第八十三話
絶鬼を倒した僕らはイザナミに別れを告げ霊界へと戻った。門を出た僕らを待ち受けていたのは…
燃える集落、あたりに漂う瘴気、そして沢山の人が倒れていてその中に神威が立っていた。
「お前がこれをやったのか?」
希莉が実体化し刀を構える。
「いや、俺じゃない。あいつだ。」
神威が指をさした先にはあいつがいた。
黒装束、体の周りに浮いているいくつもの棺桶、そう奴が僕が予知夢で見た棺桶の男だ。
「俺は…何も守れなかった。民も仲間も…」
弱々しくその場に膝をつく神威、そして意識を失う直前に一言「助けてくれ」と言った。
僕らは時棺桶の男の方を向き問いかける。
「お前がやったのか?」
「……」
「お前は誰だ?」
「死神 アヌビス」
「アヌビスだと?何が目的だ?」
「……」
「答える気は無いか。なら容赦なく排除する。」
僕は実体化した希莉を神装化する。
その時いくつかの棺桶のうち一つが開いた。そしてそこから出てきたは……
姿を消した僕の祖父だった。
「なんで大賢者 朱雀様がここに?!」
「なぜ俺の祖父がここにいるのかな?」
「祖父?!大賢者様が?!」
紫紅以外みんな驚いていた。
「五年前姿を消したと思っていたらこんなところにいたのか。」
「紫苑…彼もう霊体になってるよ…」
「あぁ、見たらわかるさ。倒すしかないようだな。」
「倒せるの?!」
「祖父ほどの実力者ならかなり厳しいだろうね。でもやるしかないのも事実だよ。」
僕は祖父に刀を向けた。
「今楽にしてやるからな…」
そう言って僕は一気に踏み込み間合いを詰めた。




