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3/3

転生のお時間です


飲めば減る、ということでビールも残り一缶だ。

女神様は最終的に笑い上戸になって、ずっと楽しそうに笑っていらっしゃる。


「バッカスったらトロいから、ここ五百年くらい一滴も飲めないでいるのよ!素面のバッカスとかマジウケるwwwww」


女神様がマジウケるとか言わないでください。イメージが。

あとそれ、もう十回くらい聞きました。


…でもバッカスって確か酒の神様ですよね?酒を飲めない酒の神様…気の毒すぎる…。

俺はしんみりとグラスを傾けた。


「何よー。酒は楽しく飲みなさいよー。そうだ、なんか面白いこと言って?」


無茶振りを。この酔っ払いが。


「布団が吹っ飛んだー」


イラっとして投げやりに言ったら


「やっ!ひーっ!くっふはっ!あははははっ!何それ面白ーい!最高ー!」


めちゃくちゃウケて背中をバシバシ叩かれた。

嘘だろ…と思う気持ちもあったけど、面白いと言われてうっかり嬉しくなってしまい、その後はなんか女神様と肩を組んでマイナーリーグの応援歌とかいろいろ歌ってた気がする。俺も結構酔いが回っていたんだ。



女神様が最後の一滴を飲み干したところで、白かった空間が七色に光り出した。


「あ、そろそろ時間かー」


まだふわふわとした口調で女神様が呟いた。


自分の体が、突然薄れ始めて焦る俺。


「え?時間ってなんです?」


「転生のー、お時間でーす」


あ、やっぱり転生するんだ。


「今回のお礼にラックの数値だけは上げといてあげるねー。あとは適当に頑張ってー」


めちゃくちゃ軽い女神様のお言葉。

手を降る彼女に思わず振り返すと、にっこり微笑まれた。


「次もお酒よろしくー」


それが、俺が耳にした最後の言葉だった。


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