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第六十八話
階段を上っているとき紫紅が小声で聞いてきた。
「主、さっき全く怒ってなかったのになんで怒ってるって言ったんだ?」
「仕方ないだろ、まだ前世の力をコントロールしきれてないんだから。てか流石だね紫紅、わかっていたんだ。」
「一応聖域の神なんだぞ?主の生まれた時からずっと見てるんだし。」
「それはそれはお世話になっています。」
「まぁ、それは置いといて力は遠慮無く使わないと制御できないぞ?」
「うーん、暴走した時あれだけど頑張ってみるよ。」
「暴走した時は全力で止めてやるさ。命の保障はしないけどな」
「命の保障はしてよ……ほら、次の扉が見えてきた。行くよ。」
扉を開けるとそこには何も無い空間だった。
「敵の反応は無いな。ここは普通に突破できるんじゃない?」
と言って希莉は暗闇へ走っていった。
「あ、希莉待ってよー。」
希莉の後を追って涼音も走っていった。
「二人共言ってしまいましたね。私達も行きましょうか。」
暦も後を追って暗闇へ消えてゆく。
「さて、僕らも行くか。」
そう言って紫紅と歩き出すのだが突如目の前に檻が落ちてきた。




