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ラスボス出現

「高橋、かなり危険かもしれません。」

朝鮮半島反攻作戦立案をしているとディスプレイの隅ににブリキ男が現れ、話し始めた。

このブリキ男は最近チックが良く使うマスコット3D画像だ。


「緊急のようだな。なにが危険なんだ。」

俺は作業していたパソコンのアカウントをチックに連動させると尋ねた。


「首相の隠し口座ですが先ほど大金が入金されています。」

「?、作戦中止の報酬とかかな、証拠になるかもしれない確認しておいてくれ。」

「報酬なのかもしれませんが、ロッキードからの入金なんです。」

「ロッキード?」

「ええ、アメリカ合衆国の軍需産業のあのロッキードです」

「まて、ということは今回の中止命令は」

「アメリカからの要請かもしれません。そうなると、これは報酬ではなく口止め料、もしくは事態収集費用と見るべきです」

「たしかにヤバいな・・・」

「道尾広司さんに頼んで人工衛星の記録を確認したら、みちびき5号の近似軌道に数機人工衛星が移動していました。」

「みちびきの電波を探査していたということか・・・」

「ええ、今回は偶然アリランを使っていたので、作戦内容はわからなかったと思いますが。」

「で、中止命令がきたと」

アメリカが出てきたなら、刺激は避けたい。朝鮮反攻作戦も見直さないといけない。

「しかし、なんで中止命令なんだ?」

そこがわからない。

可能性をチックと討議してみた結果

①アメリカの隠密作戦の邪魔になった。

②朝鮮半島を刺激して戦争状態に戻したくない。(中東・アフリカで手いっぱい)

③日本の海外派兵を危険視した。

④343増強航空隊の実戦データがほしかった。


この4つくらいだろうということになった。

先のものほど確率が高い。が後ろのものほどこっちに都合が悪くなっている。


・・・このフラグってだいたい4番なんだよな・・・


APアーマードパペットの存在そのものはアメリカも知っているが、地勢的な条件で全面ドローン戦争に突入していないアメリカ本土はAPへの興味が薄かったはずだ。


PAは今回初の実戦投入だし、開発自体が知られてないだろう。

あとはMUだが・・・中止命令がきたときにはMUの活動は終わっていたから、そっちでないのは確かだ。


「まいったな、軌道上からの観測データでなにかがばれたってことか」

「衛星の精度からすれば30cm四方で分析できるますから、高橋みたいに基地を爆破すれば気がつくのは容易でしょう。」

そういえば、あのときICBMの元格納庫吹き飛ばしたか、目立ったろうな。


「こうなると本格的にアメリカがストップかけてきたと言うことになるのかな?」

「皆さんと相談してください。私はロッキードの入金のルートを追跡してみます。」


指令室に士官全員を召集して、状況の説明を行った。

「・・・ということで中止命令は敵の脅しでなくアメリカの要請だった可能性が高くなりました。」

「まずいな・・・矢田1佐が何も情報出さないわけだ。」

「ですね。となると対監視衛星用の装置を作動させないと・・・」

前者は佐藤、後者は真田だが・・・


「真田さん対監視衛星用の装置って何ですか?」

思わず頭を抱えそうになった俺は悪くないと思う。


「簡単に言えば噴水とプロジェクションマッピングの組み合わせかな。」

簡単に言ってくれるが・・・噴水でタンカーを覆う水のドームを作ってそこにプロジェクションマッピングで風景を写して船影を消そうということらしい。


「すごい出力いりそうですね・・・」

「そうだね。潜水艦1隻分の出力があれば何とかなるかな?」

「ああ、そういうことですか・・・」

「そういうことだ。構造そのものは簡単だから、すぐ作り始める。」

そういうと会議が終わるのも待たずに船底の作業場に走っていった。


「・・・楽しそうですね・・・」

「楽しいんでしょうね」

俺のぼやきにうららが諦め声で返してくれた。

「ともあれ、楽しまなきゃ損ということよ。きっと」

そんなうららはソファーに足を組んで膝には兎を乗せ、悪の首領のように毛並みを撫でながら会議に出ていた・・・これはこれで楽しんでいるようでもある。

考えてみれば俺も傭兵部隊になったのも、好きなことをやるためだった。

今一番楽しんでるのは真田さんだろうが、俺もチックを壊させる気はない。

「とりあえずアメリカとの交渉になるかもしれないとなると副官が3尉というのはまずいわね。」

そういえばそうかもしれない。

「指揮系統をはっきりさせるために、高橋あなたは少佐になりなさい。私も大佐を名乗るから。」

「・・・いい加減だな・・・」

「別にいい加減でも何でもないのよ。この大きさの軍艦の館長なら間違いなく一等海佐か海将補が着任するはずよ。傭兵部隊なら任命権は部隊長に帰するから、隊長の階級が妥当ならあとは問題にもならないわ。」

「まあ、佐官と尉官じゃ裁量が大きく違うから、交渉になった時の相手の階級は重要だけど、俺が佐官ねぇ?」

「だから少佐なの、三佐じゃないのよ。」

「ああ、部隊内のなんちゃって佐官ということか。」

「実力を付けて本物佐官になってね。」

彼女はいたずらっぽくそういった。


その後相談の結果、PA部隊について再編成することになった。

PAの部隊は歩兵のAPの流れを汲んで分隊11名、小隊22名で構成していたが、実際には装甲車両とくしゃと同じ編成の方が良いと思われた。

このため2名で分隊、4名で小隊、2個小隊で中隊という形になり、中隊長を2名、現在の2個分隊を2個中隊に編成し、大隊として343増強航空隊陸戦大隊とした。

これで隊長に少尉4名、中尉1名、大尉1名を任官して、士官を水増しする・・・言い方は悪いが・・・そうなれば大隊長として俺の少佐もまったくおかしくなくなる。


もう1個中隊作って増強大隊に編成したいが、人間が足りない。とりあえず「かもめ」船員からの志願で埋めてみる予定だ。

ただすでに船員を11名を引き抜いているので、船の運用の自動化を進めないと中隊増設は難しいだろう。

自動化はチックとアリスのどちらかが担当できるが・・・交渉用の情報カードも考えるとこれ以上の負担をチックにかけたくない。アリスの実力はまだ未知数だ。


「アリスに任せるか。」

未知数ということはどこまでできるかもわからないということだ。やらせてみてどこまで行けば失敗するかで能力を確かめるしかない。


「にしてもロッキードか・・・」

秘密口座に米国からの工作資金というと田中角栄首相が思い出される。


今回のこともそうだがアメリカという国は時々えげつない。

親中派が勢力を伸ばそうとすると、大規模資金を用いてマスコミを用いた世論操作、恐喝外交、経済戦争による植民地化・・・全て行ってくる。

角栄さんは日中国交正常化で睨まれ、近いところでは民主党が潰されている。

民主党は、官僚を味方にしきれなかった部分を考えれば、自壊に近いが・・・本当の原因は外部からの干渉だ。


自分に都合が悪い国は頭と力で捩じ上げる・・・それがアメリカの本性である。


これまでもアメリカは騎兵隊ではないということは頭の隅においていたが、今回のミッションでそれが表に出てきたということなのだろうか?


どちらにしろ政府スポンサーを締め上げられないように、こちらも十分な準備を持って行動しないといけない。


アリスの自我が十分育てば、別の手法も模索できるだろうが、現状ではアリスを戦場から離すことはできないだろう。


「アメリカ相手に特殊戦か、できるなら避けたいんだが・・・」

当面、戦闘中止を画策した連中の正体と目的を確認するまでは、潜伏するしかないだろう。


まだ中国の脅しに政府が屈したという方が対処が楽なんだけど、この状況だとそんな楽観的なことは起きてなさそうだ。

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