集合
作者初の冒険?モノです。
試作品です。
*筆者は決してケンカを売っているわけではありません。ご容赦ください。
時刻は深夜三時過ぎ。
集合場所は郊外のマンション跡。
怪しさを前面に押し出したこの催しに、
以外な程人が集まっている。
おそらく、100人はいるだろう。
(よほど現実がイヤか、それとも物見ぐさか。
まぁ、悪趣味だよなぁ。)
己もその一人だと言うのを棚に上げ、
セーラー服に身を包んだ青年は
自身の服装チェックに余念がない。
「うん。今日のオレもスーパー可愛い!」
身長178cm。
骨太な体格にそこそこな男の容姿。
年齢・体重はシークレット。
ハンドルネーム、たぁぽむ。
今日は自慢の一張羅、
白にピンクのセーラー服に身を包んだ彼が、
こんな所に来ている理由は、
首に下げているネームプレートに書かれた
企画の為だ。
☆♪☆
【私を異世界に連れてって〜逝きなり!転生生活〜】
みなさんも、異世界転生してみませんか?
気軽に!身軽に!!
今の自分を変えたいあなたに!
☆♪☆
ふざけたタイトルに内容だが、
たぁぽむは心を惹かれた。
本気で異世界に行けるとは思っていないが、
なにかしら話題のネタにはなるだろう。
ひょっとしたら、
そのネタから自分へ注目がいき、
更に行けばー
そんな都合の良い妄想をしていた矢先、
どん!と勢いよく誰かにぶつかられた。
振り向けば、そこには若い女性。
「す、すみませ……」
驚く彼女に声をかける。
「オレの可愛いさに見惚れるのは許すけど、
今度からは気をつけなよ?
まぁ、君もそこそこ可愛いし?
そのワンピは赤より青の方がオレ的には
ポイント高いけど、そこはこれから、
場数踏めば良い話だからね!
メイクは悪くないし、
ま、頑張って!」
うっかりぶつかった相手の唐突な語りに、
引き笑いをしながら彼女は一礼し、
足早に去っていく。
それを、照れと認識した彼はマイペースに
鏡を取り出し、先程の続きにかかる。
と、その時、
やっと目の前に現れた移動用のバスに、
その場にいた者達が一斉に安堵の息を漏らした。
彼らの運命を揺るがす一大イベント
開幕!