表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転「生」できませんでした。-俺YOEEEけどたくましく生きて行きます。-  作者: 六六-B
賢者の書房編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/113

賢者アセノス

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

挿絵(By みてみん)


 静まり返った賢者の書房に、俺とリーゼロッテの足音がわずかに響く。


 スライムドラゴンとの激戦を終え、アセノスの石像の前に戻ってきた俺たちを、賢者はどこか安堵したような瞳で見つめていた。


「見事だったよ、異邦の者よ」


 重厚な声が響く。けれどその響きには、僅かに優しさが含まれていた。


「君の観察と決断、そして彼女との連携は見事だった。あれは単なる戦闘ではない。“知”の実践だった」


 照れくさくなって俺は視線をそらす。


「……そうかよ」


 アセノスの石像は、少しだけ顎を引いて、続ける。


「さて、君たちが次に進むならば、いくつか忠告しておこう」


「忠告?」


「これから君たちは、他の霊廟を巡るのだろう? それならば、人の街を通ることも増えるはずだ。だが、君たちは──」


 アセノスの視線が、トオルとリーゼロッテの外見を順に見て、少し眉をひそめる。


「……お世辞にも、目立たないとは言えない姿だ」


「は、まあな……」


「幻影の術を手に入れろ。姿を偽り、人の間に潜む術だ。君にとって、次なる力となるはずだ」


「どこに行けば、それが手に入るんだ?」


「“踊り子の泉”──アフロディオンの霊廟だ。あの陽気で胡散臭い男なら、幻影の加護くらい持っているだろう」


「胡散臭いって……」


「真面目にやっていれば、あんな格好にはならん」


 石像の表情は変わらないが、微妙な皮肉が込められていた。


 少し笑ってしまった俺だったが、ふと気になったことを口にする。


「なあ……勇者マモリって、どんな人だったんだ?」


 一瞬、アセノスの目が伏せられた。


 沈黙。けれど、それは拒絶ではなく、どこか懐かしむような沈黙だった。


「……それは、君自身が辿り着くべき“答え”だ」


 それだけを言うと、アセノスはそっと目を閉じた。


「だが……君と会えて、嬉しかったよ。本当に」


 その声には、これまでと違う、確かな感情がこもっていた。


 俺は、胸の奥が少し温かくなるのを感じながら、小さく頷いた。


「……ありがとう、アセノス」


 隣では、リーゼロッテがどこか懐かしそうに、アセノスを見ていた。


「ふふ、やっぱり君は面倒くさいな。昔から変わらない」


「君こそ、相変わらず口ばっかりで──無茶をする」


 言葉を交わす二人は、どこか旧友のような空気を纏っていた。


「さて、分かっているな?」


 アセノスが最後に問いかける。


 リーゼロッテは肩をすくめて、笑う。


「分かってるよ。今度こそ、ちゃんとするさ」


 ……ん?


 俺は首を傾げるが、詳しくは聞かない。


「それじゃ、行こうか、リーゼロッテ」


「ああ。次の目的地は“踊り子の泉”……アフロディオンの霊廟だ」


 俺たちは振り返り、知と静謐の空間──賢者の書房を後にした。


 背後で、石像がそっと呟いた。


「気を付けろよ………トオル、か。」


つづく


ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ