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霊界との境界  作者: 紅刃
第三章 国家都市
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第四十七話

 メモの内容によるとこの都市に評議院五人以外に二人、東の都市国家に一人、西の都市国家に一人いるそうだ。


 そのうち僕らと交戦した白狐と黒鴉はこの都市にいるようだ。あの雑魚三人は流浪だったらしいが東の国か西の国どちらも行かないといけないみたいだ。


家に帰り情報を報告、すぐに東の国に旅立つ準備をした。この霊界では僕らがいる大陸がほとんどらしいが東と西にそれぞれ海で囲まれた島国がある。東の国へ行ってそこから西の国へ行ってここに戻ってくるという算段だ。さらっと言っているが何気に地球一周ならぬ霊界一周しているのだ。


 移動手段はもちろん船なのだがここ数日で用意できる船と言われるとたかが知れている。とてもじゃないけど耐久度的に持ちそうにない。律花に相談してみるとなんとかしてくれると言ってくれた。


 その日の午後、準備を終えて家を出た僕らは律花に言われた場所まで飛んだ。そこは人一人もいない断崖絶壁だった。目の前は海、それ以外なにもなかった。


「ほんとにここで合ってるの?」


「そのはずだけどー」


 すると空から二人の男が降りてきた。


「お、時間通りだなー関心関心。」


「えっとー貴方がたは?」


「俺はウミサチ、こっちはヤマサチ」


 神様きちゃったよ…


 話によると律花から相談をうけたイザナギさんがよこしてくれたらしい。


「そーそーイザナギの旦那から伝言。神界の神一同は君に協力することにしただから遠慮なく頼ってくれ。ってね」


「ありがとうございます。助かります。」


 僕……ついに神を味方につけちゃいました★


「ここから東の国に行きたいんですが頑丈な船がなくて…なんとかできませんか?」


「船なら任せなさい。」


 そう言ってそこに落ちていた枝を拾うヤマサチ。そしてなにやら呪文を唱えて海に投げ込むとそこに立派な船が出現した。


「言霊に行き先は君に従うように命じておいた。これに乗れば目的地に行けるだろう。」


「ありがとうございます。」


「いえいえ構わんよ。またいつでも呼んでくれや。」


「はい、行ってきます。」


 僕ら船に乗り込み最初の目的地、東の国へと旅だった。


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