小松菜で一品
「ねーねー、もうそろそろこれ収穫できるんじゃないのー?」
「んー?」
ルイよりも早く起きたヒロマサが外に行って帰ってきた
だいぶ前に育て始めた小松菜が植えてあるプランターを抱えて
「これ、だいぶ大きくなったよ」
「あー、すごいな。良くここまで大きくなったな」
「毎日水やり欠かさずにやったからね」
「あの三日坊主少年のヒロマサが続けれるなんて…明日は槍でも降ってくるのか?」
「ひどくないか?俺がここまで育てたっていいだろ」
「いや、なんかね…大雑把なキャラで来てたやん。いつも大雑把で雑であれよ」
「なんかすごい価値観の押し付け?が起きてるんだけど」
「頼むよー」
「理解はできないけど嫌だ。そんな変な話よりもさ、この小松菜どうするの」
「そうだなー、昼ごはんに使おうかな」
「味噌汁とかに入れるの?」
「いや、おかずの一品に」
「小松菜を…おかずに…!?」
「なんだそのリアクションは」
「どっかの料理漫画で見たことあるなー…って思って」
「知らんな、じゃあとりあえず朝ごはん食べてから話を続けようか」
「そういやまだ食ってなかったな」
「さ、ちゃちゃっと食べて」
「分かった」
そんなこんなで遅めの朝ごはんをとったヒロマサ達
その間ルイはなにを作ろうかずっと悩んでいた様子
そして朝ごはんを食べ終わった頃にメニューが決まったのかよし。と呟いて食材を漁り始めた
で両腕に抱えて持ってきた
「よし、決めた。これで作ろう」
「なにを作るん?」
「ご飯が進む系」
「その返答が答えになってないことだけはわかった」
「質問に答えたはずなんだけどなぁ」
「日本語って難しいね」
「まぁ、そんなことは置いといて…なんかもう料理作る流れになってるけど、まだ収穫してないんだよね」
「… ( ゜д゜)」
「…なにが言いたいかはわかったけどそこまでリアクションする?」
「オーバーリアクションはウケると聞いて」
「どこから出て来たその情報。デマだろ」
「( ゜д゜)」
「ウゼェ」
「で、収穫するんですよね…どうやって?」
「根本をハサミでザッといっちゃっていいよ」
「そのままいいのね、分かった」
と言うと、ヒロマサはハサミを持ってきて小松菜を収穫し始めた
いつもならテキトーに収穫するであろうヒロマサ
しかし自分で育てた野菜だからかいつもよりも丁寧に、丹精込めて収穫している
「…やっぱり明日隕石でも降って来んのかな」
「なんで俺がいつもとちょっと違うだけで天変地異が起きないといけないんだよ」
「違和感しかないし」
「ひどい…」
「で、収穫できたな。じゃあ洗っといて。その間に準備しておくから」
「り」
ヒロマサがやっぱり自分が育てた野菜だからなのかいつもよりも丁寧に洗い始めた
それは年末の大掃除ぐらいに
え?わかりにくいって?
…そんなこたぁどーでも良いんだよ
そしてルイは調味料を分量ごとに分け始めた
お昼ご飯の時間が迫っているので
…そこまでやるならもう作っちゃえば良いのに
まぁ、そこはルイの価値観?ということで…
で、二人ともやることを終えたのかほぼ同時に顔を上げた
「終わったぞ」
「やっぱり明日(以下略)
「だーかーらー、なんで俺が(以下略)」
「もう違和感でしか無いんだよ」
「その固定概念を桜島の火口にでも捨ててこい」
「ユニークな例えだなオイ。まぁ、こんな無駄話は置いといて…」
「ちょっとこれはもう少し話したほうがいい気がするけどまぁ良い」
「それじゃあ料理して行きますか」
「おー」
「それじゃあ早速、まずはさっき洗ってもらった小松菜の根元を切ってくれ」
「わかった」
「根元切れたら1cm幅に切っといて」
「なんか注文多いな」
「先に指示出しておいた方が楽だからね」
「なーるー」
ヒロマサが小松菜を着る作業をしている間にルイがフライパンに豚肉を入れて炒め始めた
なんか良い匂いがし始めたせいかヒロマサの動きが少し遅くなった
「なんか良い匂いするな…」
「あー、肉焼始めたからね」
「なんかそのままでも良いような気がしてきた」
「いちおい今回の主役小松菜だぞ」
「そうだけどさ…」
「まぁわかるけど今回は小松菜だ」
「( ;∀;)」
「そんな顔してもダメ…で、手止まってますけど」
「あ」
「さっさとやっちゃってください」
「…はい」
ルイに注意されて作業を再開した
しかしヒロマサはどうやってこんな状況で作業しろっていうんだよ、という心情だった
だってヒロマサが作業を再開するなりニンニクの匂いがし始めたからだ
ヒロマサだって一応成長期の食べ盛り男子だ
そんな男子にニンニクなんていうものをチラつかせたら真っ先に飛びつくだろう
え?そんな事ないって?
…少なくともヒロマサはそれに当てはまるので
そんな地獄のような環境の中小松菜を切り続け、ようやく解放された
「殺す気か」
「何もしてないんだが?」
「ニンニク炒めている時点で十分殺人未遂だ」
「なんか勝手に自滅しようとしてる奴いるんだが」
「とにかく!こっちは終わった!」
「会話のやり取りがチグハグなんだけど…まぁいいや、そしたらめんどくさい作業任せてもいい?」
「拒否権はどうせ無いんだろ」
「ご名答」
「はぁ、人権はどうなってんだか…で?なんなのさ」
「さっき切った小松菜茎の部分とそれ以外の部分で分けてくれ」
「…マジでめんどくさいの来た」
「そんじゃよろしく」
「まt…まぁなに言っても無駄なんだろうしやるか」
と今までで類を見ないぐらいにめんどくさい作業を任されたヒロマサ
しかしやらないといけないとわかっているので渋々やり始めた
その間にルイは先の肉に色々と調味料を加え始めた
それがまた食欲をそそる臭いなわけで…
ヒロマサがまた悶絶し始めた
あいつ…殺してやる、と言わんばかりの覇気を出しつつ分別作業を進めていった
そしてしばらくして
「終わったけど」
「お、ちょうどいいな。こっちも終わったぞ」
「マジで許さんからな」
「…なんかさっきと同じ展開を感じるな」
「マジで拷問かと思ったわ」
「俺のせいではない」
「時と場合を考えろ」
「そんくらい我慢しろ」
「人間の本能だろこれ」
「まぁそう怒らないで、次の作業するよ」
「なんか話逸らされた気がするけどわかった」
「そしたら次が最後かなー、さっき分別した小松菜の茎の部分ちょうだい」
「そういやなんで分けたの?」
「炒めるときに火の通りやすさが違うからね」
「だから茎とその他なのね」
「そうそう、じゃあこの茎が炒め終わったらその他も炒めるので準備しといて」
「おけ」
そこからはずーっと炒めていた
そしてその間ヒロマサはお米を炊いていた
おかずだけではいけないので
その間もさっきと同じ、良い匂いが漂っているのでまたさっきと同じように殺気に似た喪男が漂っていた
そしてお米が炊き終わり…
「…終わったぞ」
「よし、それじゃあ早速食べますか?」
「とっとと食べさせろ、マジで腹へった」
「はいはい」
と言って完成した小松菜の料理と白米を食卓に出すないなやヒロマサがすごい勢いで食べ始めた
まぁそりゃ良い匂いがずっとしてたから…
結果、肉味噌の80%をヒロマサが食べてしまうという事になった
そんなに食べられなかったルイは空になった大皿を箸で突いていた
ルイも食べたかったので
結局夜ご飯にも同じものが出るという事態になった
美味しいは正義




