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文章内で、数字が漢数字なのは、縦書きで執筆している関係ですのでご了承下さい。
架空の言語が出てきますが、掲載先の使用フォントの都合上、不揃い、または、半角に見えない場合があることをご理解下さい。
<登場人物 設定書抜粋>
安芸 智/あき さとし
西暦1980年10月10日 男
体格:ほぼ、日本人と言える体格。同と足の比率は半々。
頭髪:黒が基本の焦げ茶の髪。分け目はないが、ざんばらではない。耳が半分ほど隠れる長さ。
顔 :釣り目気味。ややグレーが入った瞳。耳はとがっておらず、現代の日本人と同じ。鼻筋は通っており白人風。
性格:荒くれ者はなりを潜めているが、こと戦闘になると箍が外れることもある。お人好し寄りで、来るものは拒まない。だが、出て行こうとすると引き留めようとするもろさがある。
田辺 勇/たなべ いさむ
西暦1996年04月04日 男
体格:見た目はやや太い。
頭髪:赤茶の入った黒。スポーツ刈り。
顔 :細い故にたれ目が目立つ。瞳は黒。鼻筋の見えない小鼻。
性格:育った環境も手伝っているのか、慈愛とも言える優しさを持っている。一度信じた事柄に対しては、よほどのことがない限り初心を貫くことにしている。
剣峰 歩実/つるみね あゆみ
西暦1993年09月16日 女
体格:本人曰くぽっちゃり系。
頭髪:ストレートの黒髪。肩より長くしている。戦闘時はポニーテールに結っている。
顔 :小さいがぱっちりした黒い瞳の目。鼻筋の見えない小鼻。
性格:性格はおとなしいが、人なつこい。誰とでも直ぐうち解けることが出来る。時折見せる姉御肌的な言動は、年下の者に何かある場合にのみ現れる。
森野 友実/もりの ともみ
西暦1998年06月06日 女
体格:下半身が筋肉質であり、上半身とはアンバランス。
頭髪:赤茶の入った黒で天然パーマ。耳が隠れるほどの長さ。
顔 :やや幼さのある造形。目は大きめで黒い瞳。鼻筋は見えない小鼻。
性格:性格はおおらかであるのだが、口数が少なく強くもの頃を言えない性格もある。また、優柔不断な一面もある。
山国育ちであり、自然が大好きで、野山を駆け回っていたためか、かなりの健脚である。
尾川 法雄/おがわ のりお
西暦1994年5月7日 男
体格:きゃしゃ。
頭髪:黒で短め。耳が出ている程度、頭頂部をふんわりさせて分け目はない。
顔 :ややたれ目で大きめ。瞳はやや茶。鼻筋は通っているが大きめの鼻。
性格:すさんでいる訳ではないが、いい加減なところがある。上を目指すためなら何でもする。学歴が全てに優先すると思い込んでいるため、学歴が低いと判断すると扱いが酷い。
大貫 志郎/おおぬき しろう
西暦1972年08月15日 男
体格:小太り気味ではあるが、スラリとして引き締まっているように見える。
頭髪:黒髪を短く切り揃えている。耳は出している。
顔 :馬面と言える長めの輪郭。細く見える目は黒目で、鼻筋は通っている小鼻。やや大きい耳。
性格:昭和生まれのためか、おおらかで人当たりは悪くない。せかせかした時代でも、マイペースを保っている。
細川 忍/ほそかわ しのぶ
西暦1985年11月16日 女
体格:身長の割にすらりとしている。スレンダー寄りであるため全てが控えめだが、30代ではギリギリ。
頭髪:肩までの長さの黒髪。くせっ毛であるため幼少の頃から気にしている。
顔 :細面の顔立ちにつぶらな瞳に薄い眉毛。鼻筋の見えにくい小振りの鼻。
性格:人が犯す大抵の事は許す事ができる程おおらかである。現象や事象に対しては許す事が出来ず追求してしまう。30代になり、経験やら知識やらが増え、したたかさも相まってきれい事でなくても提案する。
西野 珠恵/にしの たまえ
西暦1982年11月23日 女
体格:太くも細くも見える微妙な状態。
頭髪:赤茶に見える黒髪は、肩甲骨まである。派遣では、髪がうるさくなるため簡単に縛る。
顔 :細面で小顔。目は大きく、濃茶の瞳。鼻筋はやや通っているが大きめの鼻。
性格:明るく活発である。しかし、電子や電気関係には目がなく、際限なく分析を行ってしまう。
未設定の皆さん---
相田 知己/あいだ ともき
石井 信照/いしい のぶてる
水上 佐和/みずかみ さわ
岡野 美子/おかの よしこ
小原 忠司/おはら ただし
長谷 智則/はせ とものり
飯塚 帆美/いいづか ほのみ
高橋 洋子/たかはし ようこ
<登場組織・国家 設定書抜粋>
株式会社 舞王/まおう
命名の由来:初代社長である安芸 (あき)佐太 (さた)の出身惑星での二つ名で、桃井 (ももい)栄太 (えいた)面白がって一部に“魔王”をあてがう。これに腹を立てており、会社を興す際に安芸佐太が“魔王”にしようとして口論。最終的に、“魔王”ではなく“舞う王”で手を打った。意味も桃井栄太が知恵を絞ってこじつけ、『世界に舞う王(飛躍する会社)』という強引な手を使う。
事 業:
アンティークの扱いからスタートしているため、未だに主力の一つであり、チェーン店である「舞 (まう)ティーク」を展開している。但し、まれに、国籍不明の一品ものが混じることがある。
西暦1993年度に、異業種中の異業種であるゲーム開発部門を新設。RPGともシミュレーションとも言える「SALTAN (さるたん)」ブランドでゲームを展開、次世代ブランドとして「SALTAN Mo (さるたん・も)」ブランドで、MMORPGの展開している。
他社イベントのスタッフやMC、果てはアトラクションのスーツアクターなどを行っている。もちろん、自社の新作ゲーム発表会などでも同様の内容を行う派遣がある。裏業務として、異惑星に赴く派遣もある。
特殊な訓練施設として、埼玉県の山中に、公にしづらい精錬研究所があり、その地下に併設されている。
<登場道具 設定書抜粋>
アゼニウム/ア素
概 略:第二次大戦後の日本で発見された新元素。但し、公に出来ない元素である(西暦2017年時点では前者を使用)。また、空気中にガスとして存在するが、アルミニウムと同量の元素量を持つ。
命名の由来:あくまでも、(株)舞王、(株)空間倉庫に関係する組織での呼称である。当初は、“ア素”と仮の名を新たな元素という意味と、発見された経緯などから命名される。後に、化学の周期表上で、アルミニウムの原子量を持っていることから“ニウム”が付与され、(株)舞王と(株)空間倉庫では“アゼニウム”と命名。
発生 原理:空気中にガスとして存在するが、何故戦後になって発見できるようになったのか、専門外であるため不明のままとなっている。
無物質特異化現象/むぶっしつとくいかげんしょう
概 略:新たな現象、あるいは事象のことを指す名称である。ゲームの魔法と似ているところがあるため、“魔法”と呼ぶ者もいる。
命名の由来:物質が無いところで、特殊/特異な現象が起こることから。
発生 原理:“アゼニウム”が現象の発生原因と仮定。後の研究で、“儚 (ぼう)素”と命名した同位体が触媒となって事象を起こす。
空間特殊穴=ワームホール(虫食い穴)
概 略:位相幾何学の中であり得るのではと考えられている構造であるが、今のところ解明できていない。何を持って構成されているのか、何を以てそこにあるのか、今のところ解明できていない。
命名の由来:リンゴの虫喰い穴に由来する(ウィキペディアより抜粋)。
発生 原理:今を以てして、この現象の発生した理由、原理は不明であり、維持するための電源となる物は判明していない。
「さて、班ごとに分かれた訳だが、もう一度自己紹介でもしておこうか。俺は、安芸智。言わずもがなだが社長をしている。実地研修では引率をすることになった、よろしく。ちなみに使える無物質特異化現象は、刀で風系統が主だな。火系統は纏わせる程度か」
派遣課の練習施設の地下にある、講習室の一つに移動して早速、智が改めて自己紹介から始めようとするのであった。しかし、智の自己紹介が終わっても次が始まらず。「……どうした? 誰でも良いから次をやってくれないか?」と、言いつつ、視線は勇に向いているのであった。
「分かりました。えー。田辺勇です。短大ではスポーツ科学を専攻していました。使える無物質特異化現象は、刀で火系統と氷系統を纏わせることが出来ます、以上です」
「剣峰歩実です。大学は、体育学部です。使える無物質特異化現象は、雷系統です」
「も……。森野友実です。高卒です。部活は自然科学部です。使える無物質特異化現象は、生成系統です。主に土を操作できます」と、三人は続けて終わったものの、約一名は続くつもりはないようである。
「で、君は自己紹介しないのか?」
「……」
「そうか。では、社長命令だ。自己紹介して貰おう」と、智が法雄に対し伝家の宝刀を使って、否が応でも参加させるつもりのようである。
「……。尾川法雄。大学は首席で卒業した。使える無物質特異化現象は、火系統……です」
「……ふむ。学部は言わないのか?」
「……」
智が、法雄が卒業学部を言わなかったことに、詰め寄るものの法雄はそっぽを向いて口を閉ざすのであった。よほど言いたくないのか、あるいは、言うことを憚られる程マイナーな学部であるのであろうか。
先に進まないと悟った智は、「ふむ。さて、全員の自己紹介は済んだか。では、四班の問題を片付けるとするか。……まずは……。尾川君。何故班員へ攻撃を加えたのか聞かせて貰おう」
「……。首席卒業である自分に、従わないからです」
「ほう。従わない理由は聞いたのか?」
「必要ないでしょう。主席ですよ? それに従うのは当然で、理由など不要です」
「なるほど。尾川君は、言うことを聞かない者には、何をしても良いと考えるのだな?」
「主席ですから、当たり前です」
そこまでの会話で、徐々に智の表情が硬くなっていくのだが、法雄は一向に気が付いていないようである。
「馬鹿者!」
突然の怒鳴り声に、友実は竦んで尻餅をついてしまうのであった。当の法雄でさえ、目を開いて驚く始末である。
「君は、まだ大学の首席卒業に拘るか!」
「……。しゃ、社長。何を言っているんですか。首席卒業は優秀である事の証明です。優秀な人間は、そうでない者をどう使おうが自由です」
「いい加減にしろ! どう卒業しようとも、社会人になれば、それまでの状況なんぞなくなるものと思え! 使える物は知識と経験だけだ!」と、捲し立てるように声を荒らげる智であるが、ひとしきり語ると呼吸を整えるかのように、吐息を漏らし、「尾川君の支えなのだろうが、そんな物は直ぐに剥がされるぞ」と、諭す言葉を投げかけるのであった。
「……」
法雄は、その剣幕に圧倒され、ふるえる腕を押さえることしか出来なかったようである。
「……済まない。少々言葉を荒らげすぎたようだ。……さて、次だが……。剣峰君」
「……はい」
「まず、尾川君を攻撃したことを問題視しないことを約束しよう。社長としてではなく、一個人としてはよくやったと褒めたいくらいだ」
お小言を覚悟していたのであろう、目をぱちくりさせる歩実は、「……あ、あの。本当に?」と、訝しむのも致し方がないであろう。
「あぁ、問題ない。とは言え、社長と言う立場で言えば、これ以上の問題を起こした場合は、定かではないと言っておこう」
「あ、ありがと……、ございます」と、涙を流して礼をする歩実であった。
「うんうん。だがなぁ。そんな剣峰君にも、考えて欲しいことはある」
「……な、何でしょうか」
「うむ。最初の班員から、年下だからと守られすぎて、模擬戦に参加しきれなかった。と言う話があったそうだ」
「えっ?」
「まぁ、剣峰君としては、年下だからと扱き使うのは良くないという考えがあるのも分かる。だが、それでいいのか? 守ってやることが全てなのか? 自立は? どう思う?」
「……」
しばし考える歩実であるが、「仰ることの意味するところが、まだ、よく分かりません」と、打って変わって落ち込む歩実であった。
「まぁ、そう言ったことも含めて、社会人として学習していけば良い。それとな、落ち込むだけではだめだ。何が最適であるのかを考え続けなさい」
打って変わった諭すように語る智に、歩実は声を出せないのか、やや俯きつつも頷くのであった。
「さて、次は森野君」
「は、は……い」
「君は、今もそうだが、何時も怯えているようだな。幼少の頃に何かあったのかな?」
「い、いえ。特に、何も……」
「ふむ。と言う事は、いわゆる引っ込み思案という奴だな。あぁ、これは、性格的な問題だからなぁ。直ぐにどうこうできる訳ではないが、今の状態を森野君はどう考えているのかな?」
歩実の時より、更に優しくかつ、会話を引き出すかのように語る智であった。
「え、えーと。ど、どうというか……。そ、それは。田辺さんにも、言われたことが、あ、ありまして……。もう少し、き、気楽にしゃべ……。喋るようになりたい……と思ってます」
智の口調が功を奏したのか、友実が頑張ったのか。いつも以上に会話が出来ているようである。とは言え、慣れるにはもう少し時間が必要のようである。
「なるほど。本人も自覚していて、努力中と言うことか。ならば、私だけではなく、会社としてもその姿勢をフォローしていけるように、環境を整えるとするか。但し! 尾川君が協力してくれるなら、尚、効果は上がるのだが?」
「……。俺には関係ありませんね。そちらで勝手にやって下さい」
「君は、まだそう言うことを言うのか。……まぁ、関係ないのであれば、今後は些細なことで、森野君を怒鳴り散らさないと言うことだな?」
「ぐっ……」
自身の回答に縛られることとなった法雄は、ぐうの音も出ない様子で、苦虫を噛みしめる表情をするだけで、何も語ることはなかったのである。それを智は、「反論がないと言うことは、了解したと受け取る」と、最後に釘を刺すことも忘れないのであった。
「さて、最後になったが、田辺君」
「何でしょうか、社長」
勇の受け答えが妙に冷静であることから、次の言葉を失い掛けた智であるが、「……模擬戦において、君だけだと聞いているが、何故怪我の程度が低いのか、何かあれば聞きたい」と、これまでとは打って変わり、ややトーンを落として質問するのであった。
「怪我が軽いことの理由ですか?」
「そう言うことになるな」
「そうですか……」と、幾分考えるかのような表情をした勇は、「特殊なことはしていないつもりですが……。そうですね。短大時代から続けている研究の成果、と言えるかも知れませんね」と、語るのであった。
特殊なことをしているとでも考えていたのであろう智が、「研究? どういった類いの物かな」と、興味を示したように質問するのであった。
一方、勇は、智の質問にどう答えるべきであるのか、あるいは、躊躇しているように見受けられる表情をして、黙り込んでしまうのであった。
「田辺君? ……! あぁ、すまない。論文で発表するつもりがあるならば、深くは聞かない」
「いえ。研究とは言いましたが、個人的な物で、論文で発表までは考えていません。論文にするなら、短大からどこかの研究室にでも入ります。ですから、今は個人的にと言うことです」
「なるほど。では、問題がなければ、わかりやすく説明してもらえるか?」
「そうですね。分かりやすくと言うのであれば……。時と場合によりますが、筋肉に力を込めたり抜いたり肉体を強化することで、何処まで怪我を低減できるか、ですね」
「?」
智だけではなく、聞いているのか怪しい法雄も含めた全員の表情が、一斉に疑問を呈することとなった。
「ど、どう言う意味だ?」
「どう言うと言われても、先ほど言った通りの意味です」
「と言う事はだ。肉体を己の意思で強化? して、怪我を何処まで防げるか。と言う研究をしていた、いや、していると言うことになるのか?」
「そうなりますね」
「うーん」
深く考える仕草をする智がいる一方で、「田辺君。それが可能なら、大怪我になるところが、かすり傷は流石に無理としも、大怪我を回避できると言うこと?」と、歩実がキラキラ目を輝かせて質問してくるのであった。気圧されるように、「い、いえ。それは流石に難しいとは思いますし、怪我の場所にもよると思いますよ」と、勇はいささか研究者としての見解を述べてしまうのであった。
「可能不可能はあるにしても、以前、どこかの馬鹿がやったような爆発時には、顔を防御しつつ対処すれば、怪我の程度が低くなる可能性があるのね」と、歩実の“馬鹿”呼ばわりに、「何だと!」と、声を上げる法雄の声は、歩実の会話にかき消されたようである。
「それは、まぁ、実証していますからね」
「社長! 是非、田辺君の研究を取り入れましょう!」
「お、おっ。落ち着け」
「落ち着けません! 剣客としては、こんな素晴らしい研究成果を取り入れない訳にはいきません!」
「ふむ。とは言え、我が社の業務とはかけ離れているからな。諸手を挙げて取り入れる場所が……。! あるな」
「では!」
「あるんだが、経営会議に掛けるのも難しいか? どうだろうな、検討はしておこう」
歩実のキラキラ輝く目に、やや気圧されつつも社長としての威厳を保てた智であった。
「田辺君は、今後もその研究を続けるつもりか?」
「そうしたいところですが、配属先にもよると思います」
「そうなるか。検討すべき事項になるかも知れないな。……さて次だが」
四班の個人的な面接とでも言うべき事柄は、一通り終わったようであるが、次とは何があるのであろうか。
「四班の班長を誰に任せるかになるんだが」
「当然、俺がやります」
「うむ。尾川君はそう言うだろうな。他に意見は?」
「はぁ? 何を言っているの? 尾川に任せられる訳ないでしょ」
「何? おい、女。俺しかいないことをまだ理解できないのか」
「はぁ? またそう言う言い方をして。しかも、前に出ろしか言わない貴方に、指揮をする資格はないわよ」
「ん? 剣峰君、それはどう言う事か、説明してくれるか」
「はい。尾川は、森野さんを含めて全員を、自分より前に出すことが指示だと勘違いしています。それが、指示ですらないことを理解していません。更に言えば、今私の呼び方も失礼です。多分、四班ではずっと名字すら呼んでいないと思います」
「田辺君。そうなのか?」
「……はぁ。剣峰さんの言う通りで、これまで誰一人、名字ですら呼ばれることはありませんでした」
「おい、男。お前は何を言っている。呼ぶ必要がないのに、なんてことを言うんだ」
「なるほど。それはかなり重症だな、尾川君」
「はい、社長」
「何故、同じ班員の人を、名字で呼ばない」
「所詮は下っ端です。一々名前を覚える必要を感じません」
「尾川君、君は……。学生時代であっても、教師が、誰かに何かをさせる際、名字は呼ぶだろう。会社でも同じだ。誰にやって貰うかを明確にするためだな。何故、それを省こうとする」
「誰がやっても同じだと思いますので、不要と考えます。それと、学生の名前を覚えるより、教師の名前を間違えないことが重要です」
天を仰ぐ智を見て、呆気に取られる法雄である。しかし、その本質を理解しているとは言えないようである。
「尾川君。部下の名前すら覚えられないようでは、会社ではやっていけないと思うが。田辺君、どうだろう」
「あの。俺に振られても、非常に困るのですが。……社会の中にいる以上、関わりのある人の名前などは覚える必要があるとは思います」
「おい、男! そんなことをしている暇があったら、如何に上に登るか考えた方が良いに決まっている」
「尾川君。それを目指すのであれば、なおさら必要だぞ」
「……そんなことをしないといけないのですか。ですが、そうしないといけないのであれば覚えるように努力します」
「田辺君。上手い事躱しているが、尾川君のようなタイプは経験済みか?」
「えっ? いえ、そんなことはありませんが?」
「そうか。いやな、対応が上手いと思ったからだが。まぁ良いか。……他に何かあるかな?」
勇は、智が何かに気が付いたのではないかと訝しんでいるようである。しかも、何か言って欲しそうな誘い文句まで飛び出しており、「尾川さんが班長になるのは、問題しかありませんが、やりたいという姿勢があるのであれば、やらせるのが妥当かと。当然、問題が発生した際は、責任を取って貰うと言うことで良いのではないかと」と、智が望むであろう回答をする勇であった。
「田辺君はよく知っている。そう、今回の研修は今までとは違い、社を背負って業務を行うことになる訳だ。当然、責任と言うことも含まれる訳だ。それを踏まえてもやりたいか、尾川君」
「当然です。何も問題はありませんので、社長も大船に乗ったつもりでいて下さい」
勇が後押しをしたと感じたようで、得意満面で智に宣言するのであった。
「そうか。では、班長は尾川君とする。但し! 作戦立案は田辺君と剣峰君にお願いしよう」
「? それはどう言う事ですか?」
「ん? 班長は君だよ、尾川君。上がってきている情報を元に、作戦立案は君に任せられないと言うだけだ。更に言えば、二人が立案した内容は、班長である尾川君も、異論を認める事が出来ないと言っておこう」
「そ、それは、どう言う事になるのですか、社長!」
「どうもこうもない。言った通り、班長は尾川君。作戦立案は田辺君と剣峰君。これは、社長命令だと思え!」
「……は、はい」
法雄は全てを掌握できないことに、異議を申し立てたようであるが、納得も何もない“社長命令”を盾に、封じ込めることにした智であった。
一方の勇は、智にまんまと填められた気分を味わっており、歩実に至っては、何故、と言う表情が抜けないのであった。
「さて、最後だな。四班の布陣についてになるんだが」
「それなら、俺から。えー、田辺、剣峰は前。森野は俺の前。これ以外に良い布陣はありません」
「ふむ。剣系統の田辺君と剣峰君が前になるのは分かるが、何故森野君も前なのか理由を説明してくれ」
「はい、社長。それは簡単です。俺の後ろにいる必要がないからです」
「んん? 今の言い方だと、適性などから判断したのではなく、只、尾川君が一番後ろにいる必要がある、と言う事で良いか?」
智が、勇達が言い憎いであろう事を、“社長”という肩書きを使って、嫌みったらしく質問するのであったが、それの意味するところを理解できない法雄は、「当たり前です。優秀な人材が、前に出るなどあり得ません」と、得意満面に自説を披露するのであった。
「なるほど。だが、その案は却下だな」
「? 何故です。優秀な人材を守らないでどうするというのですか」
「はぁ。尾川君はいつまでそこに拘るつもりだ」
「いえ社長。申し訳ありませんが、拘っているのではなく、当然のことです。森野を守るより、俺を守る方が社としては損害は少ないかと」
「おいおい。いい加減にしてくれ。尾川君は、いつから当社の幹部になったんだ?」
「いえ、そうではなく。新人としての優劣でそうなる……」
「馬鹿者! 社会人一年生に優劣などない! どの学校を出たとしてもだ! 教養を身につけているのであれば、君のような態度は出来ない筈だ。……人事部は、一体何をやっているのか」
流石に怒り心頭の智が、声を荒らげると、全員がびっくりした様で、友実に至っては、少々涙目になっている始末である。一方で法雄はと言えば、その剣幕に体が震えているのである。
「……すまん。少々声を荒らげた。……布陣だが、田辺君と剣峰君が前衛で前に出るのは変わらないが、森野君は控えというところで、尾川君の後ろだな」
智が、苦肉の布陣を出したところで、「森野さんは、生成で土壁を作れたと思いますが、それを加味してと言うことですか?」と、歩実が友実も役に立てることがあると提案すると、落ち込んでいた友実の表情が一転するのであった。
「なるほど。いや、そうだったな。とすると、布陣としては、尾川君は後衛で攻撃支援。森野君は後衛で防衛拠点設営と維持、と言ったところか。尾川君が拠点を死守する形になるな」
智の布陣案に、法雄は顔を強張らせたものの、怒りを買うことを恐れて何も言わなかったようである。これを以て、四班の布陣が完成したと言うことのようである。
「社長」
「田辺君、何かあるか? あっ、それから、この研修が終わるまで、私のことは“安芸さん”と呼ぶように」
「えっ? 何でですか?」
「田辺君。異惑星の文明に接触して、“社長”と呼ぶのは問題があるだろう?」
「……あっ。うーん。確かに、“会社”という物がない場合は、説明が難しくなりますか」
「その通りだ。そうだ、すまん。何か質問か?」
「しゃ……。安芸さん。この後は、何をするんですか?」
「おっ。良いねぇ。新鮮だ……。あぁ、すまん。ちょっと浸ってしまったよ。……この後か、そうだな。三人には、戦闘時の連携が出来るようにして欲しい。田辺君と剣峰君で、想定を考えてくれ」
「えっ? 戦闘の想定を、いきなり考えるんですか? 剣峰さんはどうですか?」
「えっ? そうねぇ。出来るかな?」
智の提案に、勇と歩実は困惑した様子であるが、法雄はと言えば、嫌な表情をするだけのようである。
「私は、森野君の指導を早速始めたいんだがな」
「そう言えば、班入れ替え後も直ぐ実地研修でしたっけ。あたしは、まぁ、しゃ……、じゃない。安芸さんからの指示と言うことでしたら、この後は、田辺君と考えてみたいです。あっ、当然想定した内容の評価が頂けるんですよね、しゃ……。安芸さん」
「ふむ。確かに……。分かった、二人で想定した内容を確認しよう。それを繰り返せば、立案の精密さも上がるだろう」
「剣峰さんもやる気があるようですし、俺も戦闘想定をやってみます。何処まで通用するのか楽しみです。……とりあえず、支援も含めた三人で出来るように頑張ろうと思います」
智の意図をなんとなく汲み取った勇と歩実は、勇が言う“三人で出来るように頑張る”事を始めることにしたようである。
「と言う訳だ。森野君。君の出来ることを増やせるようやってみようか」
「は、はい。僕も頑張りますので、よろしくお願いしましゅ……」
「僕?」
友実の僕っ娘に、智は戸惑ったようであるが、新四班がここにスタートしたのである。
*
再度の班分けが終わった頃の一班では……。
「改めて自己紹介をするか。まずは一班を引率することになった、営業部部長の大貫志郎だ。呼び方は、そうだな。“大貫さん”とでも呼んで貰おう」
まずは小手調べ、と言う訳ではないのだろうが、班編制が変わったことから、自己紹介から始めたようである。しかし、新人達は続かないようである。
「どうした? ほら、次は誰が自己紹介するんだ?」
志郎が催促するも、尻込みしているのか、誰からも自己紹介を始めようとはしないのである。お互いに顔を見合わせているだけであったが、「部長、聞きにくいことではあるんですが、よろしいですか?」と、知己がようやく口を開いたのである。しかし、その口調から、自己紹介ではない別のことを聞きたいようである。
「ん? ……質問は良いのだが、君の名前を知らない。名乗ってもらえないか?」
「あっ。すいません。相田知己です」
「うむ。相田君か。それで、質問とは?」
「……はい。……あの。班分けについてですが、会社員とは言え一個人であり、自主性が重要なのではと思います。ですので、今からでも遅くありません、模擬戦最後の班に戻して下さい」
やや怯えているものの、知己本人としては、至って真面目な質問なのであろう。だが、語っている内容は要請となっていることに気が付いていないようである。
「そうです。まだ間に合います。戻して下さい。それが、社会の大人として取るべき行動です」
突然、便乗して別の男が、語り出したところ、「君の名は?」と、志郎は突然の発言に名を問うのであった。
「?」
「君の名は!」
「あっ。はい! 石井信照です」
「石井君。相田君の質問中だが、何故発言した」
「えっ? それは、一人だけの意見ではないことを教えるためです」
「それが、何故必要と感じたのか、聞かせてもらえるか?」
「は?」
「石井君が、何故そうしたのか聞きたいのだが?」
「えっ、えーと。少数意見だと通らないと思ったからです」
「ふむ。なるほど……。まず、相田君の質問だが……。質問ではなく要請になるんだが、理解しているか?」
「えっ? いえ、俺は質問をしているんです。それ以外はしていません」
「……なるほど。“今からでも遅くありません、模擬戦最後の班に戻して下さい”は、どう読み取っても質問ではないのだが。まぁ、百歩譲って、お願い、と受け取ることは出来るが。どうだ?」
志郎の捲し立てるような口調に、知己は反芻でもしているのか、言い返す言葉が見つからないのか、無言であった。
知己からの返事がないことに、「ふむ。良く考えてくれ。さて、石井君の発言についてだが。君の都合が良いように大人の行動を美化しているだけだな」と、志郎はバッサリ切り捨てるのであった。その言葉に、「な、何でですか。年上であるならば、年下を見守ることは当たり前じゃないですか。意見を尊重すべきです」と、感情が高ぶっているのか、信照は支離滅裂な内容を吐き出すのであった。
「ほら、今の石井君の発言が、既に君の都合で作られているぞ。……はぁ。なるほど、これは問題であるな」
志郎の問題あり発言に、「水上佐和です。相田君と石井君は、自分の意見を述べているだけだと思いますが、それの何処が問題なんですか」と、やや感情的に反論するのであった。
「水上君……。確かに、君の言う通りだ。だが、相田君は、“質問”と言ったぞ。その内容が、極論するが、感情論になっている。それは質問なのか? 俺は、質問ではなく、良い方にとって、お願いや要望と考えるが?」
「……確かに。質問と言っていました。失礼しました。ですが、再編は会社の横暴ではないのですか?」
「ほう。横暴と言うか。では、模擬戦最後の班に至ったことは横暴ではないと?」
志郎の押さえた剣幕に、佐和は、「あっ。いえ、分かりません」と、返すに留まったのは、理解したからのか、理解したくなかったからなのか、果たしてどちらなのであろう。
「あっ。あの。岡野美子です。私も、石井君の言うように、年下に優しくするのは年上がやるべき事だと思います」
「今度は岡野君か……。なるほど。君の意見はもっともらしく聞こえるが、若松君と松西君から聞いているぞ。模擬戦中に、年下を前に出そうとしたそうだな。剣峰君が窘めると、前衛後衛に分けずに闘ったそうだな。それを今度は俺より年が若いことを理由に、そのようなことを言うのか?」
志郎の言葉に、美子は言葉を無くし、俯いてしまうのであった。
「そろそろ良いか? 会社とは組織だ。上下もある。その上下のある組織では、上が決めたことに従わなければならない。とは言え、例外がないとは言わないし、自身の意見が通らない訳ではない。あくまでも、理屈や理論、あるいは先を見通した結論であればだが。それを踏まえた上で、模擬戦期間に君達が起こしたことは、当てはまると思うか?」
志郎は頃合いとみたようで、説得するかのような口調で語っているが、最後に、質問を投げかけることは忘れないのであった。
「部長。今後配属された場合、新人だけでチームを組むことは出来るんですか?」
「ふむ。それはない。業務に就くに当たって、配属先毎に進め方、資料の書き方はまちまちだ。それを新人だけで行うことは可能か?」
「あっ。いえ、無理です」
「そうだな。長年培った物があるのだから、それを教えるのは先輩になる。年齢はある程度近いとは思うが、場合によっては年下に教えられることになる。岡野君、どうだ?」
「学生の時とは、全く違うと言うことですか?」
「そうなる」
「では、どうすれば良いのか分かりません」
「うん。そうだろう。だから、それを自身で考えれば良いし、助言や手助けは、上の者が必ずやるから、安心しなさい」
「何も分からない、と言う事は分かったつもりです。部長、申し訳ありませんでした」
美子が、おのれの未熟さを痛感したようで、腰を九〇度に曲げる勢いで平謝りするのであった。
「今までとは違う、と言う事さえ理解してもらえれば良い。この先、それを踏まえた発言が出来ればなおさら良いな。但し、考えた末に気になることや不安は、飲み込まずに伝えてもらえるとありがたい……。それと、“大貫さん”と呼んでもらえるか?」
理解して貰えたと微笑みながら志郎は語るが、最後に照れながら、呼び方を変えて貰うように伝えると、「はい」と、元気な声が返ってくるのであった。
*
またまた、再度の班分けが終わった頃の二班では……。
「それじゃぁ、自己紹介からやろうかな」
忍も緊張しているのであろう、第一声は、砕けたように喋るのだが、「配属すると、新人だけで組むんですか?」と、いきなりの質問が始まるのであった。
「へっ?」
「あの、聞いてますか?」
「あぁ、うん。いや、自己紹介しない?」
「いえ、その前に、質問に答えて下さい」
「あぁ、いや。私は、君達の名前すら知らないんだけど、教えて欲しい」
「はぁ。俺は、小原忠司です。で、先ほどの質問に答えて下さい」
「あぁ、小原君ね」
――いきなり、溜め息? 疲れたのかな? まさか私、嘗められてる?
いきなりの理不尽に、怒りを堪える忍は、頬をひくつかせるのであった。
「はい、質問ね。配属されると、業務について教育してくれる先輩の下に就くね。仕事も先輩から渡されてレクチャーを受けて仕事だね」
「長谷智則です。その教育してくれる先輩は選べないんですか?」
「うん、選べない。大抵は一年先輩だけど、希に二年先輩もある。変えて貰うには、相当の理由が必要だね」
「相当な理由とはどれくらいですか」
「う~ん。聞いたことがないから分からないけど、あるとしたら、あきらかに教える側に問題がある場合だろうね」
忍の説明に、一斉に項垂れる新人達であった。
「何々。まだ、配属先すら決まっていないのに、もう諦めるのか、君達は。うちには、あそこまで酷いのは……。大丈夫だよ」
忍の言いように、何が大丈夫なのか不安が募る新人達であった。
「ほらぁ。元気出して行こう! 若者は、元気が取り柄なんだし」
忍が鼓舞しようとしたものの、「いつの時代の話ですか」や、「この人大丈夫?」などと、逆に不安が募ったようである。
「自己紹介しよう、ね。私は、宣伝部、宣伝課、戦略係長、細川忍。さぁ、次は誰かな?」
一人元気と言うより、気を張っているのであろう忍が、空回りしているのであった。
*
三度、班分けが終わった後の三班である。
他の班同様、別の部屋に移動しているのだが、「私は、西野珠恵。開発部部長だよ。……それはそうと。君達ぃ。肩書きのない先輩であろうが無かろうが、話程度ですら合わなければ排除するつもり?」と、いきなり説教が始まるのであった。
そう言われた新人達からは、唸るような素振りを見せていたが、「それは、当然じゃないですか」と、声を上げる者がいた。
「ほう。君の名前は?」
「……」
「はぁ。……名乗らずに意見を述べても、雑音と解釈するよ」
そう言われても尚、声を上げた者は名乗ろうとしないのである。声さえ上げれば、どうにかなると思っているのであろうか。いや、名を名乗れば標的になると考えているのかも知れない。
「そこの女子。名を名乗りなさい! さもなければ……」と、言い出すと、「……飯塚、帆美、です」と、ようやく脅しがきいたようで名乗りを上げるのであった。
「それで? 何が当然なの?」
「えっ? それは、そうしなければ成績が上がりません」
「成績?」
「そうです。成績が良くないと、良く思われないですから」
「おーう。まだそんなことを言っているのかい。成績という名の通知票は社会には存在しない。代わりに、成果という名の実績は存在するが、それは、個人はもとより、集団で行った結果によってもたらされるものだね。排除し続けても得られるものではない。排除だけ続けても何も得られない」
「そんな。一緒にいるなんて辛いです」
「君。また、名乗らずに感想だけ述べる。君は誰だい?」
「あっ。えっと。何でもありません」
「何か言いたいことがあれば、名乗ってからにしてくれないか? 私は、研修に参加していないんだから、新人の顔と名前が一致していないんだよ。名乗らないと無視するよ」
「……分かりました。高橋洋子です。合わない人と一緒に何かをするのは辛いんです。分かって下さい」
「なるほどね。でもね。会社も教える先輩も、馬鹿じゃない。ある程度は合わせてくれると思うよ」
「そうじゃないんです。考えが一緒でないと説明するのが面倒なんです」
「あぁ。なるほど。それは、無理な話だね」
「それは無責任です」
「いやいや。そもそも、君達新人にしてみたところで、同じ考えを持っている者なんて一人もいないだろう? いや、もう少し言い方を変えよう。食事に行くという行為は同じでも、ラーメンが食べたい、そばが食べたい、ステーキが食べたい、と何を食べるかは違うな?」
珠恵は、新人達の言い分に辟易しているのであろうが、そこは、マッド……。いや、比喩的に何にでも違いが出るものであると説教は加速するのであった。
「そんなの当たり前じゃないですか。何を言っているんですか」
「そうそう。それだよ。当たり前のことですら、違いはあるものなんだよ。であるなら、当然、他の部分であっても総体で見れば同じだとしても、詳細は違うなんてざらにあるんだよ。それを言葉に出さないで、面倒だ、で済ます上、一緒は嫌だと言い、挙げ句に排除に走る。これをなんと言えばいい?」
珠恵の説教は佳境を迎えたのか、やや声を張るのであった。
その剣幕に、新人達は口を閉ざすのであった。
「もう一つ。排除し続けてみれば良い、それは、何時か自分に返ってくるよ。もし、それも嫌だというのであれば、親の臑をかじるしかないね」
珠恵の言い分に、何か思うところがあるのか、剣幕に言い返せないだけなのか、新人達からは何も返ってこないのであった。
「ふぅ。説教は苦手な部類なんだがね。……まぁ、そうだね。これまでの社長の言葉を思い出すんだね。そう、排除ではなく別の方法、出来れば、手を取って進む方法を探すしかないね。まぁ、この会社にいる限りは、相談すれば、諸先輩が何らかの手を差し伸べてくれるよ」
そう締めくくった珠恵であるが、新人達は、一様にうつむき加減でいるのであった。




