守るものと進むもの
(砂羽)
その頃、砂羽の身体に異変が起きていた。
何もしていないにも関わらず、身体中に痛みが走り、傷が増えていく・・・
それと同時に、声が戻り始めた・・・。
「術が解け始めた・・・ってことか・・・。」
その時、脇腹に大きな痛みを感じ、その場所を見ると深い刺し傷が出来ていた。
砂羽がその場所を触れると少し異物があるように感じた。
彼女は、それを押し出すように出そうとしたが出てこない。
「澪の奴・・・」
そういうと、傷口に思いっきり手を入れ中身を取り出した。
卵ぐらいの大きさの透明な石
血に塗れた砂羽の手の中で怪しく光っている・・・
砂羽はその石をベットの上に置き、部屋を後にした。
(一馬)
「俺の二の舞・・・か・・・」
一馬は、子ども達の背中をぽんぽんと軽く叩きながら、彼らの様子を眺めていた。
カーテン越しではあるが、外が少しずつ明るくなっていく。
「・・・う~ん・・・」
男の子の眼がゆっくり開いていく・・・。
「起こしちゃった・・・ごめんなもう少し寝てていいぞ。」
「うん・・・」
男の子はまた眠りについた。
「俺が、この子たちの親になって、この子達を守り続ける。これ以上辛い目にあわせないからな・・・」
そういって子ども達の頭をそっとなでた。




