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少女  作者: VISIA
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9/17

4月

 ぼろアパートの私の部屋にも、春は訪れた。



 最近、この前の少女や目の前の箱など、色々な出来事が続いている。


…また、何か起こりそうだよな。



 この箱を開けるのは、やめておこうと思った。

 箱を、部屋の隅に置いてくると、夕食用のカップラーメンを探して、記憶を頼りにゴミ山を掘り起こす。


 10分ほど探して諦めると、冷蔵庫で冷やしておいたペットボトルの水を一気に飲み干し、満腹感を味わった。


 そして、いつもの定位置に座ると、リモコンのボタンを押してテレビを付ける。


《…4月24日、7時のニュースです。》


 テレビの画面に付いている埃が、キャスターの顔をボケさせて、まるでモザイクのようだ。


 今度、変声器のオモチャでも、テレビのスピーカーに貼り付けてみようと思う。


《ことみちゃん行方不明事件から2ヶ月、未だに……》


 最近、何もする事がないと、何故か眠くなる癖がついてきた。


 ああ、瞼が重い。


《…また、10日前から行方不明になっている、のりこちゃんの情報を求めてい…》



──深夜


 部屋の隅で、箱のフタが、ゆっくりと開いていく。


 その隣で、箱を見ている少女がいた。

 手にはホチキスを持っている。


 カチカチ、カチカチ、一晩中その音が続いた。



──朝


 目が覚めると、誰かが隣に正座していた。


……前に見た少女ではない?


 その、顔や体中にホチキスの針が刺さった少女は、優しく微笑むと、透明感のある声で、


「¨ことみ¨です。よろしくお願いします。」


と、話した。


…なんだか、嬉しそうだな。


 少女は立ち上がって、ゴミ山からワイシャツを引っ張り出してきて着ると、掃除を始めた。


 そして、部屋の片付けを丸一日かけて終えたとき、どこから見つけてきたのか、大きなダンボールを引きずってきた。

 ¨ことみ¨と名乗った少女は、箱を目の前にしてニヤニヤしていた。


 少女の手には、業務用巨大ホチキスが握られていた。

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