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あるパブの中で  作者: 白木克之
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ルポライター

 場末の指定されたパブの扉を美登は開けた。

 店内には品の良いジャズのメロディが流れている。客は殆ど居なかったが、奥の4人掛けのテーブルで一人ジンを片手に、あの日見た吉成とは別の顔の彼があり、静かに飲んでいた。


「あ・・マスター、私もあの席に行きますが彼と同じものを・」


 寡黙なマスターは、こくんと頷いた。

 美登が、吉成の対面に座ると、静かに彼は会釈した。


「凄く良いお店ね。雰囲気がそうさせるのかしら、古風だけど、居心地の良さを感じた」



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