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第八十九話
バアルはもはや考えることを辞めていた。黒い柱を生成し投げつけるのをひたすら続けていた。
「くそ、くそ、くそがぁー」
暴言を吐きながらひたすら投げる。その投げられた柱は神威の纏う炎によって燃やし尽くされ灰となる。
「これはまるで雪みたいだなー」
僕は呑気にそんなことを言っていた。すると赤い剣が飛んできた。それを片手で止めそこまま握力のみで砕いた。
「誰だ?出てこい。」
僕は剣が出てきた方向に声をかける。
「流石ですね。これを止めるとは。」
そう言いながら暗闇から現れたのは赤い人型の悪魔だった。見た目は人だが尻尾が生えていた。
「アモン、なんで出てきた?!」
「お前がなんか追い詰められてるから見てられなくてな。俺も参戦させてもらうぞ。」
アモンと呼ばれた悪魔は空中に赤い剣をどんどん生成する。しかしそれは飛ばすことなくアモンの体の周りに停止している。
そして何も言わずこちらに歩いてくる。一歩一歩静かに。そして僕の5mほど手前までくると一気に間合いを詰めてきた。そして浮いている剣を両手に一本ずつ取り斬りかかってきた。




