廃墟と森の空間で
(獅織・司)
獅織と司は、楓の繰り出す無数の糸を避けるようにフィールドを走り続ける。
「きゃきゃきゃきゃ(笑)超~面白い!でも・・・」
そのとたん糸を出すのをやめ、こういった。
「じゃ、今度は戦ってもらお。」
手に持っていた木のブロックの色が、地面に触れると変わり姿を変えていく。
「司・・・」
「なんすか?獅織さん。」
「楓は、ゾンビを出してくると思う。だから、あまり傷つけるなよ。」
獅織は、真剣な目で司を見つめ、半ば脅すような口調でそういった。
「どうしてっすか?どんな形も敵っすよ?」
「豪紫さんが言ってたんだ。あの姿のままじゃかわいそうだって。元の姿にできる限り戻して葬ってあげようって。」
司は、黙り込んでしまった。
「そう・・・ですよね・・・。」
楓の木のブロックは、黒い無数の塊になっていた。それが人型に代わり・・・
獅織の予想通り、犠牲になった子どもたちで作られえたゾンビだった。
「司、鬼灯張ってくれ。」
「・・・了解!」
そういうと無数のゾンビの中に突入していった。
中央付近まで走ると、司がその場でしゃがみ右手を下に振り下ろし鬼灯で防御を張る。
その間獅織は、司の後ろで武具である短刀の刃に、自らの血を付け地面に落とす。
「我と契約せし者よ。我が名の下に召還する!骸、麟!」
彼らの下には、紅く光る魔方陣が現れ、彼らの後ろに甲冑を来た鬼“骸”と白色の着物を身に纏う巫女“麟”がいた。
「頼んだぞ!」
「「御意。」」
彼らは、ゾンビに立ち向かっていった。
骸がゾンビを解体し、麟が回収していく・・・。
「うわぁ~すごい!僕もほしい~!!」
目をきらきら輝かせながら、楓は骸と麟を見つめていた・・・。
「じゃ、俺も攻撃始めます。」
そういいながら司は、腰に刺していた日本刀を抜き、左手に握る。
「いくぜ!狂い咲け!紅桜!」
地面が揺らぎ、マグマが噴きだし、それが、花びらとなり、楓を包んでいく・・・
「わぁ~!きれいだね。でも・・・・僕はここだよ。」
楓は、獅織と司の上空で笑っていた・・・
大きな巣を張りながら・・・
一方
朝比奈は、森の中で聞き耳を立て、精神を集中させながら雷を探す。
「どこ見てんだよ!」
雷はすばやい動きで朝比奈の身体に傷を刻んでいく・・・。
「早くさっきみたいに打ってこいよ!そのほうが面白くてたまんねぇ~んだよ!!」
そういいながら、雷はまた木々の中に姿を消していく・・・
「じゃ、その言葉通りにやってやるよ!」
朝比奈は、ガトリングガンを腰の辺りにセットするかのように動かすと、声のあった方向の少し右側に銃口を向けた。
「行くぞ、オラァ!!」
その言葉と同時に引き金を引くと、自らの身体で円を描くように乱れ打つ。
「ひゃっほ~!マジ面白れ~し!」
雷は、狂ったような声で笑いながら放たれる銃弾を避けていく・・・。
身体を銃弾が掠めているのも気にせず、ただひたすら・・・
「くそ!仕留められねぇ・・・早すぎる。」
「じゃ、これならどう?」
朝比奈の視界に、長く、血で染まった長い爪が入ってきた。
「捕まえた。打ってみろよ、ほら。」
しかし、朝比奈は動じない。
「残念だったな。捕まえたのは、俺だ!」
そういいながら、右足を少し上げ、強めにふり降ろした。
「動き出せ!無影!」
すると朝比奈の影がひとりでに動き出し、雷の動きと止めていく。
長い爪の付いた腕は、引きちぎるくらいの力で特に強く・・・。
「ひゃひゃひゃひゃ・・・!マジお前面白いな!」
しかし雷は、高らかに笑い始めた。
まるでこの状態を楽しむかのように・・・
「何が“捕まえたのは俺だ”だよ。マジ笑える。こんなもんで俺が死ぬとでも思ってんの?」
雷は、その影に逆らうかのように、両腕を勢いよく前へふる。
「楽しかったぜ!さようなら!」
朝比奈の身体に激しく電気が走っていく。動きのすべてを奪うように・・・。




