ダッシュ
担当:尖角!
だから、俺は彼女に言うのである。
「悪いけど、これは大切なもので、君にあげることはできないんだ」と――。
だが、ここで彼女は引き下がることはしなかった。
「じゃあ、何処で手にいれたモノなの?」
「買ったモノじゃないってことは、貰いモノなんでしょう?」
「一体、誰から貰ったものなんですか?」
『さて、どうしたものだろうか?』
俺は考えてみた結果、ある答えを導き出した。
それは“ダッシュ!!”……。
俺は“逃げ”を選ぶことにし、必死に彼女から逃げようと走り出した。
まず、一番最初の角を右に曲がってみる。
すると、そのすぐ先は十字路だった。
だから、俺はそこを左に曲がり、いくつかの信号のない交差点を過ぎて、再び右に曲がる。
そして、先ほどと同じように、すぐ十字路を見つけたのでさらにそこを左に曲がった。
俺はそんな感じの作業をいくつか繰り返していたら、あるところでT字路に出くわした。
『どちらに、曲がろうか?』
俺は走りながら、そんなことを考え、とりあえず右に曲がることを決めた。
だが、それが俺の運の尽きだった。
そう、、、そこは行き止まり。
そして、俺の後ろには撒くことのできなかった彼女がいる。
『さて、どうしたものだろうか?』
だから、俺は再び策を講じることになった。