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商人グレました  作者: モロモロ
旅路
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結末

まず、オレはオテロクと一緒にラングロングのいる山へと向かった。

移動手段は天馬ココノリッドだ。

歩いて3日の距離がわずか1時間で着いた。


ココノリッドは、褒美をもらった翌週にオレとオテロクと一緒に引き取りにいったのだが、大暴れしていてとても連れて帰れる状況ではなかった。

無理やり連れて帰ろうとも思ったが、オレもオテロクもひどい目にあった。


夜間、オテロクが「もう一度行って来る」と言って飛び出していった。

巨大化して出ていったので心配はしなかったが、夜中に帰ってきたオテロクは血まみれでボコボコのココノリッドを連れ帰ってきた。


ココノリッドは、なにやらオテロクと兄弟分の杯を交わしたとかで、オテロクの父親?でもあるオレのことは「モートオヤジ」と呼んで慕ってくれるようになった。



久々にラングロングの山に着くと、様子が一変していた。

山が無く、深い谷になっていた。

オレたちは谷の奥までココノリッドに乗って飛んでいくとラングロングとオテロンが格闘していた。

二人の激突を止め、訳を聞くと、どうやら魔力と体力の発散中ということらしかった。


「久しぶりだな、モート」


ますます大きくなったように見えるラングロングの威圧感は半端じゃない。


「オデ嬉しいぞ」


オデロンがオレをつまみあげる。


「ああ、二人とも久しぶりだな。キャンとカイエントはどうした?」


「あの二人ならもうすぐ帰ってくるだろう」


暫く待っていると、轟音と共に20mほどの凛々しいドラゴンが降り立った。

そして、その背には精悍さを増した美少女が跨っている。


「モートさん久しぶりです」


キャンが降りながら話しかけてくる。

高レベルのモンスター達と共同生活をしている間に、キャンの強さが完全に人外のレベルに引き上げられてしまっている事をそのオーラから感じる。


オレは、率直に彼らにお願い事をした。


ボルックの町との山間ルートの外敵討伐をキャンとカイエントに、洞窟ルートの外敵討伐をオデロンとオテロクに、魔物が跋扈するという僻地のコンス地方の平定をラングロングに願い出た。


「お安い御用だ」

「楽しそう!」

「うまそう!」

「やったる!」


まぁ、反応はそれぞれだが、頼もしい返事をもらった。


その足でオレは、ドミリスに向かった、愛しのメルロ!


久々の再会を楽しみにして会ったメルロ。

老婆になっていた。シワシワだ。全身シワシワヨボヨボだ。

罪悪感でいっぱいになった。

熱烈に言い寄られた。

まったく反応しないオレの体。

地獄の数日間と天国の数日間の思い出がオレの歴史に刻まれた。


メルロから長期間離れることの恐ろしさが良く分かった。

定期的に会うことに決めた、ココノリッドがいるだけで、王国中を短時間で移動出来るのでそれも可能だろう。


半年もすると、リームレ、ドミリス、ボルックの3拠点を結ぶ産業は爆発的な利益を生むようになった。


オレは王都から離れその3拠点を中心に活動することが多くなり、子をなし忙しくも充実した日々を送っていた。


そんな時、皇帝ビヨット崩御の報が届いた。

国葬の際には、オレももちろん出席した。


皇帝の亡骸を確認したオレは愕然とした。

第五王子 アーサー・ドルトニア・リンドニック

シワシワの猿人の亡骸はビヨットにしか見えないがオレにはアーサーという名が見えた。

参列している3王子に目を向けると、神妙な顔で立つ3人。


第十一王子 アトロック・ドルトニア・リンドニック

第十五王子 サウズ・ドルトニア・リンドニック

第二十一王子 ルイック・ドルトニア・リンドニック

ゴフトスとルシュランドが別人になっていた。

見た目では分からない、参列者の誰も気付かない。

オレだけに見える名。


王都を出る前に見学させてもらった、バクリビアの事がふと脳を過ぎった。

地下10階まであるバクリビアはアトロックが管轄する刑務所だった。

階層を降りるごとに罪状が重くなるらしく、尋問という名の拷問なのか、人体実験なのか分からない非道な行為が行われていた。

3階まで見学したところで、オレは胃の中が空っぽになり、数日眠れなくなり、いまだに思い出すと身震いする思い出を作ってもらった。


あの場所ならアトロックがさまざまな事が出来るだろう。

10階層にはとんでもない秘密が眠っていそうだ。


だが、オレは怖い。

怖いから近寄らない。

地方で栄華を満喫するんだ。


国葬が終わると、オレはすぐに王都を離れた。

国は荒れた。

あのアトロックが王だ、暴君による悪政。

恐怖政治。

地方のオレの領地は、自由と平和を守っていくために国と衝突する事も増えていった。

数年後、国の討伐軍と名乗る軍が攻めてきた。

オレ達は領地を捨て、山に篭った。

ゲリラ的な防衛を繰り広げながら、コンス地方へ空から何往復もして避難を実行した。


そして、今、オレたちはコンス地方で生活している。

魔物達と共に。


オレの事を魔王と呼ぶ人々がいることは知っている。

だが、この地方にだけは、確かな平和と安寧があることを知る人々が逃げ込んでくる事も知っている。

さまざまな国にコンス地方の特産品が必需品として出回っている。

人の技術力と努力で稼いだ金と魔物達の武力がこの国の平和を守っている。

オレは平和に過ごしている。


END


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