↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
第1章 始まりのお話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/150

ガッカリよ

 私は思い悩んだ末に、ヘルグ兄様に手紙を書いていた。


「『……なので、一緒にアズール様への贈り物を選んでいただけませんか?』こんな感じでいいかしら?」


 ソフィアに、書いていた手紙を見せる。


「他の殿方への贈り物を、別の殿方に相談すると言うのは、いかがなものかと……当人同士が納得されているなら問題ないのでしょうか?」


 ソフィアはやれやれ、と首を振っている


「あら、ヘルグ兄様は、そんなことは気にしないわ?それにアズール様のお友達だから、一緒に選んでもらったほうが効率が良いの」


 あれこれと、しきたりが面倒臭いのよ


「お嬢様は御令嬢なのですから、効率よりも思いを込められてはいかがでしょうか?」


 ごもっともな意見で耳が痛い。


 ——いやよ面倒くさい。


「思いも何も、ほとんど会ったこともないような相手なのよ?そんな人に贈り物をするなんて初めてなんですもの。困ってしまうわ」


 家の立場を考えると、変なものは贈れないし


「お嬢様はその方のことを、とても気にしてらっしゃるのですね?どうでもいい相手なら、菓子折の1つ送っておしまいじゃないですか?」


 ——ギクッとした。


 確かに気にしすぎかも。


 もっとあっさりで良いのかもしれない……


 けれど、全くの他人として何を考えてるのかわからない状態より、いっそ、近くで様子を見たほうが安全のような気もする。


 あれ以来、私はあまり能力は使っていない。


 ——怖くて使えないのよ


 でもうまく使うには、適度に能力に慣れて失敗をしないようにしなければならない。


「素敵なものを頂いてしまったから……」


 今のところは、お父様とお母様以外には誰にもバレていない。


 ——もう少ししたら、学園が始まる。

 

 それまでに、隠しながら、上手に使えるようになりたい。


 ふと、ソフィアを見ると、彼女がじっとこちらを見ている。


 ——何か不自然な点でもあったかしら?


 何かあったのか、と首をかしげると


「僭越ながら、お嬢様お尋ねしたいことがあるのですが」


 ソフィアが、真剣な顔で答えてきた。


 ——何か感づいてしまったかしら?


「どうかしたの?」


 と、恐る恐る尋ねたら


「もしかしてなんですけれど、いえ、違うかもしれないのですけれど、なんていうか、その、お嬢様は、もしかして?」


 ソフィアが言い淀んでる。瞳に力を入れてこちらを見ている。


 まずい、まさか、ソフィアに能力がバレてしまったのかしら?


 急に居心地が悪くなり、私は姿勢を正した。



「お嬢様は、アズール様のことが、殿方としてお好きなのですか?」


 ソフィア?!その考えたは、がっかりだわ!


「はぁ……ソフィア、一瞬しか会ってないのよ。どうやって好きになれと言うの?」


 姿勢を正し、力んでいた力が一気に抜けた。


「お嬢様、世の中には『一目惚れ』なるものがございます。それであれば、一瞬でアズール様を好きになっていてもおかしくありません」


 ソフィアは、両手を握り締めて、頬を赤らめて、力強く訴えてくる


「いやいや、それはないでしょう?」


 私、どれだけ惚れっぽいと思われてるの


「お嬢様、私の調べによりますと『宰相閣下のご子息』のアズール様は、大層見目麗しく、お年頃の令嬢や女官からも人気とのことです」


 あら、アズール様はそんなに人気なね?


「ですからお嬢様が一目惚れをしたとしてもおかしくありません。贈り物もとてもセンスが良く、お嬢様にぴったりのものです」


 ソフィア熱量がすごいわ。


「ソフィアはお嬢様を応援しております。ですから、お嬢様、ソフィアにだけはお心の内を話して頂いても大丈夫ですよ」


 ——そして、見当違いで間違っているわ。


「ソフィア、気にしてくれるのはありがたいけれど、全く違うわ。アズール様のことを、そのような目で見るほど時間は過ごしておりません」


 だから、それはあり得ない勘違いだわ。


 今度会うときに暴走しないように、しっかり釘を刺しておくべきね。


「そうなのですか?てっきりそうなのかと思ってしまいました。申し訳ありませんでした」


 ソフィアは、私の能力も起こった事も知らないから、違和感を感じているのかもしれない。


 毎日、それこそ家族より側にいるから、ちょっとの変化でも見逃してもらえない


 ——時間の問題よね


 ソフィアに能力のこと隠すのは、そろそろ潮時かもしれない。




 久しぶりに頭の中のスイッチをオンにする


(お父様、お母様、聞こえますか?)


((聞こえるよ。聞こえるわ。))


(ちょっとご相談があります。このままでも構いません。今お時間大丈夫ですか?)


(とりあえず私は大丈夫よ)


(返答は少し遅くなるかもしれないが、話しながら聞こう)


(ありがとうございます。専属侍女のソフィアの件です。彼女に私の能力を話しても良いですか?

 彼女はいつも私を心から大切にしています)


 心が聞こえる私だからこそ、ソフィアの忠誠心に間違いがないことがわかる。


(彼女に、能力を隠すことがいいとは思えません。口止めをし、協力者にしたほうがいい気がします。お父様とお母様はどう思われますか?)


(私は、あなたが伝えたいと思うなら、いいと思います。専属侍女をうまく使えるかどうかは、あなたの力量次第じゃないかしら?)


 お母様は、あっさり了承してくれた。


(お母様、ありがとうございます)


(ティト、お前が信用できると言うなら、きっと大丈夫だろう。ただ、ソフィアが、約束を違えるようなことがあったら……)


 お父様も了承してくれてはいるけど……


(その時は、彼女の存在を消すよ。そんなことにならないように、ティトがしっかりと手綱を握っておきなさい)


 裏切りに対しては、かなり厳しくなりそうだ。


(お父様もありがとうございます。この後ソフィアと話します。頑張ってみますね)


(頑張るのよ)


(がんばりなさい)


(はい、では繋がりを切ります。ありがとうございました)



 私は、瞬きを1つして繋がりを切ると、念のため、能力はつけたままソフィアに話しかけた。



「ソフィア話があるの。聞いてくれる?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。