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少女  作者: VISIA
10/17

 夜、私は少女を見ていた。


 箱を開け、中から何かを取り出す度に、


ガチャンッ

ガチャンッ


と、大きな音がする。


 薄暗い部屋の中、少女はニヤニヤ笑って作業を続けていた。


「キレイニ、シアゲテアゲルカラネ…ア、ゴメンマチガエタ、フフ。」


 私は少し怖くなり、布団を頭から被って寝た。

 耳を塞いでも、あの音は聞こえていた。


ガチャンッ

ガチャンッ

 朝、目覚めると、隣に¨ことみさん¨が座っていた。


「お早うございます。」


……?


¨ことみさん¨の後ろ、1mほど離れて、部屋の端に誰かが座っていた。


「後ろの人は?」


「友達の、¨のりこちゃん¨です。」



 ¨のりこちゃん¨は、両手を膝の上で固く握り締め、下を向いたまま体を震わせていた。


「あの子、どうかしたのですか?」

「恥ずかしがっているだけです。」


「……?」

「フフ。」



 ¨ことみさん¨は立ち上がり、¨のりこちゃん¨の所へ歩いていき何やら話をすると、二人で押し入れの天井から屋根裏へ上がっていった。


………。


 暫く天井の向こう側を想像して上を見ていたが腹が減ったので、今のうちに何か食べておこうと思った。


…コンビニでも行くか


 部屋を見回し、ハンガーに掛かっているTシャツを見つける。


 だが、手に取ると、ハンガーからTシャツが外せなかった。

 横にしても形が崩れないくらいに、バリバリに固まっていた。


 他に着るものが無いので仕方なく、ハンガーを壊して取り出すと、体型に合わせてTシャツの形を整えて着る。


 そして、そのTシャツに苦労しながら、床に畳まれて置かれているジーンズを履いた。


 ジーンズの、ダメージの全てが¨熊さん¨のアップリケで修復されていた。


………。


 普段は掛けないサングラスで心を覆うと、サンダルを履いてコンビニへ向かった。


──その途中、財布を忘れた事に気づく。


 私は、がっかりしてズボンのポケットに手を突っ込むと、なぜか小銭が入っていた。


……400円?


 すぐ目の前に、コンビニが見える。

 私は少し考えて、アイスを3つ買って帰ることにした。


 春にしては暑い日が続く。

 夏になったらどうなるのか不安になりながら、急いで帰った。

 部屋に戻ると、食事の美味しそうな匂いが満ちていた。

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