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襲撃準備

高橋、一日16時間就労状態です・・・でも経営陣なので残業代はつきません。

チックは24時間稼働で情報処理しています。アリスはそれを補佐していますが、もともとが戦術AIですので目的を決めた作業しか得意ではありません。その欠点を補うために遠隔操作で動かせるユニットを使って多目的行動を教育する予定です。春社長は佐藤顧問と一緒に、その中心で動いてますので(真田さんが回せないので)本来業務の傭兵企業の運営は会計はチック、運営は副社長がやっているという状態です。

現場は浸透作戦の訓練でバテバテになるまで特訓中です。


それっぽい地図つけてみました。中文です(笑)

船底の実験室で真田さんが左官をやってると聞いて遊びにやってきた。

見ると確かにコンクリを練って実験室の壁を厚くしている。

・・・

「真田さん何やってるんですか?」

「いや、ターキー01の電磁砲が予想以上に貫通力があるんで、実験室の壁を対EMP攻撃クラスに変更している。」

「・・・コンクリだと1mでも簡単に抜きますよ?」

「一応軍機なんだが・・・まあいいか。コンクリにアルミドープした導電性酸化亜鉛とチタン酸カリウムのウィスカーを放り込んである。陽子が貫通しようとしても金属原子との衝突で発生する電磁場ネットで抑えることができるようになっている優れものだ。これだと30cmもあれば完全に電磁波遮断できる。」

真田さんは手を止めることなく普通のコンクリより白いコンクリを壁に鏝で塗っていた。

「ターキー01の電磁砲を水素プラズマ砲にでも替えない限りは大丈夫だろう。」

「いや、水素プラズマ砲ではドローン乗っ取れずにCPU破壊しますから・・・」

現在CPUは30nm幅での設計がメインである。ここまで幅が狭くなるとちょっと電圧が高くなると、回路内で放電してCPUが焼けきれる。

もちろんシールドはされているが水素プラズマすなわち陽子もしくはベータ線は電子の2000倍弱の質量をもっているため貫通力が2000倍になる。

このため電子から見ればコンクリートはスカスカの発泡スチロールのようなものである。

ただ、電子ならアルミ箔でも十分に止められるのだが・・・・ベータ線は貫通される。

このため鉄板でも張っておかないといけないのだが10cm単位の鉄板の重量は半端じゃない。

ドローンにベータ線を照射すれば、ほぼ確実に撃墜できる。代わりに砲手は被爆することになるが

・・・

今ターキー01が大出力電子レンジ砲を採用しているのは、それ以上は携帯武器にするのは不可能だからという一点に尽きる。


「でなんで?電磁シールドを?」

「ターキー01の改良するときに武装テストがいるだろう。その時に船の航法機器に影響を出したくない。」

「まあ電子戦仕様ですからね。」

「他のAPもすべて改造するが、ターキー01だけは相当変わった改造になるぞ。」


なんでも他のAPアーマーパペットは酸素燃料電池採用でエンジンがロータリーから変更になって、フライバイワイヤによる圧力感知操縦システムと通電収縮アイオノマー繊維を使ったPAパワードアーマーとでも呼ぶべき機体に生まれ変わるそうである。

ただし、ターキー01に関してはその手法が取れない。

さすがに人力のみを使うAPというのは想定していなかったので、動力の伝達方法がワイヤー以外考えられない。

せいぜいワイヤーをMUの搭乗スーツの繊維をベースにした超々強度繊維を採用して弾が当たっても切れなくなるとか、ロータリーの燃焼室を二層積層にして同じスペースでも1.3倍程度の出力増加をさせるとかぐらいしかないらしい。

「チックと固定武装で電力を食うからな、現地で補給できない燃料電池方式はマズいと判断された。」

「まあ、それは仕方ないかと。」

「その分、防御力をアップして、NBC対策も搭載する予定だ。」

「ああ、それは重要ですね。」

しかし聞けば聞くほど隊長機のみが見た目から旧式という、なにか物悲しい雰囲気になってきた。


どんな感じかというと真田さんの設計の曲線を多用したかっこいいAPの中に、直線でカクカクしたワイヤー剥き出しのAPが混じるのである。


フェラーリを率いるフォークリフト・・・みたいなイメージが頭に浮かんだ。


フォークリフト上等!どうせおいらは前線のドカチン兵だよ。

おいらの武器はスコップにツルハシ・・・いかん本当にそうなってる。

そう思ったら、工具の件を思い出した。


「真田さんターキー用の工具は届いてますか?」

「ああ、追加装甲と一緒に運んできた。」

「追加装甲?」

「ほらこれだ。」

指さされたのは透明な盾だった・・・機動隊用の防弾盾ライオットシールドじゃないか。


「あれ持っていくんですか?」

「銃をもっていかないときは手が空くからちょうどいいだろう。量産品だから安いし。」


まあそれはそうだが。

一枚の重さが8kgちょっとだから二枚持ちできるくらい負荷が少ないんだよな。

指さされた盾を手に取って思った。これなんか重くないか?

俺の筋肉が負荷は15kgくらいだと告げている。


「超微粒子酸化チタン練り込みでと厚さを増やしたNIJ Ⅳクラスの製品だ。12.7mmM2キャリバーまでは保証されてる。」


M2キャリバーって50口径重機関銃じゃないか。すでに車載用なんだが・・・

四の五の言わず、ありがたく使わせてもらおう。


しかし組みあがっていくまさに装甲強化服といった感じのAP改めPAを見てると、俺もあっちに乗りたいという気分が出てこないこともない。

そのうち長距離索敵作戦にでも使ってみよう。


真田さんの左官を見終わった後はブリッジに戻って作戦の立案である。

衛星からの写真や電波可視化画面を見ながら敵の基地の位置を推定していく。


襲撃予想点は3つ釜山北方の方漁津、旧北朝鮮領日本海側の元山、そして平壌の西、半島中央部の新成川だ。


挿絵(By みてみん)


全体的な状況として日本からの浸透攻撃がないということもあって沿岸地に出撃拠点が多くみられる。

特に旧韓国の南部にはその傾向が多い。

それで今回の襲撃では、知られている基地「方漁津」の次にはるかに北の「元山」を襲撃し、最後にそのまま「新成川」を襲撃することで、敵に防衛力の負担増加をさせるのが目的である。

もちろん大部隊が配置されているソウルや平壌は避け、そのすぐ横をたたくことで、全体的な負担を増加させようという目論見である。

回数は繰り返せれば繰り返せるほど良いが、ある程度兵力を誘引出来たら次は黄海側の基地を襲撃する予定だ。

そのあたりは慎重に切り替え時期を判断する必要がある。


「これって、将官級、最低でも佐官級の参謀が判断する作戦じゃなかろうか?」

思わずぼやいてしまうほど入ってくる情報量が多い。


リンク16を使っているので結構なレベルの機密情報まで届いている。

チックが一次分類をしてくれてるから何とかなっているだけで、本来脳筋の俺には向いてない業務だ。


握力グリップを握り、気を紛らわせながらの作業である。

おかげで最近、握力が70kgを超えて、手掴みリンゴジュースが作れるようになってきた。

そのうち内地に戻ったらヒバラ屋で、漢の愛の搾り汁入り酒(リンゴ酎ハイ?)とでもしたら受けそうなメニューになりそうだ。


襲撃順番をどうするか・・・?

普通に考えれば前述のように南から北に向かうのだが・・・防衛負担を上げさせるには襲撃重要度を特定させない方がいい。

となると「新成川」「方漁津」「元山」という順番もありだ。


終結している部隊と使える手駒をどう配置するか・・・

そういえば指揮官の社長は何やってるんだろうか?

ふと思い立って個人端末に連絡を入れてみた。

するとすぐ返信があり、現在アリスの外部認識用端末ユニットの制作にかかっていて手が離せないとのことだ。

まあ、そっちも急だしアリスの成長は重要な要素だ。

完成したら教えてもらうことにして、作戦を煮詰めていく。

潜水艦の改造も進めなくてはならないが、そっちは佐藤顧問に丸投げした。

手が足りない・・・教導隊はうち(AP隊)以上に脳筋だったし・・・使える鈴木曹長は今は実践準備の訓練で部下をしごいてもらっている。


頭脳を期待した真田さんはマッド・・・俺はすごいブラック企業に就職したような気がしてきた。

参謀になりそうな人物を政府スポンサーに要請かけよう。

社長秘書か俺の秘書でもいいが、とにかくミスを確認してくれる人物が欲しい。

できれば内調か調別、出身者で情報整理に強いのを至急回してもらわないと・・・戦場が広すぎる。

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