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湖水戦

「アリランより入電。「かもめの卵は大船渡の菓子」。攻撃成功です。」

機体のすぐ下は水面になっている。

後方には派手なコーン状の水飛沫が巻き上がっていた。

「目立つなー。これ・・・」

方向としては北向かっているのでそのうち東に向かわないと新成川に到着できない。

陽動作戦として派手に目立っている。

攻撃としては途中で一度だけ小規模な攻撃を受けた。

幸い、自力で撃破できる範囲だったので排除したが、その後、地下への扉が見つかって、急いでAPで潜入、爆破した。

結構大きな地下空間だったので、なんだったのか疑問だったが、どうも北朝鮮のミサイル基地跡らしい。

現在ではただの倉庫として使われていたので小規模な守備隊しかいなかったようだ。

幸運なことに、軽油が備蓄されていたので、凍結防止剤と燃焼触媒を加えてジェット燃料化、足長蜂に補給できた。

これで、最悪日本まで直行で飛べる。

残った燃料を床にぶちまけ、火をつけて倉庫に放火したら。爆発を起こした。

出発して5分後に轟音が聞こえてきたし、アリランでも見えたので間違いないだろう。


そして今、名も知らぬ湖の上を快調に飛ばしていた。

「なんか、機体が重いな?」

「燃料満タンでサブタンクまでいっぱいですから、反応が鈍いのは仕方ないかと。」

基地跡で入手できたのはドラム缶5本分。1t近い燃料である。

そのせいで操縦桿と機体の反応に微妙なズレを感じる。

「いっそのこと全力推進してみますか?燃料があと200kgも減れば大分感覚が近くなるかと思いますが?」

「それでいこう。チック、進路変更、北東へ全力推進」

「了解」

北に進んでいた機体をやや東に変更して新成川に向かって進むことにする。

この速度変更で若干到着が早まるが途中で調整することにしよう。


加速でAPの背面クッションに体が押し付けられる。

横方向の加速はほとんど感じない。

定置旋回して加速というドローン特有の機動を行ったようだ。

加速直後にいきなり警告灯が赤く光り、警告音が鳴り響いた。


「対空ミサイル、右方水面より出現。」

「敵はどこだ!」

「不明、敵ミサイル目標ロストらしく上昇中。近接信管作動しなかったようです。」


レーダーとカメラで水面を確認するが船影は見当たらない。


・・・まさか・・・


「潜水艦? 湖で?」


「レーダー反応有、7時方向 1800m、反応微弱、シュノーケルと思われます。」

「シュノーケルって・・・とりあえず襲撃」


定置旋回を再び行い7時方向を向くと同時にM2がシュノーケル付近を掃射する。

敵は水面下1m以内にいたらしく、すぐに浮上してきて、穴だらけになった。

浮上後は焼夷弾に変更したため、すぐ燃え上がり爆発した。


「チック、該当しそうな潜水艇をリストアップ。ホバーにも緊急連絡、リンク16使用許可。衛星経由でとばせ」

「ハークとノーブへ連絡完了。該当兵器発見。ボート型可潜艇と推定。最大潜水深度50cm」

「50cm!50メートルじゃなくて?」

「もともとコロンビア麻薬マフィアがアメリカ沿岸警備隊に見つからないように水面下に隠れるようにしたボートです。」

「なんでそんな代物が?」

「推定ですが、浮上したまま進めば3000km以上の航続距離を持ちます。ドローン化して海で航路封鎖に用いることは可能です。」

「冬の日本海は無理でも南シナ海とかで運用可能か。」

結構厄介な相手だ。

足長蜂とターキー01のレーダーで微弱な反応しか出ないとすると、非金属系樹脂と電波吸収塗料の組み合わせがシュノーケルに用いられているということだろうか?

民間船では発見は難しいだろう。

そうなると対艦ミサイルや対空ミサイルを装備して、撃つときに発射管だけ水面上に出せば運用は簡単で、しかも製造コストは低く、コストパフォーマンスは最高である。

ただし、いままで発見例はなかったのでおそらくは開発中の秘密兵器というところだろうか。


「知らなくても厄介だが、知らせることでなお厄介になる兵器か・・・」


この種の兵器の厄介なところは対策をとらせることで、実際の戦果より多額の負担を敵に与えることである。

この兵器に対する対抗策を考えるとちょっと想像しただけでも、民間船やら漁船、全部に認識ビーコンをつけて、撃破方法を考えて・・・あれ?日本はもう対策済んでないか?


すくなくとも民間船のビーコン装備とエイ型飛行母艦があれば発見方法さえ何とかすれば、何とかなりそうだ。

もっとも南シナ海やその付近は大変なことになりそうだが・・・


「チック、とりあえずリンク16で統幕本部へ今の兵器の報告書。代金請求も忘れずにやってくれ。」

「代金は何にしますか?」

「くろしお改造用のスターリングエンジンと消耗物資でいいだろう。」

「おまけで高出力遠赤外線レーザーですかね。」

「それくらいかな?」


状況から考えると、あのボートドローンはまだ試作段階の可能性が高い。

少なくとも量産配備はされていないだろう。

だからホバー部隊があれにぶつかることはないと思うが・・・念のためだ。露払いに行こう。


「チック全速前進、ホバー部隊の哨戒を行いながら、新成川に向かう。」

「了解、水面に注意しながら進みます。」


こんな時音速が出せれば・・・衝撃波で一気に索敵・迎撃が終わるんだが・・・そこまでは速度が出ない。

あとで最高速度の改良を考えてみようか?

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