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窮地にて覚醒…?
藍さんの手刀が鼻を掠め、妖力の残滓が目の前に見えた。
間違いない、藍さんは…俺を殺す気で殴りかかってきている!
「ま、待って、藍さん…っ!」
聞く耳を持ってない。まずい…!
少しずつ、追い詰められてきている。
飛行しながら避けつついるが、たぶん先読みされているんだろう…!
「くっ…!っう…」
頬を爪が掠める。ピリッと痛みが走った。
藍さんの爪は、獲物を仕留めるために長く、強く鋭く伸びている。
「引き裂かれるか、貫かれるか選べっ!」
「どっちも嫌ですよ!」
バリアも殆ど意味なく砕かれている…っ!?
「ごほっ…!」
深々と、腹に爪が刺さっている。
「捕まえたぞ…」
「ぐっ、げほっ…」
刺さっているのは、左手の爪。
右腕は、ゆっくりと振り上げられている。
「…橙を傷つけた罪、ここで償え!」
振り下ろされた右腕は、首を狙っている…なんとか両腕で受け止めた所で、腹にあった熱い感覚が、胸のあたりまで広がった。
腹に刺さっていた爪をそのまま上に持ち上げ、引き裂いていた。
「ぐがっ…は、げほっ、ぐ…うぅ…」
まずい、な…このままじゃ…何も、知らないまま、死んでしまう…。
「……っ、ぐ…っ」
「苦しまなくていいようにしてやる」
「…っ、う…あぁぁぁぁっ!!」
死にたくない。そう思った瞬間に。
力が溢れ出した。




