表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【BL】くしゃみ1.5部〜イケメンの故郷凱旋ハネムーン編  作者: 城山リツ
ミチルの章 新しいオレの存在証明

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/23

10years a go,Fixer locked on SaintSon of Edelweiss.

「遠い遠い海を渡って、そのままお空に行ってしまったよ。お空の高いところにね」




 青い空。それよりも遥かに深い青い海。

 船の上で同時に見た青が、時折鮮明に思い出される。


 法皇は、机の上にペンを置いてため息をひとつ。

 幼いままで残してきた大切な存在の、もう思い出せない声が聞こえた気がした。



 

 遺した世界で、あの子はどう生きたのだろう。

 時折は自分を思い出してくれただろうか。


 いや、その必要はない。忘れていて欲しい。

 今の自分は、あの子とは全く別の存在になっているのだから。




「ねえ、じーちゃん、この人だれ?」




 あの子によく似た声がした。

 とても近い所で。


 そうだ、あの子もそんな歳になるかもしれない。

 孫を膝に乗せて、思い出話を語るかもしれない。




 法皇はそんな想像をして、独り笑う。

 忘れて欲しいと思ったばかりなのに、思い出して欲しいとも願うだなんて。


 椅子から立ち上がって窓を開ける。

 見上げた空は青く澄み渡っていた。


 人の手によって毎日変わらぬ青空。滑稽だと思う。

 それでも空は美しい。あの子の上にも、青空があるだろうか。



 

 もしも、同じ空を見上げる時が来たのなら。

 ワタシは全身全霊で、その空を晴らすだろう。







 ◇ ◇ ◇







「繋がった……」


 闇にまみれた老体が嗤う。


「聖なる孫に、今、印が刻まれた」


 妄執に駆られた老人は、低く喉を鳴らした。




 喚ぶがいい。

 正常ではない(イレギュラー)と知らずに。

 喚び求めるがいい。




 老人はほくそ笑みながら、撒いてきた種が芽吹く予感に震える。


「血脈を継ぐ者……」


「扉の護人……」


「祈りの血筋……」


「禁断を食した者……」


(しゅ)の授かりもの……」


 それから


「世界を裁く、黒き竜……」




 誰が選ばれるか。

 誰を選ぶのか。


 どう選んでも、答えはひとつ。




「ワシに、世界の全てを教えよ」


 否。




「ワシが全てを知り尽くすのだ……」




 



 ◇ ◇ ◇







「じいちゃん! 行ってきます!」


 ワタシはこの子を送り出す。

 理不尽に喚び寄せた。それでも己を見失わなかった強い子。


「風邪など引かぬようにな」


 この子は己の意思で、取りこぼしたものを探しに行く。

 その手で選び取った伴侶とともに。


「やだもう、じいちゃん! コドモじゃないからぁ!」


 ミチル。ワタシの大切なマゴ。

 お前を阻むものは、全てワタシが取り除こう。


「行っておいで」


 送り出す。

 この子は己の力で羽ばたいて行く。




 空は、蒼く澄みきっている。








 序章「ミチルの章」  終




 —————————



 

 6月29日(月曜日)20時 ジェイの章を開始します!

 以降は毎週月水金20時に一話ずつ公開予定

 どうぞよろしくお願いします


 (陳謝)

 ミチルの祖父(亨)の呼称を「じーちゃん」に変えさせていただきました。

 エーデルワイス(充)の呼称は「じいちゃん」のままです。

 この場を借りてお詫びいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くしゃみ転移シリーズの総合ポータルサイトです。
全ての情報の掲載を目指します。イケメンのビジュアルもこちらにございます
是非遊びに来てね♡
https://plus.fm-p.jp/u/kurishiroyama/

html>
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ