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63話 告白

「あ、あの……コタローくん」

私が声をかけると虎太郎は顔をあげ首を傾げる。


恥ずかしさと言い辛さからまっすぐに虎太郎くんの目を見ることはできない。視線を手元へと落とす。

「この前の返事なんだけど」


息を飲む気配がしたけど、恥ずかしさに一杯一杯になっている私はやっぱり顔をあげることができない。


「…………私も、コタローくんが…好きです。だから…とっくにコタローくんは恋愛対象なわけで…つまり…その」

言葉にしてみたもののモゴモゴと口ごもってしまい、中々要領を得ない。


けれど突然に立ち上がった虎太郎くんに、私の体はぎゅっと抱き締められた。

服越しに体温がじんわりと私の体に伝わってくる。

「嬉しい、ハルにそう思って貰えて。ありがとう……好きだ」

耳元に熱がこもったような声が届き顔が熱くなるのを感じた。

心臓が痛いくらいに鼓動が加速しているのがわかる。


大事なものを扱うように虎太郎くんの手が私の髪を撫でる。それが妙にくすぐったくて余計に恥ずかしかった。

抱き締めていた腕が緩み虎太郎くんの顔が視界に映る。

彼は今まで見たことないくらいに頬を緩ませて微笑んでいた。



ダメだ、意識し過ぎて顔がみられない!



たまらず視線を反らすとくすりと笑われる。

「ハル、こっち向いて?」

頬を指先でさらりと撫でられてそう言われるけど直視なんて出来ない。


「………恥ずかしいから、無理」

そう呟くとまた抱き締められる。


「可愛い………これでハルは私のものだね」

耳元でそう囁かれ耳たぶに柔らかい感触が触れる、耳に口付けられたということを理解するのに少し時間がかかった。

気が付いた瞬間、沸騰しそうな程に体温が上がるのを感じた。



両想いになれたのはいいけどコタローくんが甘過ぎて私の心臓が持ちません!

コタローくんがデレデレワンコにシフトチェンジした!





△△


虎太郎くんとお付き合いをはじめて無事に退院することになった私はアヤメさんとも連絡を交換してまた会うことを約束した。

退院当日、私は迎えに来てくれた両親の車に乗り込んでいた。

虎太郎くんにエスコートされながら。


両想いになってから虎太郎くんは甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。

それこそ傍目で見ればやりすぎなんじゃないかと思うくらいに。

「あらぁ、ハルちゃんは虎太郎くんと仲良しなのねぇ」


助手席に座っていた御母様が虎太郎くんに世話を焼かれる私を見てうふふと微笑む。

「えぇ、ハルとはお付き合いさせてもらっています」


「あらまぁ」

「何だって!?」

目をぱちくりさせて頬を緩める御母様にぎょっとして振り返り運転席から身を乗り出す御父様。

私もまさかここでカミングアウトするとは思っていなかったので慌てて虎太郎くんを見ればそっと手を握られる。


「虎太郎くんは一人っ子だからハルちゃんが嫁入りした方がいいかしら?」

御母様はのほほんとした顔でそんなことを言い出す。


「ま、待ってくれ!まだお付き合いと言うだけで結婚するとは………」

御父様は動揺しているのか視線が宙をさ迷っている。


「でも将来的には結婚するつもりでしょう?」


「はい、私はそのつもりです」

虎太郎くんの返答に私は赤く、御父様は青くなった。


「ハルが……可愛い娘が結婚……そんな…」



この後、方針状態で運転も儘ならなくなった御父様を御母様は無理矢理助手席に押しやると、自分が運転席に乗り込み私達は御母様の運転で帰路につくことになった。



両想いになりました'ω'*

まだ続きますよー!

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