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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
12章 求むるは癒しの道具
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寺子屋に死神

「ん、そろそろいい頃合いかな」

「ん?何処かで待ち合わせかなんかだったのか?」

「寺子屋が空くまでの時間つぶしだったんだよ」


本を閉じ、元の場所にしまう。

魔理沙は…自分で持ってきた本に視線を落としながら「ふーん」と頷いていた。


「慧音さんに用事…というか訪ねたい事があってね」

「そうだったのか…竹林にでも行くのか?」

「よくわかったね…」

「んー、というかそれくらいしか思いつかなかったんだよなぁ。慧音に用があるってのは…で、なんで竹林に?」

「式の訓練をしてて、まぁ…その過程で怪我もするんだが…」

「ああ、その治療に使う薬が切れたのか。式神ってことは…あの犬耳の」

「狼なんだけどな。じゃ、また今度」

「ああ、じゃあなー」

「また来てくださいねー」




寺子屋に行く途中で数人の子供とすれ違ったので、おそらく今日の授業は終わっているはずだ。


「…妹紅さんも一緒に居たら二度手間にならないんだけどなぁ」


ぼやいているうちに、到着した。

…話し声が聞こえるが、片方は男性のようだ。


「すいませーん」

「…ん、黄か?」

「ふむ…君が最近来た…紫の従者か」


その男性は二十代くらいの顔立ちなんだけど…髪が真っ白だ。しかも、幻想郷では殆ど見ないような黒いコートを羽織っている。そして…紫様を呼び捨てにしていた。


「はい、八雲黄です。…慧音さん、こちらの方は…」

「ああ、彼は…虚空。『林檎の死神』と言ったら通じるか?」

「あー、ちょっとだけ聞いた事があります。林檎を齧りながら散歩をしているって」

「ん、まぁ…その噂の本人だ。よろしく」

「はい、よろしくお願いします」


死神だというけれど、普通に接することもできるみたいだ。でも…


「…紫様を呼び捨て、ですか」

「あー…そのくらい付き合いが長いってこった。幻想郷ができる前から顔馴染みだしな」


とんでもない長さの付き合いだった。


「…そうだ、黄。何故ここに?」

「永遠亭に行きたいので、妹紅さんがどこにいるか場所を教えてもらおうと思いまして」

「あー…今日はちょっと厳しいかもな…」

「…ああ、あの日か」


慧音さんと虚空さんの表情で、何が起きているかは大体わかってしまった。

…輝夜さんと、闘う日なのだろう。


「うーん、困ったな…」

「…一応、俺も案内できる。お前が良ければ案内してもいいが…」

「あ、じゃあお願いしてもいいですか?」

「…ああ、わかった」


道中でどんな話が聞けるのかな、と少し楽しみだったり。

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