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最強の魔族は転生者  作者: お米マソ
第1章 魔族転生
17/18

白川の宿

遅れて申し訳ありません!

 クロトは今、門に入ってすぐのところにある広場にいた。この街、クーベルトは魔王城に近いためか、人がかなり集まっており、西の大陸ではかなり大きめの都市である。また、近くには鉱山があり、レアメタルなど希少なものが取れやすい。しかも、そのレアメタルが発掘できるのはこの都市だけときた。いわば、この都市はレアメタルを完全に独占している状況になっている。そんな都市の夕方で大人たちは今も働いてる。



 「あー疲れた。さっさと今日の宿見つけて寝たい。」



 クロトはこのクーベルトに来るために7時間も歩いたのだ。普通の8歳の子ができるわけないだろう。しかし、クロトは色々と異常だった。彼のステータスは一流と呼ばれ冒険者より既に高く、知識も8歳の子とは考えられないものを持っていた。ステータス面に関しては彼の日頃の絶え間ない努力によって。知識に関しては前世の自分の記憶によってなりたっていた。



 クロトは周りを見渡す。この広場では自分以外にも様々な人がいた。寝ている者。無邪気に笑っている子。一仕事終えてベンチにへたり込んでいる兵士。色々。



 クロトは腰を上げて、ゆっくりとへたり込んでいる兵士の元へ足を運び、彼に声をかけた。



「すいません。この辺に宿屋ってありますか?」


「あぁ。宿屋ならこの広場を門の反対方向に出て、最初の角を右に曲がったところにあるよ。確か名前は白川の宿だったかな。」



 声をかけられた青年は、明るい声でクロトに言葉をかえした。が、未だにへたり込んでいるので、顔はよく見えない。よっぽどキツイ事をしているのだろう。



 クロトは青年に礼を言うとその宿屋を目指して歩き出した。やっと寝れると思ったりクロトの足は今までになく軽く、速かった………。

しばらくすると人が集まる中心街から抜けて段々慣れ人がすくなくなってきた。青年に言われた通りに最初の角を右に曲がると、右側に小さな宿屋が見えた。



 「ここが例の宿屋か。」


 

 小さな宿屋だが、中からいろんな声が聞こえてくる。どうやらかなり人が多いみたいだ。クロトはもう一度宿屋の看板を確認した。そこには、白川の宿という文字がみえた。部屋が満席になる前に早く入ろう。クロトは小さく足を踏み出しそうとした。



 しかし、クロトの脳内にこんな不安が残っていた。


(子供だけじゃ、泊まれなかったらどうしよう。)


 クロトは一抹の不安を抱えていたが、考えても仕方ないと、扉を開けた。


 宿屋の扉を開けると、受付台とそこに座っている小さな幼い女の子が正面に見えた。クロトが入り口から入った瞬間にその女の子は、大きな声でこういった。


 「いらっしゃいませ!」



 とても元気が良く清々しい挨拶であった。

 クロトは早速受付台に向かっていき、その女の子に声をかけた。


「えーと。2週間泊まることはできますか?」


 女の子はクロトの声を聞くと可愛らしい笑顔で答えた。



「はい、可能です。朝食はお持ちしましょうか?」


「ええ、お願いします。」



 笑顔が眩しい女の子の問いに対して、俺も笑顔で答えた。



 「2週間滞在、朝食を付けますと、金貨1枚。銀貨2枚となります。」



 目の前の女の子はそこそこ高い額を請求してきた。金貨一枚有れば一週間は遊んで暮らせる程度の金である。その程度の大金なんだろうが、俺は二週間の滞在。金貨1枚銀貨2枚って安すぎな気がするな。どうやら、あの兵の言う通りこの宿は当たりのようだ。



 俺は、親が最後に残した金の一部で、代金を支払った。金はまだまだ腐るほど残っている。受験費もろもろ差し引いても、しばらくは死なないだろう。



 「それでは、お客様こちらに……」



女の子は部屋まで案内してくれるようだ。



 女の子は、そばにある階段を登り出した。俺も後を追いすぐ後ろに付く。階段を登り終えると、小さいながらもいくつもの部屋が並んでいた。その数ある部屋の中で俺は奥の部屋へ案内された。



「それでわ、ごっゆくり過ごしてください。」


女の子は綺麗にお辞儀をし、階段を降りていった。可愛い。



 俺は案内された部屋の扉を開ける。中を見てみると、とても清潔にしており、ベッドと机と椅子のいかにもthe普通の部屋であった。俺は早速ベットの上に寝転がった。



「マジきついわー。てか、大人に簡単に勝てる体力と力持っててこれだからな。多分並大抵のことじゃないな…。」



 俺は疲れた体を休めながら、今後の方針を頭の中で確認することにした。




 まずは、アルバニア学校に入学だな。とりあえずここで自分の知らない知識、持っていない力、主にこの二つを学ぶことだな。


 知識が増えれば、この世界のこと、魔法などの超技術の成り立ちなどいろんなことが知れそうで楽しみだな。力についても、このレベル1の体で育てまくった物を試すにはいい機会だし、俺はさらにここで成長し、自分の得意、不得意を知ることはとてもいいことだしな。


 まぁ、その前に入学試験があるけどな。


 試験内容は筆記と実技の二つ。筆記はどうなるか分からんが、最重要なのは実技試験。この試験でほとんど合否を決めると言っても過言ではないからな。とりあえず異世界ライフ親揃って蒸発したけど、今から楽しんでいきますか。

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