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商人グレました  作者: モロモロ
第一章 決意までの日々
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パーティー戦目撃

みなさん感想や評価、本当にありがとうございます。

設定とか凄く甘いとは思いますが、温かい目でなんとなく楽しんでやってください。

絶叫だけ我慢すれば、なんだか自分の想像してた以上に、街の外は怖くなかった、コツコツと上げてきた器用80の力なのか、<暗器戦闘100>に変更してからは、1mの距離ですら●「当」印が出てきて、軽快に戦闘をすすめる事ができた。


一度、<潜伏>と<隠密>を使わないで近づいたら、10mぐらいの距離で猛然とモンスターが襲ってきたので、必死に逃げ出した。

街の外では<潜伏>と<隠密>は必須だな。


森を抜けて、洞窟の中にも入ってみた。<暗器戦闘100><潜伏 100><隠密 50><回避技術 31><暗視 50>で洞窟を進む。暗視のお陰で、洞窟内が薄暗く見える。


自分の限界を知る事は重要だからな。

街から離れる程に、モンスターは強くなってきてるようで、流石に一撃では死なないモンスターも多くなってきた。

ただ、九宮袖箭から5発目の矢を出すまでもなく、絶命してくれている。


一応、出発に際して、予備の鉄矢も何本か持てきているし、森の中で、麻痺キノコや毒キノコも採取してきているので、洞窟入り口で、<薬品調合>と<鍛冶>で毒矢と麻痺矢も作っておいた。


 どうやら、この洞窟は緩い登り坂になっているようだ。

 流石に、洞窟に入ってからは、他の冒険者には会っていない。

 そもそも、街の外に出たことが無いから、冒険者のレベル的に、この洞窟がどういう危険レベルに分類されるかも分かってないからな。


かなり奥に進んできて、そろそろ帰ろうと思った時に、洞窟の奥から、もの凄い咆哮が聞こえてきた。


「うおおおおおぉぉぉぉ」


耳がキーンとなる。

絶対にあちらに行ったらヤバイという気持ちとは裏腹に、好奇心と、この行程で味わった<潜伏>と<隠密>への信頼という慢心が、オレの足を洞窟の奥へと運んだ。


洞窟の奥に、夕焼けの明かりが見える。出口だ。

そして、その出口の外から聞こえてくる。


「小癪な人間ごときが、生かしては還さん」


ゴオォォォォ


ザシュッ


バシュッ


どうやら誰かが凄い大きい魔物と戦闘しているようだな。

この魔物の声の大きさ、かなりの大きさの魔物だろう。

慎重に出口まで近づき、外を伺うと、洞窟の外は断崖の山から突き出た踊り場のようになっていた。

大きさとして、50mのプールぐらいの大きさなので、まぁまぁ大きいと思うが、その半分を25mほどの巨大な紫色のドラゴンがドッシリと腰を据えて、50人ほどのパーティーと戦っているので、かなり狭く感じる。


うわーなんか映画のワンシーンのような大迫力だわ。


ドラゴンは洞窟出口から見て、一番奥にいて、洞窟出口近くには、後方支援の魔法使いたちと弓隊、治癒魔法がガンガンと前方の部隊へ飛んでっている。

後方の部隊の真ん中に、杖を持って50人の部隊を大声で指揮している人物がいる。


「こんな田舎にドラゴンなんて、何かあるに違いないよ!何が何でも倒してしまいな!明日からあたし達も大金持ちだよ!」


「うおっぉぉぉ!人間どもよ、業火に焼かれて無謀を悔いなさい!」


ドラゴンの口から猛烈な業火が噴出される。

事前にドラゴンが業火フラグ立てたのに、誰も反応せず、前方の部隊が黒焦げにされる。後方から治癒魔法が飛んでいって、数名が戦線に復帰する。

どうやら、ドラゴンの声もこいつらには聞こえてないみたいだ。

流石に、これぐらいの戦闘になったら、モンスターの声が聴こえるってのも役に立ちそうだな。


「やっと、ここまでの道を切り開いてきたんだ!爆薬だって無駄になっちまう。明日になったら、またこの出口は塞がれちまうよ!出し惜しみはするな全力投球だよ!」


指揮してる人物は、オレの主観だが、想定年齢40歳、黒髪ショートの女性だ。右肩から手首まで豪快なタトゥーが入っている、肌は青いと言っていい程に白い。黒い羽、尖った耳、小さな牙の生えた口、背中から黒い羽が生えてる。珍しいダークピクシー族だ。額から流れる汗を気にもせず、右に左に支持を飛ばす。


「我が家を荒らす不届き者たちに、我が子への愛の力見せつけん!味わえ熱風地獄を!」


今まで座っていたドラゴンが立ち上がると、大きく巨大な翼を羽ばたかせながら、口から業火を吐き出した。

 飛んでいっていた矢は全て吹き飛ばされ、重量級の屈強な前線部隊も、飛ばされないように必死だ。そこに地獄の業火が容赦なく襲ってくる。


「こんな攻撃もあったのかい!治癒部隊全力で前線を助けな!」

「お頭!治癒魔法が、暴風で前方に飛びません!」

「なにっ!?もうじき戦闘から3時間だ、前線の回復薬も切れかけてきてる、あと何発かあの攻撃を食らったら、前線が崩壊しちまうよ!」


話の様子から察すると、どうやら、このパーティーは、ドラゴン戦は何度目かになるみたいだな。この入口の洞窟も、来るたびに落石でドラゴンに防がれてしまっているのを、爆薬などでどかしているんだろう、今回はかなりの準備をしてきたみたいだが、傍目から見てもドラゴンの強さは圧倒的だ。

 パーティー側が気づいているかは分からないが、ドラゴンが立ち上がった時に紫のドラゴンの後ろの岩陰にチラッと巨大な卵らしきものが見えた。

 「我が子への愛」とか言ってたから、きっとドラゴンはここへ巣作りと子育ての為に来たのだろう、断崖絶壁で交通手段もない安全な巣を作ったつもりが、強欲な人間たちが爆薬で強引に道を作って多人数で攻め上がってきたと。そりゃぁ、あれだけ怒り狂ってるのも分かる気がするわ。


事情が分かった所でオレはオレの正義を貫く!


 戦闘しても、こんなドラゴンにかなうはずもない。そして、ドラゴンなんぞと戦う奴らに喧嘩売るなんて考えられない。でも、ドラゴンに喧嘩売るぐらいだ、装備もアイテムも最高級なものを揃えてきているはずだ。

 そして、子を守る母を助けるという、大義名分を得たオレに恐れるものはない!良心の呵責もない!


<アイテムボックス観覧 50><鍵開け 81><窃盗 100><潜伏 50><隠密 50>

潜伏状態でスキル値を変更すると、まずはダークピクシーのアイテムボックスを覗く。

非常に整理整頓された綺麗なアイテムボックスだ。


「前線、下がるな!弓隊、一歩前へ!」


非常に勇ましく的確に指示を飛ばす。

まさか、この状況で窃盗に合うとは想像もしてないだろうな。

まずはステータスチェック。


メルロ・クロッキーナ


筋力 62

体力 75

耐久 60

器用 41

敏捷 73

知識 85

魔力 92


過去最高の能力値、さすが50人パーティーを切り盛りするだけはあるな。能力値的には文武両道と言っていいだろう。

アイテムボックスの中身も豪華だ。

アイテムボックスが4列に整理されていて

1段目が右端から、高純度の回復剤一式が綺麗に並べられてる

2段めは魔法のスクロールだ。これはMP切れや詠唱短縮の為に自分で作りこんだんだろう。かなり攻撃力の高い魔法ばかりだ。

3段目は変えの武器や防具類、防具や武器の耐久度が下がってきた時に使うんだろう。

4段目はずらっと3つ宝箱が並んでいる。


今までの少ないながらの窃盗経験から、<アイテムボックス観覧>や<鍵開け>までは、違和感を感じる人間はいないが、<窃盗>の瞬間だけは、相手がぼーっとしている時などは、ハッとした顔になる人がいた。

逆に言えば、<窃盗>の瞬間だけは手早く済ませる必要があるってことだ。


<鍵開け>で宝箱を端から開けていく。

右端がアクセサリー

2番目が武器や防具、きっとこれは貴重品だろう

3番目には色とりどりの硬貨が入っていた。見たこともない金額だ。


「しぶとい人間たちだ。二度と私に挑む事が出来ないよう今ここで息の根を止めてあげるわ。fdさjkhkさhづfdsf;kさdfk」


ドラゴンが、敵の攻撃を受けつつ、尻尾で威嚇する。さっきまで炎を吐いていた口元から、「魔族交流」でも理解できない言葉が紡ぎ出される。


メルロの顔が青ざめると

「前線一時引け!嫌な予感がする!全員防御体制!ハイセットアースウォール!」

前線が一斉に引き上げてくると、メルロが杖を振り上げ、前方に巨大な土の壁がせり上がる、ダムのような壁は20m程もある。


凄い緊迫状態の中、オレにとっても最大のチャンス到来とばかりに、メルロのアイテムボックスから盗めるだけ盗む。硬貨も1000万ドランほど盗み取った。他のアイテムは気づかないかもしれないが、この硬貨は盗まれたのはバレるだろうな。犯人としてバレたら即死決定だろうな。


窃盗完了。


壁の向こうでは、電撃なのか、なんなのか、凄い音が響いいている。音が鳴り止むと、土の壁も消える。消えると同時に。


「前衛突っ込め!治癒部隊!補助魔法飛ばせ!弓部隊援護射撃開始!」

メルロの的確な支持が飛ぶ。


他の後衛部隊のアイテムも窃盗しようと思ってたけど、想像以上の戦闘と、思わぬ大金を窃盗出来たので、正直メチャクチャビビってます。

思わぬ事で<隠蔽>が解けてしまうかもしれないこの戦闘地帯から抜け出し、ひっそりと、洞窟の入り口から、奥に入ると、一人家路を急いだ。

修行のつもりが、自分が想像もしてなかった成果を得てしまった。


あの戦いを見た後では、明日からのラグ一家との冒険もなんだか軽いものに感じれるんじゃないかと淡い期待も膨らんできた。




次の話からは、いよいよラグ一家との冒険が始まる予定です。

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