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ちょっと! 下着の件はどうなったの!?

「あー! 重かったぁああ!」


言いながら玄関を上がってすぐの廊下に買い物袋を下ろす。

あぁ腕が痛い。どうすんのよ、これじゃ決闘できないわ。


「お疲れ様ー すぐお茶淹れるからあたしの部屋で待ってて」

「あ、あぁ。お邪魔しまーす」


言われるがままに、二階にある咲の部屋へ。

うーむ。二階建ての家かぁ、いいなぁ。僕もマイホームに住んでみたいよ。


階段を上がって廊下の一番奥だったな。


「失礼しまーす」


中に入った途端甘い香りが鼻をくすぐる。

やっぱ女子の部屋は慣れん。なんかこぉ、そわそわしてしまうというか。


「お? これはもしや」


ふと床に可愛らしい布切れが落ちているのを見つけた。

ふむ。下着だな。アイツこんなの着けてんだ、へぇー。


「サイズは普通でした、っと。ハハッ、成長してねーのな」

「勝手に下着観賞して『ハハッ』はないでしょ!?」

「うおっ、もう淹れてきたのか。早すぎだろ」

「アンタを部屋に置いといたらろくな事ないし。はいこれ、緑茶でよかった?」


お礼を言ってから緑茶の入ったコップを受け取る。

なるほど。作り置きのお茶ですか、そりゃ早いわけだ。


「だったら部屋上げなきゃいーのに」

「文句あるなら帰ってもらうけど?」


ちょっとした冗談なのだが。真に受けんで欲しい。


「ごほん。さて早速本題に入ろうか」

「ちょっと! 下着の件はどうなったの!?」

「あぁうんごめん……それで決闘の件だが」

「いやいや! それで済むわけないでしょ!」


え? 済まねーの? めんどくさいヤツだな。

大体下着落ちてんのがダメなんだろ。整理整頓はしっかりやらんと。


「なにその顔!? あたしが悪いって言うの!?」

「え、なにが?」

「顔に『整理整頓してないお前が悪い』って出てんのよ!」


顔に出てたらしい。


「おかしいな。自分ではポーカーフェイスのつもりなんだけど」

「あははっ、ありえない! アンタはその逆!」


マジですか。

あ、もしかして。くるみや田中さんが僕の考えてること当てられるのって顔に出てるせい?


「知らんかった。僕にそんな弱点があったなんて」

「もー しっかりしなさいよ。ほら、もっと顔ひきしめる!」

「お、おい。やめんか」


咲が両頬を引っ張ってきた。

そ、それ、ひきしめてねーだろ! むしろ逆だ!


「あはは! 春、凄い顔してるわよ?」

「お前が引っ張ってるからだ! なんなんだよいきなり!」

「いや、特に理由は」

「無いんかい!?」


ツッコミながら両手を振り払った。

あー くそ。こりゃ頬真っ赤になってるわ。


「触るくらい良いじゃない。ケチ」

「ケチもくそもねーだろ! んなことより、今は決闘の話が先だ!」

「え。下着の件は?」

「知らんわ!」


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