また、そのときに婚約を正式発表するのだとか。
もちろん、エドワードに新しい想い人がいなければの話である。
そういったことも含めて考えると、エドワードの貞操の確認だけでなく、攻略対象者たちの進行度も把握しなくてはならないだろう。
つまるところ、まずはエドワードの周辺情報を得るところから始めようではないか。