第三十二話
「あのー貴女は?」
「私は神奈木 音羽。クサナギの剣の管理者です。事情は柊から聞いてます。」
「柊?」
「私です。柊 律花です。」
「苗字知らなかった。…」
「まぁ、とりあえずイザナギ様に会いに行きましょう。」
そう言われて神奈木について行くとイザナギ様のいる部屋の前へ来た。
「神と会うのって初めてだから緊張するなー。」
「神なら昨日殺したじゃん。」
「神格霊はー応神だけどあくまで神格を与えられた霊じゃん?」
「言われてみるとそうだなー」
これから神界を統治する神と会うのに何気なく話している僕と希莉をみて紫紅は呆れた顔をしていた。
「こら、主。静かにしないと怒られるぞ。」
呆れた紫紅に注意された。すると部屋の扉が開き僕らは中へと入る。すると、
「おお、紅蓮。300年ぶりじゃなー」
イザナギに声をかけられた。
「初めましてイザナギ様。僕は紅蓮ではなく紫苑です。」
「そーか紫苑というのかこれは失礼。それで神格霊とやらの動きはどうなんだ?」
「はい、神界へ来る途中三人と遭遇、うち一人を撃破、二人は敵前逃亡しました。」
「ほぉ、神格を与えられた奴らを倒すとは見事じゃ。」
「恐れ入ります。しかしまだ11人残っています。全員倒さなければこの戦いは終わりません。」
「そーか。ならクサナギの剣を持って行きなさい。君なら三種の神器ですら扱えるかもしれん。」
「ありがとうございます。」
礼を言って僕らは部屋を後にした。
「イザナギ様に許可がもらえたので祠にある剣を取りに行きましょう。」
神奈木がそう言った。
祠は森の奥にあった。入り口は小さく場所を知らなかったらおそらく見つけれないだろう。イザナギに許可をもらったので入り口の結界も通ることができた。
しばらく歩くと台座に一本の剣が刺さっていた。おそらくこれが[クサナギの剣]だろう。
「これ、引きぬいていいの?」
「はい!あ、でも剣に選ばれた使用者か管理者の私しか引き抜けませんが★」
「だめじゃん!」
「まぁ、試しにやってみてください!今後の戦い方に影響しそうじゃないですか?」
「まぁ、そうだけどー…」
「あ、剣に認められてないのに柄に触れると電撃に襲われるので注意してくださいねー!」
「え…」
ズボッ
「あ、抜けた。よかったですねーww」
「神奈木さん、なんか軽くないですか?」
「え?そーですか?そんなことないですよー」
いや、明らか軽かった。でもまぁ、剣に選ばれたのだから良しとしよう。




