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愚かな人間による自己観察記  作者: ログ


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9/9

最終話 雪崩

母の心臓の音がうるさい。


その音は僕が今までの人生をすべて否定して、ぼくはひどい気分になる。

──違う、それは僕の感情だ


「ダンッ ダンッ ダンッ」


僕は昔から気になっていた母の首を掴んで、体を雪の上に叩きつけるように、床に叩きつける。


年老いた母の体は猫のように柔らかい。


少し重たいが、普通の大人と比べると母は大分軽い方に分類される。


僕は──母が鈴の首を押したように、親指で母の首の真ん中を押す。


思い出した。


あの時、鈴はまだ死んでいなかった。動かないから自分が殺したと勘違いしてしまっていた。


帰って来たばあちゃんが電話をして、母と何か話をしていた。


そして──母は瀕死の鈴の首を押した


床に倒れた母は動かない。


母の心臓に手を当てて、完全に音がしないことに安心する。


ぼくは、手を合わせるように首を握りしめる。


自分の中でなにかが崩れる音がして、雪が解けるように気分が落ち着く。しかし、僕の手が握っている沢山の免罪符は偽物で、罪は一つも消えていない事を思い出す。


この長年降り積もった雪山のような自分は、善人ではなく愚かな人間でしかない。


毎日使ってるチョークが折れるような音がして、ゆっくり指先を離す。


母は僕を管理していた。

そして、母はもういない。


僕は文字が敷き詰められた2冊の「観察記」を見る。


これは


──愚かな人間による自己観察記




文武両道を掲げるうち高校の生徒の間で、最近人気のパン屋があるらしい。


そんな情報をクラスのとあるグループから仕入れた私は、お腹を空かせて歩いている。昨日は校内が騒がしかったから、たまにはゆったりとした休日を過ごすくらいのご褒美があっても、罰は当たらないだろう。


空を見上げると、雪が降り始めていた。


上ばかり見てそんなことを考えていると、足元に黒い影が見えた。


「わぁ、可愛い猫ちゃんだ〜!」

「ニャン」

「そんな声で鳴いても車道に出ちゃダメだよ?」


普段歩かない道を歩いていると、新しいものばかり目に入る。


「あっ、待って!」


黒猫は軽い足取りで黒猫は逃げてしまった。


「なんか、落ちてる?……新聞紙?」



【自宅で母親殺害、高校教師の男を逮捕】

「◯◯県警は12月14日、自宅で同居する母親の観崎冴子さん(58)の首を絞めて殺害したとして、殺人容疑で県立✕✕高校の数学教師、観崎律容疑者(30)を逮捕した。


 調べに対し容疑者は『母に管理されるのが限界だった。4回目のイメージしたら体が動いた』と供述している。また、犯行現場では膨大な量の手記のようなものが見つかり──」



                     ─完─

皆さん、騙されていただけましたか?

活動報告に「あとがき」を投稿しました。


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