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私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
第1章 始まりのお話

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同時通話

 私は、頭の中に設置してある、カラオケマイクに手を伸ばした。


 ——能力の使い方は聞く時と同じね


 お父様を意識しながら目を開け、脳内マイクを使ってみた。


(お父様聞こえますか?)


 お母様とお茶を飲んでいたお父様は、ガバッと立ち上がり、慌てて此方を見た。



「ティト?今、何かしたかい?」


 お母様は何事か?と、私とお父様を交互に見ている。


(頭の中で話しかけています。お母様にも今から繋ぎます。お母様も聞こえますか?)


 お母様も、お父様と同様に立ち上がった。


(ふふふ、夫婦とは似る物なんですね)


 お父様とお母様は、咳払いをひとつして姿勢良く座り直した。


「ティト、もう検証はいいのかな?」


 お父様は、慌てた姿をなかった事にして、私に確認してきた。


「はい、荒削りではありますが、把握出来たかと思います。やっぱりこの能力——強すぎます」


 ——知られたら、かなりまずいわ


「そんなにか……聞いてもいいかな?」


 お父様の表情は少し固くなった。


「1人で抱えるには少し重すぎます。可能ならお父様もお母様も把握してください」


 二人は、姿勢を正して私を見つめた。


「まず範囲は国内です。相手を特定すると遠くても認識している相手なら、どこにいても聞こえます。国外は結界に阻まれて無理でした」


 ちょっと、能力がバグってるわ。


「先程は、執事のトロイエの声と、お祖父様の声も確認出来ました。範囲指定をすると、範囲内ならだいたい聞こえ……」


 私の話を聞いていたお父様が、遮ってきた。


「ちょっと待ってくれ!トロイエだと?奴は今王宮にいるはずだ。それが聞こえたのか?!」


 やっぱりそこが気になりますよね……


「はい。トロイエは多分、王宮執務室でお父様に届ける書類を纏めていました」


 ——王宮は、さすがにマズイわよね?


「お祖父様も気にはなるが……王宮はまずいだろう。何も聞いていないな?」


 お父様の視線が厳しくなります。


 国家機密もあるし、当然の事ですね。


「能力解放状態で一瞬意識してしまい、王宮全体を指定してしまいましたか、物凄い騒音だったのですぐ能力を切りました」


 頭がパンクしそうでした。


「それで良い。王宮内にいる人間の心の内などは、知らないほうが良い」


 お父様は手を振って顔を顰めた。


 知らない方がいい事が、今後は多くなりそうですわね。


「私もそう思ったのですぐに能力を切りました。でも、今後必要な時があればいつでもお父様のお役に立ちますわ」


 ——お父様のためなら頑張れるわ。


「その気持ちだけ貰っておくよ」


 お父様は、眉間を寄せてため息をついた。



「……で、さっきのはなんだい?」


 お父様は、気持ちを切り替えて聞いて来た。


「私の能力は『以心伝心』です。相手の心が分かるなら、此方も伝えることが出来るのでは無いかと思ってやってみました」


 こっちは思った通りでしたわ。


「多分、範囲は聞くのと同じだと思いますが、此方は試していないから、姿が見えずとも出来るのかは少し分かりかねます」


 すると、先程から黙って聞いていた、お母様がスッと立ち上がった。


「私が今からここを離れます。馬車に乗って、商会まで行きますわ。その間にティトと心でお喋りしましょう」


 お母様、行動が早いですわ。


「お父様と私が別々にいても、同時に繋げる事が出来るのかも分かります。ティトは意識を此方に向けておいてね?では、行って参ります」


 お母様は、さっさと話を終えると颯爽と部屋から出て行った。


 ——さすがお母様。行動が早くて助かります。


「お母様、よろしくお願い致します」


 お母様も、私の能力を理解されているのね。



「そうだ! お父様お願いがあります」


 ソフィアの事をお願いしなくちゃ。


「なんだ?何かして欲しいのか?」


(私も何処かへ行くべきか?)


「ふふっ、お父様はどこにも行かなくていいですわ。侍女の事です。専属を付けるのなら、可能ならソフィアを専属にしたくて」


 すんなり受け入れてくれたらいいけど……


「彼女は私が目覚めてから、私を想う心の強い声が聞こえていたのです。他の侍女や従者も思ってくれましたが、彼女は別格だったので」


 むしろ専属にしないとお父様が危ないかも。


「本人に軽く確認してみたのですが、前のめりで了承してくれました。余りの熱意なので、専属になれなかったら暴徒と化すかも……」


 他の候補がいたら、全て闇討ちしそうだわ。


「暴徒……そんなにか。ティト、そんな過激な侍女で大丈夫なのか?危ないだろう」


 確かに、間違いを犯さないように強制しなければ、ソフィアは私のために暴走はしそうね。


「私に対する忠誠心はあります。能力が特殊なので、想いの強い侍女が良いと思っています」


 ソフィアの能力も把握しないとな。


「そうか、ではその旨、お母様からソフィアに伝えるように伝えておくよ。そろそろお母様に声をかけてみなさい」


 お母様より先に、お父様に直接伝える事が出来てよかったわ。



 私は、お母様の場所を探り意識を繋げた。


(お母様、聞こえますか?お父様も聞こえますか?あと、範囲を3人にしたのですが、お父様とお母様はお互いの声は聞こえますか?)



((聞こえるぞ!聞こえますよ!))

(ラヴェルの声も聞こえたぞ!)

(旦那様の声、聞こえましたわ!)


 お父様とお母様はやはり仲良し夫婦だった。



(お母様今、どの辺りですか?)

(今、大通りに出たわ。このまま何処か向かった方が良いかしら?)


(はい、お母様は場所を言わず向かって下さい。到着したら、私に強く想いを投げて下さい)

(わかったわ)

(私に声が届くかの確認なので、お母様が可能なら少し遠くにお願いしますわ)


 ——もし声が届くなら、かなり便利だわ。


 能力のスイッチをONに入れて、音量を1番小さくする。


 さて思い通りに出来るかかしら?









 考えてみれば、携帯ってまるで魔法ですね?


 続きが気になったら反応、評価、ブクマ、コメントもお待ちしています!

ある意味、携帯電話って魔法ですよね


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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