俺、進化
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――勝てない。
咆哮一発。あの白い男……“悲しむジェンキンス”の放った一撃で、空気が震え、霊体の俺ですらダメージを受けかけた。
(ムリムリムリ!)
無言で物理すり抜けして階層を後退。
逃げた。完璧な逃亡だった。
だが、逃げながらも俺は考えていた。
(今のままじゃ、アイツには絶対に勝てない)
なら、強くなるしかない。
俺の頭に浮かんだのは──あの「ゴースト」たち。
鬼の巣で見た、ゴブリンとホブゴブリンの関係みたいに、もしかしたら、俺みたいなウィル・オー・ザ・ウィスプが成長して進化した存在が、あのゴーストなのかもしれない。
だったら。
だったら、俺も。
進化できるんじゃないか?
⸻
下層に戻ると、ほどよくバラけたゴーストが二体ふよふよと浮いていた。
【観察】
名前:ゴースト
レベル:8
HP:22/22
スキル:《鬼火》《ダークボール》
(よし、いける)
いつものようにダークボールを“置き弾”のように設置し、ゴーストがワープしてくる先に当てる。
命中。
【経験値を得ました】
次の一体にも同じように誘導して撃破。
【経験値を得ました】
……と、同時に。
【進化条件を満たしました】
【進化しますか?】
(キターーーーー!!)
心の中で雄叫びをあげた。火の玉に喉なんてないけど!
俺は、迷わず「はい」を選んだ。
⸻
まばゆい光に包まれ、熱を持った体が、冷たく透き通った存在へと変化していく。
【進化が完了しました】
【ウィル・オー・ザ・ウィスプ → ゴースト】
【ステータス更新】
名前:玉森 透
種族:ゴースト
レベル:1
HP:12/12
MP:40/40
スキル:《鬼火》《祟り》《ダークボール》《影移動》
(……両手が、ある!)
自分の両脇にふわふわ浮く、半透明の手。
(これが、俺の“手”か……!)
ぐっと感情が込み上げてくる。感動だ。でも、感動している場合ではない。
俺は手を前に突き出して、《影移動》を試してみる。
……使い方がわからない。
とりあえず、近くの石像を対象にしてみる。
【影移動 発動】──
……できない。
(あれ?)
じゃあ、そっちのふらついてるウィル・オー・ザ・ウィスプに──
ズボッ。
(うわ! 成功した!?)
次の瞬間、俺は対象の背後にいた。
(なるほど、相手が“意思ある存在”でないと、発動しないってことか)
つまり、物体や壁には発動しない。魔物や人間などの“対象”が必要らしい。
(でも……これで、ジェンキンスの背後を取れるかもしれない)
アイツは、咆哮で前方を吹き飛ばすタイプの敵だった。
正面にいなければ、安全なのかもしれない。
(いける……! 今なら、いけるかもしれない!)
浮遊しながら、静かに、静かに祭壇の奥へ向けて進んでいく。
“背後から”――この一手に、すべてを賭けるつもりだった。
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