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15話:勇三に双子が誕生

 そして10月16日、静香さんが妊娠したとわかり出産予定日が1977年3月18日を告げられた。この子供誕生のニュースを聞き江成家では赤飯を炊いて祝った。その後、お腹が大きくなり江成家の人達も静香さんに気を使って、家事を手伝ったりした。やがて11,12月となり、しばらくして1978年があけた。念のため静香さんは1978年1月14日から銀行を出産のために

休暇を取り家で生活していたが勇三の母が、静香さんのお腹が、あまりに大きいので双子ではないかと言い始め1月に検診で静香さんが産婦人科の先生に聞くと、その可能性は高いかも知れませんと言われ場合によっては帝王切開になるかも知れませんので覚悟しておいて欲しいと言われた。


 入院も1週間前の1月7日と伝えられて勇三が身の回りのものを用意して車で産婦人科病院へ送っていった。そして1月14日、男と女の双子で二卵性双生児だと言われ和子と和男と名付けた。そのために大きな双子用の乳母車とベビーベッド2つを買い一番広い和室に移った。ミルクもオムツも2倍ずつ必要で祖父母と勇三が手伝ってやるようになった。数日後、山田家の3人が初孫を見に来て、多くの贈り物、ミルク、オムツ、肌着を持って来てくれ、2人の孫の誕生を喜んでくれた。その後、5月20日から静香さんが銀行に出勤し始めて朝は勇三が車で夏まで送ることにした。6月になると静香さんは銀行を5時に終わり帰って来るようになり育児に追われる毎日が続いた。


そして7月の暑い日に、めまいを起こして数日銀行を休んだ。それでも母は強く山盛りの御飯を食べて乳を与えて、おむつを替えて散歩に行く毎日が続いた。8月は暑いのでクーラーの効いた部屋で静香にしていて梨のシーズンも今年は手伝わなくて良いと言われ育児に専念した。やがて9月、10月と涼しくなり、関東地方に大きな台風の影響はなかった。そして、今年、梨の育苗から3年経ち来年から田名で梨園経営を希望する5軒の農家に10本ずつの梨の木を植え替える予定となり、来年にも更に10軒、再来年にも10軒の合計26件の農家で梨を栽培することになり、最終的に100軒の梨農家を育成するつもりだと田名農協の関係者が話していた。


 そして、その農家の人達15人が勇三の梨園で10月から12月迄、剪定、誘引、接ぎ木の作業をし来年1978年4月からの花粉つけ、摘果、袋かけ、ネット張りを手伝いながら勉強していく予定になっていた。やがて1978年があけた。年が明けると共に勇三の双子の和男と和子がハイハイして動き始め祖父母が目を離せなくなった。そして愛想を振りまいて江成家では忙しくなったが孫の

笑顔で笑いが絶えない日が続いた。

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