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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
第2章《逆行編~Repeat.Time.Prison~》
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第弐拾漆話《第一の輪廻 破の中~裏で暗躍する仮面の少女~》

また遅れてしまいました。

申し訳ございません。

 龍雅が、目を覚ますと、そこは、薄暗い白い天井だった。

そして周りを見回すと、そこは、少女の部屋だった。

 壁は、白い花やぬいぐるみ、水玉模様が描かれたピンクの壁紙、壁掛けには女性が好む、インテリアの数々

 体は既に再生しており、呼吸も取れるが、手と足は、縄と鎖で封じられている。


 ――今度は、薄暗い場所ではなく奈菜の部屋か、また、いきなりやられたが…まぁいい…計画通りに行った…これで、話し合いに持ち込める…しかし、こんな枷で、俺の行動を封じるなんて愚かな事だ…


 龍雅が、そう思い、体を動かそうとすると、部屋の扉が開き、奈菜が、部屋に戻ってきた。


 「おはよう。龍雅君…」

 「最悪の目覚めだぜ。こんな格好では、封印させられている夢を見ちまったぜ。」

 「それは悪かったわ。ごめんなさい」

 「別に構わない…だが、俺を捕えて何をする気だ? 返答次第では、今すぐにこの拘束を破り、お前の望み叶わぬまま、お前を俺の傀儡にしてやる。」

 「何をするって? 龍雅君を私だけのモノ…私だけを見つめてくれるようにするだけよ。けど、龍雅君の傀儡になるって言うのも、悪くないかもしれない…けど、やっぱり私は龍雅君を独占したい…」

 「俺を独占したい気持ちは、ありがたい…だが、生憎、俺の体は、一つしかなくそしてお前を含める美しき存在を手に入れようとする強い欲望を持つが故に、その願いは叶えられないだろうな。」


 龍雅は、そうニヤリと笑い、無様な姿にもかかわらず強気の姿勢を見せた。


 「じゃぁ、アイツらを殺せば、良いって事ね…」


 奈菜は、そう言い、殺気の籠った眼で、龍雅を見た。


 「なるほど、そう来たか…ならば、俺をお前の好きにしても良い…けど、約束してくれ…紗里弥達に手を出さないでくれ…」

 「へぇ…」


 龍雅は、殺気とは打って変わって、真剣な表情で奈菜に懇願した


「それでないと、また繰り返し、お前を愛せなくなる。」


 龍雅は、そう小さい声で呟いた。


 「繰り返す? 繰り返すって、どういう事?」

 「気にするな…さぁ、どうする? 俺に手を出せば、お前は、アイツらに手出しは出来なくなるが、凍える炎がお前を許さないだろう。俺に手を出し、アイツらに手出しした時は、悲しいが、傲慢で、クズである俺がお前をこの世から抹消する。さぁ、選べ、今のお前は、狩人だ。獲物オレを得て、さりやに焼かれるか、アイツらを殺し、獲物オレに消されるか、獲物も敵も選ぶのをやめ、獲物は、狩人に変異し、お前を俺に奪われるか、さぁ、選べ!」

 「…ならば、私は、例え、炎に焼かれても龍雅君を独占したい」

 「…好きにするがいい…」


 ――さて、ここから先は、未明だ。何をすればいい?


 「ねぇ、一つ聞いても良い?」

 「何だ?」

 「龍雅君は、何故、そこまでハーレムに固執するの?」

 「何故だろうな…この力を以て欲望に委ねて生きた方が楽だと思ったからかな?」

 

 龍雅は、そう言いながら、縄を分解すると、奈菜は、龍雅の動きを警戒し、龍雅はベットに座った。


 「逃げはしない…だが、俺を逃がす者が現れたりしてるかもしれんがな…」


 龍雅は、そう言い、ニヤリと笑うと、二人の目の前に一人の少女が現れた。


 「なっ!」

 「龍雅君! 助けに来たよ!」


 現れた少女は、茶髪のセーラー服を着た美少女香苗であった。


 「誰かが来るとは、船体反応で捉えてはいたが、まさか、お前とはな…香苗…」

 「うん! それよりも逃げるよ!」


 香苗は、そう言い、龍雅の手を掴もうとすると、香苗の体は破裂した。


 「なっ…」

 「龍雅君を捕らせない!」


 奈菜は、殺気の籠った顔と声で、そう言い、香苗の体内から大量の血が噴水の様に噴出し、香苗の体の急所に刃物が生成され、香苗の体は痙攣し始めている。


 「チッ、やはりこうなるか!!」


 龍雅は指を鳴らし、飛び散った血液分子を分解し、香苗の体に還元し、香苗の体を再生させようとする。

 

 ――間に合うといいが…


 龍雅は、間に合うと思っていたが…


 ――間に合わない…生体反応が消えかけている。もう手遅れか…


 龍雅がそう思うと、すぐに時間を巻き戻し始めた。


 『…私の力を与えたもののこうなってしまいましたか…まぁ、いいでしょう…安心なさい…今度のループの香苗は、能力を得た状態で再開し、その力と記憶は、何度繰り返そうと受け継がれる…』


 YSは、巻き戻される時間に干渉されず、YSの視線の遠くに映る龍雅を見て、そう言った。


 『さぁ、また繰り返しなさい。何なら何度かの可能性を捨て、力を付けるというのもありですよ? って、聞こえてませんか…まぁ、いいでしょう…貴方は、どうやってこの輪廻を抜け出す事が出来るでしょうか?』


 YSは、そう言い何処かへ去っていった。


 時間は遡り、時は放課後までに巻き戻る。


 ――セーブ地点が自動更新されていたのか? まぁ、いいどちらにしろ変わらない…さて…今回は、嫌われる覚悟で、行くとしようか…非情なるやり方でな…嫌われようと、時間さえ巻き戻せばいい…得れるモノを手に入れ、そして得たモノを守る為ならば手段は選ばない…これは、悪だろう…だが、これはもう引き返せない…あの時点で、元あった可能性せかいを捨ててきたのだから…


 龍雅は、そう思い、虎太郎が殺された後に、時間を巻き戻した事を思い出す。


――俺はいずれ何かに裁かれるだろう。だが、それはそれで悔いはない…自業自得だ。


 龍雅は、そう思い、立ち上がると、夕陽に照らされる龍雅の影がまるで煉獄の悪鬼の様に見え、教室に残っている人は全員、強烈な寒気に震え、龍雅は、教室から去っていった。


 (龍雅よ…何故、そんな悍ましい憎悪を見せている? 龍雅…もしや、お前は繰り返しているのか? 何を憎んでいる? 奈菜か? ………放っては置けないな…ここは、一つ…龍雅の後を追ってみるか…)


 紗里弥は、そう思い、龍雅の後を隠れる様に着いて行った。



 一方その頃、東京のとある学校の放課後の教室…


 (ハッ!)


 一人の少女は、鳩が豆鉄砲を食ったような表情をし、周りを見渡した。


 (さっきのは、一体…夢…?)


 少女は、そう思い、自分の体は触る。


 (いや、あれは本物の痛みだった。あれほど、生々しい夢なんてない…では、さっきのは…? 龍雅君を助けようとしたが、赤髪の少女に私は殺された…しかし、生きている…無傷の状態で…)


 少女は、そう思い、教室の掛け時計を見た。


 (まさか…時間が巻き戻っている? 有り得ない…時間が巻き戻るなんて、そんなの…いや、得大紐は、都市伝説では摩訶不思議な事が多数発生する島だと聞いた事がある…なら、この巻き戻りも納得がいくのかな? …それよりも、あの時渡された力は、まだ残っているの?)

 

 少女は、そう思って、自分の手の平を見る。

 

 前の週の数刻前、少女…香苗は、夕陽に照らされ、何も考えずに下校していた。


 『聞こえていますか?』


 (えっ…何…?)


 香苗は、謎の少女の声を聞き、足を止めた。


 『聞こえていますか? 聞こえているなら、こちら来てください…』


 (誰?)


 香苗は、声の聞こえる方へと向かって行き、裏路地へと向かって行った。

 香苗は、裏路地に入ると、真っ白な白亜の世界へと景色が変わっていた。


 (え?)


 『来ましたね…』


 香苗が、後ろを振り向くと、演劇の仮面を付けた景色に溶け込むような白いドレスの金髪の美少女が現れた。


 「誰? そしてここは何処?」

 『私? そうですね…時空の支配人YSと覚えてもらいましょうか…そしてここは、森羅万象、物理法則、私達以外の存在以外何も存在しない世界そのものに掛けられた呪いである物理法則から解放された無限に続く無垢にして虚無の世界…と言っても良く分かりませんよね…』

 「…よくわからないけど、私に何か用なの?」

『えぇ、貴方に質問があります。貴方は、貴方の王子を救える力が欲しいですか? そして貴方は、貴方の王子に惚れているならば、貴方の王子のハーレムに入る覚悟は出来ていますか?』

 「…ハーレムか…それでもいい…私は、龍雅君に惚れたんだから、ハーレムにも入るし、龍雅君の身が危ないなら、救える力も手に入れたい」

 『そうですか…なら、貴方に力を与えましょう…この力は、世界を巡る力です。』


 YSは、指を鳴らすと、香苗は発熱と頭痛と全身に強烈な痛みが襲い掛かり、倒れた。


 (…!! 苦しい…これは…一体…?)


 『何かを得る為には、苦しみは必然的です…その苦しみは、能力を得る為の副作用…大丈夫です…死にはしませんよ。少しの間だけ苦しいだけです。』

 「くっ…うう…」

 『さて、これでまた私は、裏で黒子の役を努めなければなりませんね…全く、出番がないというのは、非常に残念なモノです…まぁ、前よりは出番は増えましたけど…まぁ、私が龍雅さんの助けになるという役割を選んだからこそ、こんな風になってしまったんですけどね…』


 YSは、後ろを振り向き手を広げて歩きながらそう言い、龍雅達の住む世界に繋がる空間の穴を開け、去ろうとする。


 「何処に…行く…の…何もない世界に…置いて…行かないで…」


 香苗は、地を這い、手を伸ばし、YSに助けを求める。


 『大丈夫です…貴方に託した力は、ここから脱出する力であり、様々な世界に旅したり、千里眼で、全てを見通す能力…使用料は、いただきません。報酬は、貴方が龍雅さんに向ける愛だけで十分です。さぁ、貴方が目覚める頃には、龍雅さんの危機が訪れるだろう! その時、貴方は、龍雅さんを助けてハッピーエンドだ! 貴方は、その力を以て居る限り、私と龍雅さんの旅に着いていける! さぁ、この虚無の世界で、眠り、人としての生は終わり、人知を超えた存在として転生する! では、また会える時までには、龍雅さんの事を頼みましたよ! アハハハハハハハ!!』


 YSは、そう言い、何かが書かれたメモを捨て、YSは、空間の穴に入って行き、香苗は、白亜の世界に取り残され、香苗の意識は途絶えた。


 (私は、そうして意識が途絶えた後に目覚めて能力を使い、あの世界を脱出した後に、龍雅君の危機を嗅ぎ付け、助けに行ったものの…殺される始末…)


 香苗は、ポケットから一枚のメモを取り出し、広げた。

 メモに書かれてあったのは、香苗の能力についてだった。


 (このメモに書かれた私の能力についての詳細、どうやら本当だったらしい…この記憶が受け継がれるという力は、これは別の考えで見れば、私が死んで時間が巻き戻るという能力という事ね…)


 香苗は、メモをポケットにしまって鞄を持って教室を出た。


 (…私は、貴方を救ってみせるわ…例え、これから同じ出来事が繰り返しても…仮面の少女から貰ったこの力で…)


 香苗は、人気のない場所で、空間の穴を開き、何処かへ去っていった。


 厚かましいお願いでございですが、コメント・レビュー・ブクマ・評価の方宜しくお願い致します。

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