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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
第2章《逆行編~Repeat.Time.Prison~》
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第参拾肆話《第二の輪廻 丁~龍雅と奈菜 上~》

 ――なるほど、敵は工場の近くのビルに有りか…大体居場所は絞り込めた。これで奴らを殺す事が出来る…それに例のアレが完成したか…この事件が始まる前に依頼しておいてよかったぜ…


 制服姿の龍雅は、刀を掲げ、月夜の光を反射させる。

 

 ――奴らの配下共は、ただ奴に従っているだけだから、死を気付かせぬ為に、解体してやろう。だが、奴らは惨たらしく殺してやる…


 龍雅は、そう思い、剣を数十匹のモンシロチョウへと姿を変え、空を舞った。


 ――…もし、俺が今よりも狂い暴走してしまったら…虎太郎…その時は、お前が、俺を止めてくれ…暴れ出した怪物を止める事が出来るのは、人間の英雄だけだ。お前は、英雄で、俺は、怪物…主人公がラスボスを倒すのは必然の運命さだめだ。


 龍雅は、そう思いながら盾ヶ原家の一軒家を見てから龍雅は、立ち上がった。

 遠くの空が明るくなってきた。

 夜明けだ。


 ――夜が明けて来たか…さて、奴らの居場所を捜すとしようか…母さんは、株価の急激な上げ下げを能力で予知して昨日から居ないし、親父は、海外の格闘技大会に出場して居ていないし、姉さんは、番組の理由で旅館に泊まっていて居ないし、家には俺しかいない…好都合だ。今の俺は、広範囲に動ける。まぁ、姉さんや親父に迷惑かけない為に、隠密に行動しなければな…


 龍雅は、家に入り、戸締りをして家の鍵と学校鞄を虚空にしまい壁をすり抜け、空を飛んだ。


 ――さて、まずはあっちの方に行くか…確かあの廃工場の近くにもビルがあったな。


 水平線の彼方に見える少し顔を出した朝の太陽と空に浮かぶ有明の月の空、龍雅はその空を駆け、かつてYSと初めて出会ったあの廃工場へと向かう。


 ――着いた…


 龍雅は、廃工場の近くにあるビルに、姿を隠した状態ですり抜けて入った。


 ――さて…調査開始だ。


 龍雅は、手袋を付け、作業に取り掛かり始めた。


 四時間後…


 ――やれやれ…これだけ探しても見つからない…工場の近くにあるビルの資料を全て探し、調べ尽くしたけど、そんなの見つからなかった…まさか…本州にあるのか? …だが、もう時計は、午前九時前を指示している…学校に行かなければな…


 龍雅は、壁を抜け、ビルから出て、虚空から鞄を取り出し、学校へと飛んで行く。

 

 そして、時はまた夕方になる。

 

 ――さて、俺の問題は今度こそ、解決する…


 龍雅はポケットの中からスマートフォンを取り出した。

 スマートフォンの画面には、紗里弥とのトーク画面が映し出されており、トーク画面には、お前のやる事は分かった…だが、何回繰り返そうと私からの愛は忘れるなよ。所詮、このループの私は、消えゆく運命…次のループの私を愛せ、この事を知らぬ私を愛せ、何故、お前への好意がこれほど強いのか、分からない…ハーレムを築こうとはするし、今のお前は、私以外のヒロインの事で必死だし、まぁ、私が正室メインヒロインであれば問題はないんだが…この事が終わったらお前は、真っ先に私の元に来い。私がこの事を知らなくてもな…取り戻してこい…必ずな…と書かれていた。

 

 ――…紗里弥…お前の気持ちは分かった…この事が終わればお前の元に行こう…

 

 龍雅は、次に、虎太郎のトーク画面を選び、俺は今から作戦を決行する…そっちの状況は? と送ると、すぐに返事が返って来た。

 あぁ、俺も決行する…だから、心配しないでお前もやれ…と書かれていた。

 龍雅は、すぐに了解したと返信し、端末の電源を切り、ポケットの中にしまい、服の下に、ナイフを造ってから忍ばせ、奈菜を誘い出す為に、校門に凭れ、目を閉じる。


 同時刻、学校の廊下…


 「龍雅君…」


 赤髪の少女は、スマートフォンの画面に映る龍雅の画像にキスをした。

 その画像には、龍雅以外にも映っているが、その画像に写っている女性の顔は、全て血の様な赤いペイントで塗り潰されている。

 スマホの中のギャラリーの写真のフォルダには、龍雅の写真しか無く。

 中には、高度な加工が加えられ、切り取られた龍雅の写真と写る奈菜の画像も大量に入っていた。


 (私の敵は、翔妃、紗里弥、そして香苗…アイツらは、今日こそ殺す…この水と地を司る力で…でも、香織の手伝いも…いや、香織なら問題なさそうね…だってあれだけの能力を持っているし…それにしても、何で返信をくれなかったんだろ? 昨日は10回くらい送ったのに、)


 水と地を司る…それはつまり、紗里弥が持つ液体化と固体化を持ち、地上で発生する災害や有益などを操る事の出来、更に隕石をも操る…紗里弥が天を司るなら、奈菜は地を司る…二人が揃えば、地球を操る事も可能だが、二人は敵対関係…そうもいかない…

 

 奈菜は、口の中に水を生成し、その水を飲み込み、喉の渇きを潤した。

 奈菜が、外を見ると、龍雅が校門に凭れて目を瞑っている所を見て、奈菜は、笑顔を浮かべた。


 ――…俺の挑発に乗ってきたか…奈菜の生体反応がこちらに向かってくる…フフ…奈菜の生体反応を常時ロックオンしておいてよかったぜ。奴の反応がすぐに分かる…


 奈菜は、靴箱から靴を取り出し、上靴を靴箱にしまい、そして龍雅の元へと向かった。


 「龍雅君」

 「ん? 奈菜か…何か用か?」

 「龍雅君が、校門に寄り掛かって眠っている所見たから、龍雅君と一緒に帰ろうかな~って…」

 「そうか…7時間目眠くてな…お前は、部活帰りか…」


 龍雅は、欠伸を出す演技をし、目を擦る。


 「7時間目? そんな時間あったかな?」

 「知らないのも無理はない…まぁ、じきにお前も7時間目に参加するだろうよ。」

 「へぇ~」


 ――今、奈菜に七時間目の事を話せば、もしかすると能力が強化されてしまうかもしれないな…


 「誰かを待ってるの?」

 「お前だ。お前を待っていた。」


 (えっ、私の事を待っていてくれたの?)

 

 ――と思っているだろう。そうだ…お前を待っていた。これで終わらせる為に…


 「所で…」


 奈菜は、龍雅に近付き、耳元で「何でナイフを隠し持っているの?」 と聞いた。 


 「ッ!?」


 龍雅は、動揺し、服の中のナイフを即座に素粒子へと分解した。


 「あれ? 勘違いかな?」

 「何を言いだすかと思えば…俺の服の中には何も入ってはいない…敢えて言うなら財布とスマホと生徒手帳ぐらいだ。ナイフなんて学校生活には必要が無いだろう。」

 「…ねぇ…こっちに来て…」


 奈菜は、目の笑っていない恐怖と凶器の感じる笑顔で、龍雅に微笑み、龍雅の腕が千切れるかの如く強く握って引っ張った。


 ――中々、強いな…さて、何処に行くのか…俺はもう、覚悟を決めている…何処だ? さぁ、何処だ? 俺とお前が苦しむのはこれで最後だ…


 龍雅が奈菜に、人目のつかない場所遠い得大紐山の採石場跡に連れて来られると、奈菜は、いきなり龍雅の胸ぐらを掴んだ。


 「ねぇ…何で私以外の女を見てるの? それになんで、返信を送ってくれないの? 私がこんなに貴方の事が好きなのに…愛してくれないなら、あいつ等を殺してから私と一緒に死のう?」

 「すまない…俺は、お前の愛を気付かず、俺はただ復讐心だけに囚われていてな…」

 「復讐心? 何に復讐を?」

 「お前に関係する復讐だが、お前が手を汚す必要はない…俺もお前の事が好きだ。女としてな…だからメールの返信がな…」

 「その復讐相手って…まさか、私に力を与えてくれた人たちの事?」

 「……そうだ…俺の愛する者が、奴らに奪われ、殺された事への復讐だ。もう一人のお前を取り戻す為でもあるがな…だから聞かせろ…」


 龍雅の態度は一変し、優しい雰囲気から恐怖としか言えない地獄の雰囲気に変わった。


 「奴らの居場所を教えろ…教えてくれれば、俺に何しようと構わん…俺は、ただ奴らに復讐するだけだ。」

 「もう一人の私…か…それは、今の私を殺すって事…という事は、龍雅君…貴方は、私の事を愛してくれないの? もう一人の私がいいの?」

 「…正直に言おう…そうだ、俺は、悪に染まっていないもう一人の奈菜が好きだ。アイツこそが俺の奈菜だ…お前は、俺にとっては奈菜の形をした美少女にしか見えないな…」


 ――すまん…裏の奈菜、洗脳を解くには、粗治療だが、お前を倒すしか方法がないのかもしれない…


 「…そう、なら教えないし、貴方を絶対に許さない! 龍雅君を倒した後に、あの女どもを殺し、龍雅君の手足を引き千切り、私無しでは生きられないようにしてやる! 龍雅君が知らない新しい私を見せてあげるわ!」


 奈菜は、そう言い、腕輪を弄ると、奈菜の体は妖しく光り、そして輝きが収まると、悪に染まったヒロインを彷彿させる様な選別軍のマークのある妖しく危険な色気が漂う赤い模様の奔る漆黒のバトルスーツを身に纏い、目に妖しい光を放つバイザーを付けた奈菜が現れた。


 「どう? これが私の姿よ? これは、貴方の言う組織から貰った素晴らしい力なの…これで龍雅君を倒す! あの組織から龍雅君を倒したら好きにしていいって言われているから…大人しく倒されてね?」


 奈菜は、剣と槍を数本生成し、龍雅に向けた。

 龍雅は、学生鞄を虚空へとしまった。


 「フッ…それが新のお前か…ならば、お前の力を見せてみろ…この俺になァ!」


 悪魔の笑みを浮かべる龍雅は、奈菜に対抗するように、虚空から剣を二本取り出し、逃げられないようにあたりに禍々しい紫黒の炎を放ち、戦闘が開始された。

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