戦闘開始!平原の激闘
「騎士団、前進――!!」
その瞬間、開戦の銅鑼が大地を震わせて鳴り響いた。
反乱軍の布陣は、中央にレイリア率いるレーク侯爵軍、右翼にユリウスの聖騎士団、左翼にレイヴンの傭兵部隊。
レーク侯爵軍の前衛、シャルク士爵を筆頭とした精鋭騎士たちが砂煙を巻き上げ、一気に前進を開始した。
「一番槍は、このシャルク様がもらい受ける!!」
愛馬グラニの鼻息も荒く、金髪をなびかせたシャルクが得意の騎兵槍を豪快に頭上で旋回させる。
伝統的な騎士団編成による見事なパフォーマンスと威勢の良さだった。騎士一人につき、従士や小姓、歩兵たちが数人ずつ付き従い、怒濤の騎馬集団となって平原を駆けていく。
レイリアの瞳には、突進していく先鋒の塊が、遠く小さくなっていくように映る。
だが、勢いよく飛び出していったその塊が、突如として不自然に立ち止まり、左右へとばらばらに散り始めた。
「ちっ、弓兵たちの射程圏に入ったか!」
レイリアの表情が一変して険しくなる。
カスターム伯爵の冷徹な号令のもと、空を黒々と覆い尽くすほどの矢の雨が、容赦なく降り注いだのだ。
『ぴっぴぴぴっ……ぴーぴぴ!』
頭上からアギルの焦燥に満ちた念話が脳内を打つ。
――『敵射撃、正確無比! このままでは先鋒が全滅する!』
レイリアが後方を振り返ると、後続の急ごしらえの歩兵たちの膝がガタガタと恐怖に震えていた。無理もない。あの鉄の驟雨を前にして、戦い慣れない領民たちが平静でいられるはずがなかった。
「まずい、隊列が崩れたらカスターム伯に見抜かれる」




