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どうしよう……

『ちょっとー!!お兄様っ!僕のものに何しようとしてくれちゃってるの!?』


『ジャッキー様……』


みうに向けられていた鋭い視線は新たに現れた人物に注がれた。現れたのは小学校6年生か中学1年生ほどの少年だった。しかしただの少年ではない。きらきらしたオーラを放ち、天使の様に輝かしい白金の髪と碧い眼、それに整った顔。白を基調とした服も雰囲気によく合っている。


『ジャッキー、どういうことだ。この怪しいのはお前のか』


『そう、その子はさっき僕が見つけたの。だから僕のもの。それに…お兄様はいらないよね?もうすでにたくさんペットは飼ってるし……』


『ふんっ、勝手にしろ』


『アンドリュー様!?よろしいのですか。こんなに怪しいものがこの領地内にいたんですよ!?どこから侵入して、何が目的なのか問いただすべきです!!』


『イライはうるさいなぁ。お兄様がいいって言ったんだからいいじゃない!はい、この話はもう終わりー』


まだ何かを言っている男はもう視界に入らないのか、少年の視線はまっすぐみうに向かっていた。そしてゆっくりとみうに歩みを進める。


どうきよう…。どうすればいいの……?私、何されるの…?こ、殺される……?私何もしてないのに…、いきなりどこかわからないところに来て、剣をむけられて、………もう、わかんないよ…。


言葉は分からずとも、男たちが友好的でないことは分かる。向けられた視線には敵意がこもっていた。むくむくと膨れ上がる恐怖がみうを支配し、身体は石の様に固まってしまった。


少年は1歩ずつ、ゆっくりとみうに近づいている。


「や……やだっ………!」


やっと出てきた言葉。しかしそれは風に消されてしまうほど小さかった。


少年がみうに手を伸ばす。とっさに目をつむり痛みを覚悟する。しかし、予想していた痛みはやってこなかった。そっと目を開けてみると、少年はみうの頬を撫でていた。優しい手つきと暖かな少年の手に強張っていた身体から力が抜け、暖かいものがみうの頬を伝った。


『大丈夫だよ』


なんで、こんなに優しいの…。私のこと殺すんじゃないの……?優しくしておいてから、恐怖に突き落とすとか…?やっぱり、わかんないよ…。でも、今はただこの温もりに縋りつきたい。


少年は優しく優しく、みうの頬が乾くまで、みうを抱きしめていた。

きらきら天使の降臨(笑)

短くてすみません

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