目をさますと
目をさますと、海鳥が空を飛んでいた。あれはかもめかな?動物フェチじゃないからなにがなにだかわからない。というか、なんで俺は寝ていたんだ?船酔い。そう。船酔いでゲロったところからの記憶があいまいになっている。
最後に見えたのは白いもの。何を見たのだったかな。とても神聖なものだと思うのだけど。
とにかく起き上がろう。こんなことをしている間にも船は博多に近づいているんだ。ぐーすか寝てたら怠慢だと思われて家貞さんの折檻を受けかねない。木刀で打ちひしがれた背中を海水に浸すとかあの人ならやりかねない。
ジャラリ。
ジャラリ?
おかしな音を俺の耳は捉えた。ついでを言えば、俺の両手がさっきから動かすことができない。それ以前にとても重い。まるで入学式の初日に大量の教科書を持って下校するかのようだ。
見れば、俺の両手はかなり分厚い手枷で封じられていた。しかもありきたりな木製ではなく、鉄製の手枷だ。……なんで?
情況が飲み込めなかった。
なぜ俺の手首にこんな立派なものが付いているんだ?まったくもって理解ができない。それにこの場所はなんだ。木製の格子で囲われた部屋で、どうみても牢屋だ。
一体全体どうなっているのかまるでわからない。
「あ、夕霧。ようやく起きた?」
「ん?清?え?……どゆこと?」
「あーえっとね。色々あったのよ。色々」
清の返答は歯切れが悪い。というか、清までなんで囚われているんだ?彼女もまた俺と同じように手枷をはめられて、彼女御用達の宝剣も腰に下げられていなかった。よく見れば、ところどころ赤茶色のものが彼女の衣服だったり肌にだったり飛んでいた。ついでにちょっと磯臭い。ほんと、どういっっっっっぃいい!!!
ぐらりと牢屋が揺れぁ!?
どうなってぇ!うおw!
「ちょっとこっち寄らないで!くっさい!」
清に倒れ掛かると、彼女はエルボーで俺の脇腹にいい一撃をかましやがった。痛みが走るが、床に倒れる前に俺の体は急停止する。後ろの壁に俺の手枷につながっている鎖が俺の体を引っ張ったからだ。
しかし、牢屋が揺れるってどういう……。
あ、ひょっとして!
「ねぇ、清盛様清盛様。ひょっとして俺たちって今さー」
「あー気づいたのね。そ。ここ船の中、しかも底の方」
なんでやぁ!?
*




