心
…結局、¨心¨って頭の中にあるんだっけ?
「なんか、カッコ悪い。」
って言ったら、ことみちゃんが、
「愛の頭突き、って言葉有るみたいにね…」
って、ずっとプロレスみたいな話が続いて、心が折れるかと思った。
──2月14日、朝。
学校を休んだ。
一応、今回はママに従っておくことにする。
部屋からあまり出られない、という制約はあるものの、大人しくしていれば、静かに1日を過ごせそうだったからだ。
──ずっと考えていた。
夢で見た光景
ことみちゃん
チョコレート
…なんで気になるんだろ
机の上にある、赤い箱を見る。
ことみちゃんのチョコレート。
……開けてみようかな。
包装紙を破かずに開けて、また元に包み直す技は、誰にも負けない自信がある。
もちろん、ママのお墨付きだ、へへ。
ピンクのリボンを器用に緩め、ずらして外す。 セロテープを、包装紙から、小指の爪で丁寧に剥がし、丸めてゴミ箱へ落とす。
そして、破らないように、包装紙を開いていくと、本体が姿を現す。
チョコレートを二人で作っていた時は、テーブルの真ん中に仕切りを立て、お互い見えないようにしていた。
………。
ドキドキしながら、赤い箱を開ける。
……ことみちゃんが、これを作ったの?
両手でそれを持ったまま、震えが止まらなかった。
赤い箱の中に入っていたもの。
それは、箱の内側全体に、厚くチョコレートが均等に塗られ、そこからトゲトゲが、びっしり生えていた。
…確か、これ
鋼鉄の何とか、という拷問器具に似ていた。
悪趣味だけど、でも、
¨ことみちゃんらしい¨
と、思ってしまう。
「ねぇ、ことみちゃん?」
私を、後ろから抱き締めている、半透明の彼女に話しかける。
「だいじょうぶ。そんなに心配しないでいいよ。ことみちゃん。」
その後、ことみちゃんは、姿を現わさなくなった。
そして、私は何をしたらいいのか、わからないまま2ヶ月が過ぎた。