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転生したら勇者になって、美少女とパーティー組んで、ドラゴンを倒しにいってきました ……という冬休み日記  作者: 蒼碧


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13/17

1月4日(金)

原案をぼやいた人:蒼風 雨静  書いた人;碧 銀魚

日が昇ると同時に、山へアグレスの大軍が迫ってきた。

今日、ゲックを仕留めて、勝負を決めにきたのだ。

ドラゴンたちにはゲックの護衛に専念するよう伝え、僕たちはパーティー三人のみで、アグレスに勝負を挑んだ。

相手はかなりの数だったが、戦闘力はドラゴンに比べれば大きく劣る。スレイトとの戦い比べれば、蹴散らすのは容易かった。

僕らの狙いはエレーナだ。

フォーレイにとって、王族の血は大切なものらしく、彼女に危害が及べば、必ず妨害してくるはずだ。

そこが勝負となる。

エレーナは、予想通り軍の最奥にいた。ローレンがいない今、アグレスの魔術面での大きな戦力はエレーナしかいないからだ。

だが、エレーナに迫ると、やはりフォーレイが現れた。

「レイト、よく聞きなさい。もし、私がいなくなれば、この国の民族は滅ぶわ。それは、このエレーナや、あなたが交流した街の人々や子供たち、そしてあなたと後ろにいる、ローレンも死ぬことを意味するのよ。」

それは、ゲックからきいていた。

そして、フォーレイに召喚された僕自身もどうなるかわからないことも。もしかしたら、禁術で召喚された僕は、死すら許されないかもしれないらしい。

それでも、僕たちはもう引き返せないのだ。

命を奪ってしまった、ドラゴンたちのために。

これ以上、他民族の命が奪われないために。

僕とローレンは、エレーナに全力で立ち向かうが、フォーレイとエレーナ自身の力で、跳ね返される。

だが

「今だ、クローディア!」

僕の合図で、軍の後ろに回りこんでいたクローディアが、フォーレイの背後から襲いかかった。その手には、クローディアの民族に伝わる神具が握られている。

エレーナを守ることに集中していたフォーレイは、一瞬反応が遅れた。

俊敏なクローディアの攻撃を躱すことができず、神具を叩きつけられる。

瞬間、クローディアの民族の守り神が現れ、同時に潜んでいたゲックも飛び出した。

二人は印を結ぶと、おぞましい檻のようなものが現れ、フォーレイを閉じこめた。

フォーレイの穏やかな表情が初めて消え、必死に檻から出ようと暴れだす。

だが、同格の守り神が二対一では流石に敵わないのか、フォーレイの抵抗虚しく、檻は地の底へと沈んでいく。

これは、封印らしい。

こうなると、民族は守り神の恩恵を受けられなくなるので、どう足掻いても数年のうちには滅ぶのだそうだ。

こうして、戦いは終わった。

エレーナはその場で崩れ落ちて、呆けたように空を見上げ、ゲックやドラゴンも、クローディアとその守り神も、唯々苦い表情でその様を見つめていた。

次の瞬間だった。

僕の足元に魔法陣のようなものが現れた。

それが光りだしたかと思うと、僕の体は少しずつ透け始めた。

ローレンとクローディアが駆け寄ってくる。

二人の目からは、大粒の涙が流れている。

「私はすぐこの世界からいなくなるから!そうしたら、必ずレイトの世界に生まれ変わるから!待ってて!」

ローレンは叫んだ。

「あたしは、おまえを引き戻す手段を絶対に見つけ出す!だから、待ってろ!」

クローディアも叫ぶ。

そんな二人の声に包まれながら、僕は「ありがとう」とだけ言って、この世界から消えた。

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