魔道:貫通
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瘴気がうねる。
重く、鋭く、あたりを切り裂くように迫ってきた。
「ぐっ……!」
俺とリーゼロッテは身を翻し、黒い霧の腕から逃れる。だが、それはまるで意思を持っているかのように追いかけてきた。
「ハァ……ハァ……! 何なのこいつ、攻撃が尽きないっ……!」
「この霧、俺たちの動き……読んでるみたいだ……!」
足元からせり上がった瘴気が槍のように尖り、リーゼロッテを串刺しにしようと跳ね上がる。
「避けられな──!」
ガギィィンッ!!
間一髪、彼女は腕のガントレットで受け止めた。だが、白金の装甲の下にヒビが走る。
「くっ……ッ!! 重い……っ!!」
その直後、今度は俺の背後に広がった霧が螺旋を描き──
ブォン!!
大鎌のような瘴気の刃が俺の背中を襲った。
「──ッが、ああああああああッ!!」
衝撃と共に霊体の輪郭が激しく歪み、白い光が火花のように散った。
形がぶれて、視界がノイズのように乱れる。
俺の体が──崩れかけていた。
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【HP:21 → 3】
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視界の端が白く染まり、音が遠ざかる。
これ以上ダメージを受けたら──消える。
でも──
「奥の手だ……!」
俺は歯を食いしばり、震える手を前に出す。
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【スキル発動:《ソウルタッチ》】
【MP:65 → 45】
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青白い光が指先を包み、視界が変わる。
攻撃を避けながら、やけくそに飛び蹴りを繰り出すリーゼロッテ。
ゴールの体の中に、ゆらめく白い炎は──
心臓の位置かと思えば、今は腹部。
その次には、肩の奥へ……移動してる!?
「な……あれ、動いてる……?」
それは、ゴールの中にある“核”だ。
魔物の中核──魔力の源。魂の在処。
奴の魔道:貫通は俺たちの攻撃を完璧に無効にするスキルのはず。なのに、あいつはそれを──避けてる。俺たちの攻撃に合わせて!
「貫通じゃねえ……少なくとも、全部がすり抜けてるわけじゃねぇ……!」
俺は息を呑む。
ゴールがニヤリと笑う。
「へぇ〜、なんか考えてる顔だねぇ……でも、そこまでだよ?」
再び瘴気が渦巻く。
俺はもう一度だけ、魔力を集中する。これが最後のチャンスだ。
(コアの動き……癖を読めば──届くかもしれねぇ!)
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【スキル発動:《ソウルタッチ》】
【MP:45 → 25】
――――――――――
白い炎が、再び浮かび上がる。
今回は見失わない──さっきと同じタイミング、同じ動き。
「……分かった。お前、攻撃の瞬間に合わせて……コアを避けてんだ」
見えた。コイツを攻略する糸口が!
こいつ──完全な無敵なんかじゃない。コアだけは──避けきれてない!
「リーゼロッテ!!」
俺は彼女の肩に飛びつくように近づき、声を潜めて言った。
「……名案がある。少し、協力してくれ!」
「……ふふ。いいよ、そう来なくっちゃ」
不敵に笑った彼女と目が合った。(気がした。)
──つづく──
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