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私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
初めての学園生活

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暴露してスッキリ 


 同じ同郷として、彼女のような押しに弱いタイプは、いいように利用されやすい。


 先生が過保護になったのも、性格を理解した上なのかしら?


 それならいいのだけれど……



「……大丈夫です、何となくですが、チャコ姉がどんな人かわかった気がするので」


 こちらを見て、にこにこしているチャコ姉を見て、少しだけ心配になった。


「さすが賢者ね?」


 感心している場合ではない気がするけど。


 どうしようかな……


 なんかこの人心配だし、チャコ姉が困った時のために、能力の話をしておこうかな。


「……チャコ姉、ここだけの話をしていいですか?」


 危険かもしれないけど、今後の為にも放置はできないわ。


「え? 重たい話? 聞いたら罰を受けるなら嫌よ?」


 チャコ姉は、何かを察したのだろう。


 ——なかなか勘が鋭いようね。


「私の前世は日本人です!死んですぐに転生しました!」


 なら、いっそ、巻き込んでやるわ


「能力は『以心伝心』と言って相手の心の声が聞こえて、念話もできます!言わないで下さいね!」


 チャコ姉、危険察知ができるなら、余計なことは言わないでしょう?


 私は一気に秘密を打ち明けた。


 ——暴露したらスッキリしたわ。


(何してくれたんだこの娘っ子!)


「ちょっと! えー!全部言ったよこの子? 私許可してないよね?」


(聞きたくなかったのに!)


 チャコ姉、思考が貫通してます。


「言わないですよね?」


 私は、ここぞとばかり高位貴族令嬢らしい笑みを見せておいた。


「言わないけど……」


 チャコ姉は、しょぼくれて小さくなっている。


「でも、魂の転生者であることはソージュにはバレていると思うよ?」

 

 ——何でそうなるの?!


「え?何で?」


 私は一瞬慌てたけど、さっきチャコ姉が先生に言いかけたことを思い出した。


 ——あ……そうだったわ


 でもチャコ姉の言葉の感じだとニュアンスが違いそうね。



「彼のあの、美の暴力の顔を見て「無反応でいられる女性」はこの世界にはほぼいないと言っていいみたいよ?」


 ——は?顔をみたから?


「なのにチャコガッツリ見つめあったのに、顔色一つ変えなかったじゃない?確定よ?」


 なんと先生の素顔は、転生者に対するリトマス試験紙のような役割があったようだ。


 確かにこの世界の令嬢たちは、色恋に前のめりな人が多いけど……

 

 ——イケメンに目がないのかしら?


「うわ、もしかしてやっちゃった?貴族は顔色を変えない努力をするんです。それじゃダメ?」


 一応驚いたし褒めたけど、もしかして、そんなレベルではないのかしら?


 私は、ふと、令嬢にとり囲まれていたアズ兄様を思い出してしまった。


「彼の家柄、立場、を知っても平気だったのに?」


 チャコ姉は、貴族令嬢の在り方を少しは知っているようね……


「あー、確かに優良物件ですね、納得致しましたわ。では、チャコ姉、口止めをお願いいたします」


 ——先生は特殊部隊隊長だ。


 簡単に情報を売らないだろう。


 チャコ姉と仲良くなれば、きっとこちらを不利には出来なくなるわよね?


「多分、今報告しに行ってるから、転生者バレは後2人追加でお願い」


 何ということでしょう……


 ——どうしましょう?!


 アズ兄様、ヘルグ兄様、私、迂闊でしたわ。ごめんなさい……


「そう言えば、報告って言ってましたね。他の人も貴族ですか?」


 もう、こうなったら、その人達には意地でも味方になって貰おう。


「エストラゴンとペリルだよ?ティトは2人とも知ってそうだよね?」


 ——二人とも特殊部隊の方ね?


 チャコ姉は、護衛としてじゃなくて、彼達と行動していたのか……


「存じ上げておりますわ。むしろ彼らで良かったかもしれません」


 存在を知る限り、少しだけ安心できるわ。


「そうなの?その理由は?」


 あれ?チャコ姉は、もしかして彼らの事をあまり知らないのかしら?


「彼らは国を跨いで任務をこなすので、隊として守秘義務がかなりしっかりしているわ」


 だから、口止めさえできれば大丈夫よね?


「他国自国問わず、流すべきではないと判断した情報は漏らさないし、各国それを認めている独立部隊なのです」


 チャコ姉の存在を隠しているんだし、能力だけは伏せているんだから……きっと大丈夫。


「知らなかったわ? 凄いのね?彼等」


 チャコ姉は、彼らの事に感心し通しだった。


「だからこそ、彼等に口止めよろしくお願いしますね?」


 そしてチャコ姉も「これ以上余計なことを言わないように」と、にっこり微笑んでおいた。



「何だか私、良いようにあしらわれてない?」


 チャコ姉は、ちょっと不満そうだ。


「気のせいですよ?」


 チャコ姉が「手に負えないほどの迂闊じゃないこと」を願いますわ。


「ところで、ティトは他のメンバーには会った?」


 チャコ姉は私の笑顔の圧力に、視線をうろうろさせている。


 チャコ姉って分かりやすいわね……


「えっと、魔法使いの子にはあったよ?」


 他のメンバー……


 なんだろう?言い方が違うだけで、凄く軽く感じるわ。


「え?アルゼに会ったの?」


 チャコ姉も、アルゼに出会っていたの?


「あれ?知ってるんだ?」


 アルゼは、前にあった後、ヴィント国に帰ったはず。いつ会ったのだろう?


「昨日話した時は、聖女以外は知らないって」


 アルゼの魔法はちゃんと効いてるのね。


 もしかしたら、またこちらに仕事で来ていたのかもしれないわ。


 ——また、連絡してみようかな。


「あ、それは私が口止めしていたからだよ?彼女の話はどこまで聞いた?私はかなり聞いてると思う。心読めるし」


 アルゼと、チャコの関係はどの程度だろう?

 

 アウスヴェーク家の事もあるし、特殊部隊にはお兄様もいるはずよね?


「確かに。ティトには嘘つけないのかな?私もかなり聞いた方かも。家族間の事とかも、聞いたわ」


 アルゼは、チャコ姉にはかなり詳しい話までしたようだ。


 なのに、私の事は魔法でちゃんと忘れていたんだ……寂しいけどありがたいわ。


「じゃあ、大丈夫そうね?彼女も魂の転生者でしょ?生まれた時からこちらで生活しているから、私の身分への理解がかなり出来ているの」


 魔法の事まで言わなくてもいいわよね?


 身分は面倒くさいけど、助かることもあるんだな……


「信用するしないではなくて、高位貴族の言葉は、絶対裏切れないのよ」


 本当は、アルゼもちゃんと貴族令嬢なのだから、細かい事は、気にしなくてもいいのにね。


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