↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
68/83

64話 仲良しカップル

退院から数日、夏休みも終わりまた学校生活が始まる。

初日の始業式が終わり、久しぶりに私は生徒会室にやって来た。

本来なら夏休み中も何日か来て、生徒会の業務をしなければいけなかったのだが私は入院していたこともあり来ることが出来なかった。

クロくんがお見舞いに来てくれたこともあったけれど、何やら色々忙しいらしく会えていない。


生徒会実のドアをノックして開けるとミケくんしか居なかった。

「あー、ハルちゃんだ!久しぶり!モカちゃんから事故にあったって聞いてたけど…大丈夫?」

ミケくんは私の姿を見ると書類を仕分けていた手を止めて首を傾げる。


「うん、もうほとんど大丈夫よ。それよりも夏休みに生徒会の仕事出来なくてごめんね」


「ううん!入院してたならしからないよ、オレこそお見舞いにいけなくてごめんね?生徒会の仕事もだけど実家の方が少し忙しくて…」

そう言って目を伏せるミケくんは、猫耳もしょんぼりと伏せられている。


無性にもふりたい衝動にかられたけれどここは我慢だ。

後で虎太郎くんかソラの耳をもふらせてもらうことにしよう。


「気にしてないよ。ミケくんの方はお家の事とか大丈夫なの?」

夏休みに入る直前の出来事を思い出して尋ねると、ミケくんは「まぁね」と苦笑する。


「お祖母様が色々動いてくれてなんとかなってるよ。モカちゃんとお祖母様も仲が良くて……妬いちゃうくらい。モカちゃんはオレの恋人なのにお祖母様の方が仲が良いんだから」

そういってミケくんは肩を竦める。

それでもミケくんとモカちゃんはうまくいってるらしい、その事が嬉しくてつい頬が緩んでしまう。



「こんにちはー、ってハルとミケくんだけ?」

噂をすればなんとやら。

ノックの音がしたかと思うとモカちゃんがやって来た。その途端にミケくんの表情が輝く。



本当にミケくんはモカちゃんが大好きなんだなぁ…

友達が幸せそうなのはやっぱり嬉しい

……私も、コタローくんとこんな風に……


そんな風に考えて恥ずかしくなってしまい、慌ててその妄想を打ち消し誤魔化すようにモカちゃんに話題を振る。

「今ね、モカちゃんの事話してたんだよ」


「私のこと?」


「ミケくんがモカちゃんとミケくんのお祖母様が仲良し過ぎてヤキモチやいてるんだって」

私に告げ口されたミケくんは唇を尖らせる。


「オレの方がモカちゃんの事好きなのに、狡いと思うんだ」

モカちゃんはキョトンとした後、両手で顔を覆い俯いてしまった。


「私の彼氏が可愛くて辛い…」

近くに居た私にだけ聞こえるようにぽつりと呟く。



うん、仲良しなようで何よりです。



ミケくんは俯いてしまったモカちゃんに近付くと、その顔を覗き混みながら眉を下げた。

「オレの事も、もっと構って?」

途端にモカちゃんは顔を真っ赤にしてこくこくと頷く。

ミケくんはモカちゃんの萌えツボを的確に押したようです。


やだ、なにこれ、なにこの可愛いとカップル!少女漫画!?



私がによによしながら眺めているとモカちゃんがその視線に気が付いたのか、顔を真っ赤にして「此方見ないで!」と手をつきだしてくる。

これ以上やり過ぎると茹で蛸になるんじゃないかと思うほどに、モカちゃんが赤くなったのを見てミケくんはにっこり笑った。


「可愛いでしょ、オレの彼女」

「うん、凄く可愛い」

即答するとミケくんは満足げに頷く。


「もうっ!2人とも!!」

羞恥心に耐えきれなくなったモカちゃんが叫ぶまで私とミケくんはにやにやが止まらなかった。


その時、ふと生徒会室の窓の外がキラリと光った気がした。

一瞬そちらに視線を向けるが特に何かあるわけでもない、木々の葉か何かが反射したのかもしれないと思い私は気に止めることは無かった。



けれど寮に帰った瞬間、それは気にしておくべきだった事だと思い知ることになる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。