十六話 グレンはトーナメントに行く
俺たちは、今、ギルド報酬を受け取るために受付所に来ている。
「新しく仲間に加わったキリスだ、よろしく頼む」
「わしは、ユアなのだ」
「えっ!?」
仲間を二人集めたことを受付嬢に説明すると、彼女はとても驚いた。
「す、、すごいですね!まさか、こんな短期間で二人も仲間を集めるなんて!」
「あ、ありがとうございます......」
なんか、受付嬢に前にも同じこと言われた気がするんだが......
やっぱり、普通はこんな短期間で仲間を集められないからだろう......
「ん?そちらの子供も仲間にしたんですか?」
「えっと......ユアは子供じゃないですよ」
うぅ、やっぱり受付嬢でもこれは心配になるんだな。
だって、こんなに身長が低いしな......
さすがは、ロリ美少女といえる......
ていうか、これはやばい状況じゃないのか......!?
「わしは、もう200歳以上は生きてるのだ!」
「200歳!?」
なんか、こういう場面をさっき見たばっかりなのだが......
俺の周りでは、同じことが起こりやすいのか?
「こんなに可愛い見た目をしていたので、つい......」
「___は、え、か、可愛い!?わ、わしが!?」
すると、ユアは顔を赤らめながら言った。
やっぱり、ユアって天然すぎるな......
かわいいって言われただけで、テンパりすぎだろ!絶対!
まあ、そこが可愛いんだけどな......
さすが、ツンデレ!
「あのー、とりあえず報酬くれませんか?」
「あ、すいません!えっと......金貨は、42枚ですね......」
_____ガサゴサガサゴサ......
うっ......めちゃくちゃ金貨の音がする......
「はい、金貨42枚です!」
「あ、ありがとうございます」
そして、受付嬢は金貨を袋に入れて、それを俺に渡してきた。
「あれ......山分けじゃないんですか?」
俺が聞いていた話だと、確かギルドの場合は金貨を山分けをしないといけない。
「山分けするのは、Aクラスまでですよ」
「へぇ、そうだったんですか.......」
し、知らなかった.......
でも、それでは、いつか、金貨が破綻するんじゃないのか?
「そんなことをしていたら、金貨無くならないんですか?」
俺がそう言うと、受付嬢はいきなりドヤつき始めた。
何なんだ、コイツ......?
「それなら大丈夫です。【金貨交換】というユニークスキルで、魔物の強さで金貨をもらうことができるのです」
「へぇ、それはすごい便利ですね!」
そのユニークスキルがあれば......
いやいや、そんなことを考えちゃダメだ......
というか、俺の知らないユニークスキルってまだたくさんあるんだな.......
『じゃあ、そろそろ行こうにゃ!』
「ちょっと、話が長いのだ!」
あ、やべ......
さすがに、話が長すぎたか......
ていうか、アーシャとユアってなんか似てる気がするんだよな......
自意識過剰っていうか、天然っていうか......
「じゃあ、そういうことなのでさようなら!」
「あ、ちょっと待ってください!」
俺が、帰ろうとしたのを受付嬢が止めた......
「ウルデン=イカ王国で、新人冒険家のトーナメントが開かれるみたいなので、ぜひ行ってみてください!」
「え、わかりました。いけたら、行ってみます」
トーナメントって.......お金稼げるのかな......
~~~~~~~~~
「そういえば、グレンってなんのために冒険家やってんだ?」
「えっと.....魔法学園の入学費を貯めるためかな......」
散歩中、キリスは、すました顔で俺に訪ねてきた。
「へぇ、俺も行ったことはあるけど、青春もちゃんと謳歌できたぞ!」
「へぇ、そうなんですか」
キリスも魔法学園に行ったことあるのか......
というか、青春もちゃんと謳歌できるんだな。
俺はてっきり、もっと魔法軍隊の訓練でもされるのかと思ってた......
「それ、私も行きたいのだ!」
「うおっ.......」
すると、前にいたユアが急に振り返ってきた。
美少女だから、よりびっくりするな......
「別にいいけど......」
「やった!よーし、じゃあどんどん金貨を貯めるのだ!」
『ま、まじなのにゃ!?』
「ん?どうした、アーシャ?」
すると、その横にいたアーシャが小声でつぶやいた。
『い、いや、何でもないにゃ』
はあ、最近なんかこういうのが多いんだよな.......
ていうか、今アーシャ、まじ?とか言ってなかったか?
小声すぎて、うまく聞き取れなかったな......
「これからどうすんだ、グレン?」
「えっと......」
そして、俺はカードを見た。
【冒険者:グレン、アーシャ、イリシア、他2人】
依頼:3件
【ダークスネイクの盗伐】
難易度:B
場所:ウルデン=イカ王国北側、ウォレッサ高原
金貨:21枚
【ゴブリンの盗伐】
難易度:A
場所:ミク=サイレント王国南側、ザンク森
金貨:18枚
【トーナメント〈誰でも参加可能:現在、102名】
≪試合開始まで、2日12時間≫
難易度:なし
場所:ウルデン=イカ王国中央、ダイラ街
金貨(優勝報酬):100枚
「ひゃ、100枚!?」
「ん?どうした、グレン?」
「なっ!?100枚だと!?」
さっき、受付嬢が言っていたのってこのトーナメントだよな、絶対......
金貨100枚っていったら、魔法学園の入学費、一人分と同じくらいだ。
今持っている金貨は、みんな合わせて186枚......
金貨100枚もらったら、286枚ということか......
『え、100枚!?』
「これは行くしかないでしょう、グレン様!」
「金貨100枚ってそんなにすごいのだ?」
そりゃあ、驚くよな......金貨の価値を知らないユアは除くとして......
「どうする、行くか?」
いや、これはさすがに一択だろ。
こんなにうまい話、そうそうないしな。
しかも、このパーティーメンバーなら絶対いける。
だから......
「「行くに決まってる」」
第一章、終
第二章、『いにしえの王国』へと続く。
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