第肆拾壱話《EXLoop:Second 誘拐された二人》
休日、龍雅は、悠美の所属するアイドルグループのチケットを二枚持って、やっちまったと言う顔で顔を抑えている。
姉、悠美は、人気アイドルグループで活躍している。
――間違えて二枚買っちまった。
まぁ、いいや、姉ちゃんと他のメンバーと握手すればいいか…
龍雅が、そう思い、チケットをポケットにしまうと、窓ガラスが割れ、床に矢が刺さった
――何だ!?
龍雅は、矢を見ると、矢に紙が括り付けられており、龍雅は矢から紙を取り、窓に向かって緑の光を当てると、ガラスは修復された。
――どんなことが?
龍雅が、紙を広げた。
『拝啓 剣ヶ峰龍雅様 貴方様のクラスメイト空神翔妃と妹様剣ヶ峰宮弥を誘拐させてもらいました。生きて返して欲しいのならば、今日の23時59分以内までに、得大紐山の山頂に一人で来てください。貴方以外の人と一緒に来たり、時間が過ぎると二人を殺しますのでご注意を…移動手段は、何を使っても構いません。お待ちしております。Ms.YS』
――クソッ、YSめ…
龍雅は、手紙を破り捨て、念動力で窓を開け、鎧を装備し、外へ飛び出していった。
今日の空は、深い曇り空だ。
龍雅は、雲を突き抜けると、龍雅の周りに無数の改造兵と選別軍の戦闘ヘリと戦闘機が現れた。
『そこを止まれ! そして大人しく投降しろ! 剣ヶ峰龍雅!』
戦闘ヘリから一人の男がメガフォンを持ってそう言った。
「チッ、YSめ…簡単に近付けさせないという事か…良いだろう…さっさと終わらせてやる…」
龍雅が指を鳴らすと、無数の敵は、素粒子へと分解された。
――さて、邪魔者は消え去った。
龍雅は、雲を切り裂きながら、得大紐山の山頂を目指す。
――見えた! クソッ、待ち構えていたか!
山頂には、無数の選別軍の戦闘機と戦車と改造兵が待ち構えており、龍雅が、得大紐山の山頂に到達すると、銃口と砲口が龍雅の方に向けられ、弾幕が放たれた。
――あぁ、面倒だ。
龍雅は、また無数の敵を全て消し、山頂に降り立った。
火口の方から、パチパチと拍手する音が聞こえた。
『いやぁ~素晴らしいですねぇ…その能力…流石龍雅さん、容赦ない…』
妖艶な金髪の黒いコートを身に纏った仮面の少女Ms.YSは、クククと笑い、龍雅に向かって紳士的にお辞儀をする。
龍雅は、YSに向かって、憎しみの眼を向ける。
『おっと、私を殺すと翔妃と貴方の妹さんの命はどうなるか…』
「何だと?」
『私を殺すと二人は死ぬ…』
「お前の目的は何だ? 二人は何処に居る?」
『それの答えは、後で…私の後を追ってください。』
YSは、後ろを振り向き、空間に巨大な虹色の扉が現れ、扉が開いた。
扉の中は、黒い虚空の空間が広がっていながら表面は、水の様に波立っているまるで黒い海のようだ。
YSは、龍雅に手招きしながら虚空の空間に入っていった。
――罠かもしれない…けれど、二人を助け出せるかも知れない…行くか…
龍雅は、虚空の空間に入ると、扉は閉まり、虹の扉は、この世から消え去った。
「ここは、一体?」
灰色の雲一つない空、薔薇と潮が混ざった匂いのする血のように紅い浅瀬が辺り一面に広がっていた。
水深は、子供用プールと同じ位。
後ろを振り向くと扉は消えており、後戻りはできないようになっている。
――進むしかないか…
龍雅は、浅瀬から出て、前方へ飛ぶ。
すると、突然浅瀬から異形の姿をした人型の化け物が数百匹現れ、龍雅の周りを取り囲んだ。
――何だ? こいつら? 気持ち悪い…やるか…
襲い掛かってくる異形の怪物を龍雅は、真っ二つに斬ると、怪物は分身した。
――まさか、斬ると、分身するのか!? となると、解体すると更に増える…こいつらには、解体は、通用し無さそうだ。
怪物たちは、龍雅に襲いかかる。
龍雅は、怪物を蹴り上げ、なるべく斬らないように迎え撃つ。
四匹の怪物の両手が刀状に変わり、仲間の体を四つに斬っていく。
すると、怪物は四体に増え、分身した怪物の内一体は、両腕を刀に変え、仲間を斬り、増やしていき、内、三体は龍雅に襲いかかる。
――クソ…このままだと物量で圧される。何とかならないのか…
龍雅は、怪物を全力の力で殴り飛ばす。
龍雅が、怪物に与えている攻撃の一発一発が、最大出力のレールガンを至近距離で放つような威力だ。
だが、怪物の一体一体が何度殴っても死なない。
遠くに離れても、瞬間移動して、攻撃してくる。
怪物達の攻撃は、強く一発一発が戦艦の主砲を至近距離で受けるような威力だ。
龍雅にとっては、そんな攻撃は、不愉快な攻撃でしかない。
だが、攻撃というのは、与え続けているといつかは効くもの、大量の怪物からの連続攻撃と不死性と増殖能力で、龍雅は今、追い詰められている。
――何か…何かないのか!?
怪物の眼から光線が放たれ、龍雅は避けると、一体の怪物に当たり、爆散し、怪物の中から脈動する紅い球が現れ、紅い球は、無数に分裂し、紅い球が再生し、無数の怪物が現れた。
――まさか、あの紅い球が…
龍雅は、咄嗟に怪物の胸を剣で抉り、紅い球を取り出して潰すと、怪物は、この世の物とは思えない程、悍ましい声を挙げながら悶え苦しみ、倒れ、消えた。
――なるほど、紅い球は核だったか…ならば…
異形の怪物達を倒す方法を知ると、龍雅は、怪物達の胸を抉り、核を掴んで潰していく。
怪物は、龍雅の手を狙ってくるようになり、怪物達の口が開き、龍雅の手を噛み千切ろうと、襲いかかってくる。
ビームも放たれ、増殖と同時に手を消そうとする。
――これでは、キリがない…仕方がない…
龍雅は、鎧の機能をオンにし、時間を停止し、自分に速度上昇をかけ、怪物達の核を潰していく。
――ゲームオーバーだ。
最後の一体の核を潰すと時間が動くのと同時に、龍雅は、空を飛ぶと、龍雅が戦っていた場所に太陽風の様な強烈な熱風が吹き荒れ、怪物達は消えた。
――戦闘終了だ…
龍雅は、鎧の機能を停止すると、龍雅の体と頭に激痛が走った。
――頭と体が…痛い…
龍雅の脳にLevelUpという文字が浮かび、龍雅のレベルは、45から60へと上昇する。
解体と組立のレベルがMAXになり、全耐性が上昇し、全能力が向上し、複数の技を手に入れた。
——レベルが急に上がったな…力が溢れる…さて、行くか…
龍雅は、紅い浅瀬を進んでいく。
先が見えない。
けど、進んでいく。
龍雅は、道中でまた敵と出会い、倒していく。
その度、龍雅は強くなっていく。
移動した距離は、凡そ地球百周分、けれどまだゴールは見えない。
どれくらい時間が経ったのか、分からない。
時計の針は、この空間に入った時点で狂っており、時間が戻ったり倍に進んだり、ゆっくりになったりと安定していない。
――はぁ…はぁ…レベル90…今日でレベルが二倍になった。それに技も数え切れないほど得た。
龍雅は、浅瀬に倒れこみ、周りに怪物が現れる。
――またかよ…これで何度目だ? 俺が戦闘好きと言っても、同じもの食わされても飽きるだけだぜ。
「いいぜ。かかって来いよ。俺の糧となりやがれ!」
龍雅は、怪物達が分身する前に、核を潰し、そして最後の一匹の胸を足で潰す。
「はぁ…はぁ…ゴールはまだか?」
龍雅は、遠くを見ると、空中に浮いた巨大な扉が微かに見え、笑みを浮かべた。
――もうすぐでゴールだ。
龍雅は、扉に向かって高速で飛んで行き、扉の前に着くと、文字の描かれた石板が現れた。
石板に書かれていたのは、扉の前に現れし者よ、この先に進みたくば、異形なる巨人を倒すべしと書かれてあった。
その時、巨大な足音が聞こえ、巨大な影が扉を覆った。
――なるほど、新しい刺激だな…
後ろを振り向くと二体の超巨大な怪物が龍雅に襲いかかって来た。
――図体がデカいだけで、あまり変わらないのだろうな!
龍雅は、異形の巨人の胸を抉り、巨大な核を潰すと、異形の巨人は爆散し、肉片は百体の怪物になり、龍雅に襲いかかる。
――なるほど、奴を倒すとこうなるのか、ならば…
龍雅は、高速で動き、百体の怪物の核を潰し、そして残った異形の巨人の核を潰し、百体の怪物の核を潰していく。
「これで終わりだ!」
最後の一匹の核を潰すと、黒い扉は、青い光を放ち、扉が開き、光の階段が出来た。
「さて、行くか…」
龍雅は、光の階段を進み、扉の中に入ると、扉は、閉まり、光の階段は消えた。




