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悩みと救いは狂気の果てに  作者: 三島三城
その① プロローグのようなお話
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その①エピローグ


 一ノ瀬家の問題が解決してから3日が過ぎた。

ボクと希はその間、会うことはなかった。家族との時間を過ごしてほしかったから、邪魔したくなかっからこちらからの連絡は控えていた。ところが昨晩遅くにあちらさんから連絡が来た。

『明日駅まで一緒に行こうか。』

そういうものだった…というか駅一緒だったな…忘れてた。という訳でただいま両方の家のちょうど中間あたりにいる。薊とかスゲェワクワクしてらっしゃるんですけど…お兄ちゃん妬いちゃうよ…。まあ、そんなこんなで待ち合わせの時刻となる。そろそろ来るだろう、たぶん遅刻はしないタイプだろうし、と考えていたそのとき…。

「だぁれだ!?」

なんかありがちな感じで背後から目隠しされた。こういうことする人って本当にいたんだ。まじでexist

したんだ。それにこのタイミングと声でだれかなんてすぐにわかる。こんな感じの艶っぽい声出せる人なんてあんたしか知らないよ。

「分かるに決まってんだろう。久しぶりだね、のぞ…誰ですか?」

思わず言っちゃった。ほんとに誰?こんな美人という言葉が合う人見たことねえでさぁ。まあ、希なんだろうけどさぁ?

 その髪はお世辞にもサラサラしているとは言えないが、そこには艶やコシがあり全身からあふれ出るものを際立たせている。

 地味なメガネは取り去り、素の顔があらわれている。いわゆる実は外したら系のお方だったことを実感する。…もはや別人レベルですよ!どんだけ隠すスキル高かったんだよ!

 極めつけはその胸部である…。『バイン』という擬音がとても使えるものであったことを知る。なんかカップのサイズ的に2,3段階ほどでかくなってませんかねぇ。着やせするとは言ってたけども…これほどまでなんて…。


ね、こりゃ人違いと思うよねえ?ボクは悪くないよね?

オレは悪くねえ。あいつが悪いんだ。ボクは率直な意見を言っただけだ。まあ、羽川さん臭増したと思っていることは黙っておこう。どういうリアクションされるか予測不能だ。このことはニュータイプでもない限り分からないだろうな。認めたくはないものだな、若さゆえの過ちというものを…。

「誰ですかなんてひどいなぁ。そしてなんか失礼なこと考えてた気がするなぁ。」

前言撤回、この人ニュータイプだわ。絶対資料一回流し読みしただけで極秘開発されたガ〇ダムとか動かせるだろうなこの人。ビバ、人類の革新。しかし、ニュータイプって幻想だったよね?


まあいい。これでちゃんとこの人が希であることが判明した。

確かにしっかりすればそれなりにいいだろうな…とは思いましたよ。でも、ここまでとは思わなかったYO.

すげえ変化だ…素のあなたは素敵だYOなんて言ってみたりしてみたい。なんかテンションおかしいな?どうしてだろうか?まあ、気にしても変わらないか。

「そんなことは考えてないさ。で、問題が解決したからその格好に?」

「そうよ。もうあんな風に人から隠れるような暮らしをしなくていいの。これも全部あなたのおかげよ…ありがとう。」

唐突に言われた感謝の言葉に胸を打たれる。こんなこと感じたことはなかった。こんなに気持ちのいいことなら、誰かを助けることも、悩みに縁があることも悪くはないのかもしれない。

もしかしたら、これが母さんの言っていた【成長】ということなのだろうか?そうだとしたら、成長することも…すなわち前に進むことも悪くはないかもしれない。

「お姉さま、やっぱりそちらが素なのですね。」

え、なんか知ってるっぽいけどこの子…そうか、一緒に寝てたなこの二人!朝に添い寝したからその件に関しては特に妬いてない…妬いてないからな!

「そうだよ薊ちゃん。やっぱり自分らしくいれるのはサイコーだよ。」

「そう…ですか…。」

なんだか若干距離を取り始めたぞ…ってあの動きは…。自分がやってきたからわかる、アレは…抱き寄せからの頭なでなでのコンボ。なぜ貴様が…そういうことしない人だと思ってました…。

「ハアハア…やっぱりいいね。たまらないよ。」

「自重してくださいお姉さま。あの夜と同じ状態ですよ。」    

「は、しまった。いったい何をしているのだろうか。これじゃあ晃司君(変態)と同類だよ。」

「おい、その不名誉なルビは外してくれよ。」

というかあの日そんな感じだったの。素直に寝てて正解だった。…乱入しかねないな。

「そうかぁ、たぶんこのメガネに暗示のような効果があったんだと思う。学校とかでもやっていけるように自重できるような…」

やっと繋がった。それでそちらが素なのですかになるんだな。というかメガネってなんだろうな?自己暗示とかかけれるんだ。自分にだからたぶんボクはできるだろうけど…というかしてる。

話し合いのときに言い訳とかするじゃないか。その時に本気でそうなんだと思い込む。そうすれば、嘘をついている兆候は一切出なくなる。


でも、これは小川先生クラスじゃないと意味をなさないという欠点を持つ。

他の教師って偏見とか決めつけとかで話を進めるから先生が最初に決めた方の味方しかしないから意味がないというか、話し合いの意味がない。まあ、その話は置いておいてそこまで迫っていたんだな。改めて同情する。

「でも、この格好になった原因は晃司君なんだからね。」

「why」

思わず結構流暢ななぜが出てきた。もう一度言おうwhy.

「別に、解決してもこの姿に戻る必要なんてなかった。まして学校なのだから

そのままの方が融通が利くかもしれない。でも、親しい人ができた。しっかり本音を言いあえそうな仲間を見つけた。だから、私は素で行く。そんな大事な大切な人に対しては嘘になるようなことはしたくない。そういう人になってくれてありがとう。私に居場所と生きる意味を見つけてくれて…ありがとう…。」

「取り敢えず、駅まで歩こうか?そうするうちに心の整理もつくさ。」

その瞳に雫を貯めているので…少しだけ気を遣おう。しゃべらないでそっとしておくことが今は最善だろう。ボクは空気が読めるわけでもないが、同時に読めないわけでもない。だからそのくらいのことならボクにもできる。…その間薊は話を聞いて号泣していた。どちらかというとそっちの方がハードワークだった。




 駅に到着した…。それは同時に別れを指し示す。

「「また会おう」」

お互いにそう言い別れようとしたとき…その聞きなれた甲高い声が聞こえてきた。

「晃司、遅いぞ。今日も遅刻かい?薊ちゃんまで遅れると俺は美咲に投げられちゃうんだよぉ。それにお前がいないと寂しいし。」

皆さんご存知たかし君でした。少し空気読めよ…それと一部同情します。

「ええっと、彼は…。それと美咲という名前は…薊ちゃんの…。」

「ああ、あいつは小鳥遊公仕…僕の親友だ。それと美咲はアイツの妹で薊LOVEの百合っこだ。」

「ああ、なんかわかった。」

「あのぉ、俺は話に入ってもよろしいのでしょうか。それと誰だよその人、晃司が女とそんな話ができることが意外だった。」

そういいながら彼の眼が二房の禁断の果実を負っていたのはわかっている。確かにこれは凶器だと思うわ。本能で追っちゃうよな。しかし、自重しようぜ。流石にちょっと引くから。そしてボクに耳打ちする。

『本当に誰だよあの人…っていうかなんだよあれは理性が追い付かねえぞ。』

大変本能通りで好ましい…ボクはそういう人好きだよ。正直そのことに関してはびっくりしましたよ。

「この人は一ノ瀬希。この前言ってた相談者だ。同時に数少ない友達です…。」

なんか最後の一言でどんよりしたよ。薊とか励まそうとして来るし。うれしいですけど。そうして彼らはお互いの事を知る。そして今度こそ別れだ。また今度…そう言って別れる。次に会うときは楽しみだ。希はたかしになれるまで時間がかかるだろう。でも、わがままだけど二人にも仲良くなっては欲しい。

だって、二人ともボクの大切な拠り所なのだから。でも、薊は別格である。そういうことも考えてしまうボクはやっぱり残念な人だろうと思う。そうして薊の頭をなでながらボクたちは学校へと向かう。


その①終了いたしました。

私はシナリオ管理がまだうまくないため一括の投稿とさせていただきます。

最低でも月一で投稿していきたいと思います。

しかし、誠に勝手ながら諸事情で次回は10月の後半になりそうです。

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