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ご都合主義なんてありません  作者: よーや
第二幕 二章 ~改めて、異世界転移の場合~
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改めて、異世界転移の場合┈┈case-4


よろしくお願いします。




オレには最近出来た夢がある。

争いも無く平穏に、ただただ平和に過ごす事だ。


というのも、前世でオレはひたすら世界の為に戦い続ける立場にいたからな。

強い者が弱い者の為に戦う義務。

それを嫌という程知れる経験をしてきたんだよ。


辛かった。

自分にも周りにも代わりがいない事、終わりが無い事、いつ危険が迫るのか分からない事…。

その全てが辛かった。


死んだ事でようやく解放されたとすら思えたんだ。



…“箱庭”で新たに命を得て生活する事で、少なからずオレの心の疲弊は軽くなっていた。

ここでは誰もが思い思いの事をして、平和に過ごしてるしな。


オレも果物を栽培してみたり、木や石を加工して家具を作ってみたりと、色々な事に手を出した。


そのどれもが楽しい事だったんだが、どうにもどこか物足りない自分がいる気がする。



前世で散々戦い続けていたオレは、魔法なんかも手足みたいに完璧に使いこなせる様になってた。

だから魔法を使ってモノづくりをする事も楽に出来て、これも面白かった。


だけどやっぱり物足りない。


求め続けてた平穏なのに。



“箱庭”では歳を取る事も、怪我をする事も、死ぬ事もない。

でもそれって良い事だけじゃなかったんだ。


飽きた。


つまらない。


良く言えば刺激的な、悪く言えば危険過ぎる、そんな日常をずーっと送ってきたオレからしたら、何も起きなさすぎて辛いんだよ。



その内、退屈が辛くなりすぎたオレは、神様に直接頼みに行った。

どうかオレを別の世界に転移させてくれって。


“箱庭”の全く変化がない平穏に、馴染めなくなってたんだろうな。

ならせめて、変化がある平穏を過ごしたいと思ったから決断したんだよ。


神様にはなるべく平和な世界に送ってもらえる様にお願いした。

すると気軽に許可してくれたんだ。


しかも他のヤツらは強くなる事を条件に異世界に送ってもらってたみたいだが、オレは充分強くなってるからその辺は良いっても言われた。


そういう特別感を持って良い位には頑張ったんだよな、オレって。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





オレが転移した世界は、オレと同じように転移してきたヤツらが沢山いた。

ここはそういう世界らしい。

だからこそ転移してすぐでもトラブルとかもなく、あっさり馴染む事が出来た。


色んな世界のヤツらがいて共存してる。

支え合ってるっていうのかね?

必要な能力を持ってるヤツが求められてる事をして生活するスタイルは、オレにとってドンピシャだった。



オレ程魔法で色々出来るのは珍しいらしくて、死ぬ程頼りにされるんだよ。

それが嬉しい。

でもオレだけしか出来ない訳じゃないから、都合が悪けりゃ代わってもらえる。

これも嬉しい。


大きな危険もないから仲良くなったヤツらが死ぬ事もない。

むしろ災害とかがありゃ救助隊みたいに皆で助けに向かい合うって感じは、孤独感もないし前回とはまるで違かった。



嫁さんも出来た。

転移前はゲーマーだったらしい彼女とは、出会って速攻ウマが合ったしな。

互いの世界のゲーム話でいくらでも話は尽きなかったよ。


もうそろそろ子供も産まれる。

嫁さんの膨らんできた腹を見ると、これがオレの求めてた変化ある平穏だなってしみじみ思ったよ。



























オレが平和なこの世界の火種になるまでは。


嫁さんの陣痛が酷くなってきた頃に、大きな嵐が近づいてきてたんだ。

不安でいっぱいだろう嫁さんのストレスを、さらに増やしたくなかったオレは嵐を魔法で消し飛ばしてやった。


正直オレも自分の嫁さんの出産っていう初めての経験で、心に落ち着きがなかったんだろうな。

正直過剰にやっちまった感は自分でも少しあったよ。


それでもそん時のオレはあんまり気にしてなかったんだが、周りのヤツらからしてみりゃヤバい力を持ってるって、オレに危機感を持つのは当然だったんだろうな。



次の日には今すぐここじゃない遠くに移ってくれって街の代表に言われた。


嫁さんがまだ安定してないんだからせめて出産を終えるまでは待ってくれ、そうオレは言ったんだが前日に覚えた恐怖が皆を焦らせてるのか、頑なに早く出てってくれの一点張り。


オレが食い下がっても、じゃあ嫁さんを置いて出ていけとかすら言い出しやがった。

その時嫁さんの事で頭がいっぱいだったオレは、思わず出ていってほしいなら力尽くで出ていかせてみろとか売り言葉に買い言葉で返しちまって。



そこからは大惨事。

脅しだと捉えた代表は街中の能力者達に声をかけて集めると、オレを無理矢理追い出そうと逆に脅しをかけてきた。


その脅しが“出産を無事に済ませたいなら”みたいな、嫁さんの身の危険をほのめかす内容だったんだ。

オレは全力で抵抗する事を決めた。


嫁さんは何の能力もないんだ。

オレが守らねぇと。

そんな意地を持っちまって、一度は気心の知れていたヤツらをねじ伏せようと暴れた。



もちろん殺さないようには心がけてたんだが、オレへの恐怖心は皆の中で増す一方で。


数日中戦い続けてたオレの前に嫁さんがやって来て、“私はこんな事を望んでないし乱暴すぎる”、“子供は死産だった”、“貴方は私とその子供よりも戦う事が好きなのね”…、そんな罵倒を涙ながらにしてきた時、オレは遂にキレた。



オレがここまでしてたのはお前と子供の為だろうが!


そう心の底から叫んで暴れながら、心のどこかでは違う自分もいるんだよ。




今までの全部、最初の人生から。





選択を間違え続けてるのは自分なんだろうかって。







--------------------















転移例 No.14 …成人:C

転移先 …異世界人の寄り合う世界

死亡原因 …孤独感から来る精神異常




一言…俺TUEEEEも需要と供給が成立してないと成り立たないと思うんですよ。


順次更新予定。

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